クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
小さなケーキ。小さなカップアイス。中を切り開けば誰しもが恍惚感にひたれる、魅惑の「断面図萌え。」が存在している。記念すべき第一回目は、京都にOPENしてまだ2年、ケーキの見た目も店内もアート感溢れる「RAU(ラウ)」の世界へ誘います。
Yama– 1450yen(+tax)
現代アーティストの陶器作品かと一瞬思ってしまうこのフォルム。中身は、実はモンブラン。洋栗のマロンムースに包まれ、中から流れだすのはプラリネソース。複雑に構築されており、昨年リニューアルしカシスの風味が足された。イランイランというエキゾチックなアロマを組み合わせた大人の仕様。
-構成-
表面:ホワイトチョコレート
TOP:トンカ豆のムース
中央:マロンムース、プラリネソース、生クリーム、
イランイランとカシスのソース、マロンバタークリーム、和栗のクリーム、栗のビスキュイ生地
Bin赤 -1350yen(+tax)
遠目に見たら、花瓶にしか見えないこのツヤツヤした見た目。上に添えられたお花。「切りたいけど、切ってはいけない…」そんな気持ちで切り開けば、あふれ出る野イチゴ。アールグレイのムースをベースにしており、さっぱりいただける。そして野ばらとトマトをベースにしたソースや野いちごのコンフィなど酸味と甘みを、香りで包み込む素晴らしい構成に仕上がっている。
-構成-
野いちごのコンフィ、アールグレイのムース、アールグレイソース、
野ばらとトマトのソース、ビスキュイ生地
黒いビールをイメージしたデセール
《Awa》– 1450yen(+tax)
ビールの原材料でもある「ホップ」を使った斬新なデセール。黒ビールをグラスに注いで泡立つ姿を形に。グラス部分は黒ビールを、泡の部分はホワイトビールを使用したこだわり。キャラメリゼしたナッツやドライフルーツが中に敷き詰められ、ビールとの相性を計算し尽くした、最高レベルの設計。
-構成-
ホワイトビールムース、黒ビールムース、ホワイトチョコレート、キャラメリゼナッツ、ドライフルーツ、黒ビールを染み込ませたビスキュイ
阪急京都線京都河原町駅下車、4番出口より徒歩2分、京阪本線祇園四条駅 3番出口より徒歩5分。京都の中心部にできた「GOOD NATURE STATION」に店を構えるこのお店。1階だけではなく、3階はカフェになっており、広々とした空間でデセールがいただける。
29歳で東京神楽坂に、当時珍しかった「デセールコース」と「ショコラ」の専門店を開業したシェフパティシエ。その後、東南アジアをはじめ、ヨーロッパ・アジア・南米と世界中を巡り、様々な食文化に触れる。自身の著書は、日本以外にも韓国・台湾・中国など世界各国で販売されている。
東京のフレンチレストランや、ショコラトリーなどを経て、シェフパティシエである松下の店でシェフショコラティエを務める。その後渡仏し、星付きレストランでシェフパティシエを務め、帰国後はフランスのショコラ品評会に出品すると同時に、南米や東南アジアを巡り、カカオの世界にのめり込む。コスタリカにあるカカオの研究機関と共同でオリジナルのカカオ開発にも取り組んでいる。
「ケーキではなくデセール」そう話す松下シェフ。ケーキへのアプローチが、素材選びから製法にわたり、根本的に違うのがこの「RAU patisserie&chocolate」の大きな魅力。「ここにしかないもの」そんなメッセージと、彼らの新しい挑戦を感じるデセール。次回、今回紹介しきれなかったデセールをさらに紹介します。お楽しみに。
About Shop
「RAU patisserie&chocolate」
〒600-8022 京都府京都市下京区2丁目稲荷町318番6
GOOD NATURE STATION内
営業時間 平日、土曜日 11:00~20:00(1F)
※2021年3月現在、営業時短要請を受けて3Fカフェは
19:00ごろまで。時期により変動あり
定休日 施設に順ずる
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