クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
通い、買うこと10年。いつまで経っても変わらないそのフォルム。
気取らないその見た目と素材。愛すべきこのショートケーキは、本郷三丁目にある「オザワ洋菓子店」。
「イチゴシャンデ」が有名で、各メディアではそちらが取り上げられるが、筆者が好きなのはこのショートケーキ。
東京メトロ、本郷三丁目駅。丸ノ内線や都営大江戸線が走り、新宿からも15分程度とアクセスもよい。駅から歩くこと5~7分、創業54年を迎える「オザワ洋菓子店」がある。
ショーケースに並ぶケーキはまるで、宝石のよう。手書きで書かれたその風情も味の一つである。
ショートケーキと同じく、筆者が好きなダブルシュークリームもオススメ。敷き詰められたカスタードクリームの上に、これでもかと生クリームがのる。
本題のショートケーキ。表面層、中間層、下層の3層になっている。
特筆すべきは、3点ある。
まず1点目が、このクリームのツノ。クリームの味の立体感を出す役割があり、おいしいショートケーキにおいて大事な要素。
ふわっとやわらかく、口の中で溶けていく。
2つ目は、下層にある赤い線。これはイチゴジャムになっている。
最近のショートケーキでは、なかなか見なくなった。これを加えて理由を店主に伺うと「イチゴと生地と、クリームだけだと味のインパクトがやや弱い。
そこで下にジャムを入れることによって強弱をつけた」。
この計算、見事である。イチゴジャムがきいていて、後味のしっかりイチゴの風味が残る。
3つ目は、ナパージュされたイチゴ。そのままイチゴをのせるお店も多い中、ナパージュされることにより、全体の甘みにアクセントを出している。
ゼリー状の食感も、全体にいい影響を与えている。この理由も伺ったが……。
そう話すのは店主の小澤さん。
しつこく質問する筆者に、返ってきた言葉はこれだった。
それでも、なぜおいしいのか、なぜまた食べたくなるのか、その理由は言葉にできないもの。真心こめて、毎日作る小澤さんのその“愛”に味のヒントがあるのかもしれない。
About Shop
「オザワ洋菓子店」
〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目22-9
営業時間:月〜金10:00〜19:00、土曜日10:00〜18:00
定休日:日・祝日
本郷三丁目駅から徒歩5分
Photo&Writing/Cream taro
注目記事