今年で3回目を迎えるスイーツの祭典「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク 2023」が、6月30日(金)から7月30日(日)まで開催。初開催となる2021年から、今年で3年目となるイベント。関東や関西のパティスリー、ホテル、レストランなど225店舗が参加するほど、年々参加店舗も増えて全国で白熱する人気イベントに。
今回は、実はフランスの伝統菓子である「エクレア」のこと、そして発表会の会場へ潜入してきました。古き良きエクレアの魅力をお伝えしていきます。
「フランスパティスリーウィーク」は2021年は「パリブレスト」、2022年は「ミルフィーユ」と、毎年フランスの伝統菓子をテーマに、多くのお店がそれぞれの表現で約1カ月間、行われるイベントです。今年のテーマである「エクレア」。クラシックなものは細長いシュー生地に、カスタードやホイップなどのクリームを入れ、チョコレートやフォンダンアイシングをかけたもの。
19世紀フランスで 「シェフの王」と呼ばれたアントナン・カレームがその原型を作り、その後今の形になったと言われています。
エクレアの名前の由来は「稲妻」。稲妻が落ちるのと同じぐらい一瞬で食べられてしまうことが語源とされています。フランス語で「エクレア」 とつけられたそうです。フランスの菓子店ではもっとも基本的な菓子とされ、日本のシュークリームやショートケーキの位置づけに近いものですが、近年はシェフの個性を反映するスイーツのひとつとなっているそうです。
今回のデモンストレーションは、都内屈指の名店である「Ryoura」の菅又シェフと、ホテル界のブティックでもトップクラスのクオリティと腕を持つ「パーク ハイアット 東京」のジュリアンシェフが登場。そしてフランスパティスリーウィークアドバイザー. フランス菓子研究家大森由紀子さんが司会をつとめます。
それぞれが考えた、最高のエクレアをその場で披露してくださいました。
まずはジュリアンシェフから。マンゴーのシーズンということで、宮崎のマンゴーとパイナップルは沖縄のものを使用。旬を迎えることが大きな理由なんだとか。また「エキゾチック」というのをテーマにしているものの、エキゾチックといえばココナッツを使いがちなので、そこでジュリアンシェフが選んだのは「トンカ豆」。杏仁の近い香りのするスパイスで、バニラの代用として使われることもありますが、今回ジュリアンシェフはトンカ豆とバニラを合わせることに。煮だして使うのではなく、粉砕した豆をそのまま使用するという技も披露。
ジュリアンシェフに、食感のこだわりを伺うと、口に入れたときにフレッシュであることを重視しているんだとか。サクサクとした生地のクリスプ感と、上のクリームのなめらかさ、フルーツのフレッシュさのバランスに重きを置いたんだとか。
たしかにびっくりするぐらい食感が軽く、そしてマンゴーのみずみずしさを感じる美味しさ。そして何よりもエキゾチックなフルーツの味わいに、トンカとバニラのスパイスがより余韻をもたらすような味わいでした。
続いて登場したのが菅又シェフ。菅又シェフが挑戦したのはラムレーズンのエクレア。ありそうでなかったラムレーズンとエクレア。こだわりを伺うと……。
菅又シェフ「ラムレーズンは、アイスになっているぐらいベーシックなフレーバーで老若男女問わず好まれるもの。だからこそ、エクレアに使ってみたいと思いました。エクレアの表面はクッキー生地で、食感に違いを生み出します。また最近レーズンを漬けるのにもハマっていてレーズンにもこだわっています。」
まるでレーズンサンドのような味わいのエクレア。ポップなカラーリングがキュートな見た目。ヴァローナ社のホワイトチョコを使った逸品になっています。
また食感は、生地が主張しすぎないように考えたんだとか。構成が複雑なので、一口で食べてバラバラにならないように。サクサクとした食感ではなく、生地がしっとりして一体感を出すことができるんだとか。
どちらのエクレアも絶品。6月30日よりいよいよ始まる祭典。ぜひ公式HPで参加店舗の詳細もチェックしてみてください。
■イベント名:ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2023
■開催期間:2023年6⽉30⽇(⾦)〜7⽉30⽇(⽇)
■主催:フランス パティスリーウィーク事務局
参加店はこちら : https://www.francepatisserieweek.com/pastryshops
クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
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