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創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

創業1996年。花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

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創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

苺が美味しい季節が今年も到来! 久しぶりのショートケーキ連載となる今回は、ファッションブランドが手がけるカフェとしてはパイオニア的存在の「カフェコムサ」。

その「カフェコムサ」の中でも印象的な内装と、最もフルーツの種類が多く並ぶ「カフェコムサ コムサステージ銀座店」へ。

創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

26年を超える歴史の中でも、日本のフルーツが持つ魅力にいち早く気づき、発信し新しいスイーツ文化を築きあげた「カフェコムサ」。生産者を応援し、文化を伝承する知られざる姿と、ショートケーキの美味しさの秘密に迫ります。

カラフルなテーブルクロス、そしてステージのようなオープンキッチン

創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

お店はファッションブランド「COMME CA STAGE」の入ったビルの地下1階に。ビルの角端にあるエレベーターで地下に降りると、そこはブランドの世界観を体現するような異世界。

まるで秘密基地へ行くようなワクワクした気分に。店内はビビットな単色のテーブルクロスが印象的。

創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

全体的に照明が落とされた店内の中でも、ひと際目立つのがまるでステージのようなキッチンと、美しいショーケース。次々と作られていく美しいケーキたち。その様子をライブ感覚で見られるのも、このお店ならでは。

“日本の食をアートする”「カフェコムサ」が描く想い

創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

壁に沿って一直線に伸びるかのようなショーケースには、旬のフルーツを使ったタルトやケーキが。なぜこのような美しいケーキを、ファッションブランドである「コムサ」は始めたのか? なぜフルーツなのか? その秘密はブランドと同じ目線で描く「四季」がキーワードに。

創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

“日本の文化を大事にする”というコンセプトのもと、洋服にも四季があるようにこのカフェで、何を表現し伝えていくか? その時に洋服と同様に四季を表すものとして「日本の果物」がヒントになったんだとか。

ただ四季を表現するだけではなく、「カフェコムサ」を通じて伝えたいメッセージは、生産者たちが持っているフルーツに対するストーリーだと、広報の方は話す。そのため、商品の名前には農園の名前も入っている。

またパティシエ自らが農家へ行って話を聞くことで、普段はなかなか聞くことができないその土地の素材や歴史に寄り添い、農家の声を「カフェコムサ」のケーキを通して伝えていくようにしているんだとか。

今しか食べられない幻の苺“古都華”に隠された感動ストーリー

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毎年この「カフェコムサ」で販売されるタルトやケーキの苺の品種の多さに驚く。今話題の埼玉県産の「あまりん」はもちろんのこと、白いちごなど希少性高いものが勢ぞろい。

苺の地産地消に力を入れているという「カフェコムサ」。全国の店舗で、それぞれの地域にある苺を使う「Farm Story」という名前の取り組みを通じると、年間では全店舗合計で30種類ぐらいになるんだとか。

創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

また今回紹介する「古都華」という品種は奈良県で栽培されている。濃厚な甘さ、香りともにトップクラスでこの「古都華」は、パティシエたち含め「カフェコムサ」にとって思い入れのある品種だそうだ。

この「古都華」がデビューした当時は、生産者も9人しかいない状況で大量に作ることもできなかった。また市場の人気株は現在でも人気のある「あまおう」。

2年程度使っても、人気は変わらず。美味しくても、なかなか広まらなかったこの「古都華」を、「美味しいから」と応援し使い続けてきたのがこの「カフェコムサ」であった。

この苺を使ったケーキは、12月は銀座店のみでいただくことができる(2022年度の販売時期は12月21日~25日を予定しています)。いずれも数量限定なので早めにいただきたい。それではケーキの紹介へとうつる。

熟練のシェフが作る、フルーツが主役のショートケーキ

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今回、目の前で作ってくださったのは赤いタイがチャーミングな鈴木さくらシェフ。タイは色分けになっており、チーフとも呼べるシェフのみが身につけられるのが、この赤いタイなんだとか。

鈴木シェフが、ホテルパティシエを経験後、この「カフェコムサ」でなんと約13年以上もケーキを作り続けてきたという。

創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

ショートケーキはフルーツの美味しさを主役にするために生クリームの糖度を、全体的に下げているんだそう。とりわけ甘みが強い「古都華」においては、フルーツの美味しさをより引き出すことを考えているんだとか。

またフルーツの味はかならず味見をするなど、品質へのこだわりも徹底。必ずその時美味しいもので作るようにしているんだとか。

創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

そしてクリスマス時期ということで、クリームにはピスタチオを合わせている。酸味のある苺との相性もよく、口の中では主張しすぎないピスタチオのクリームが絶妙。

主役はフルーツなれど、絶妙な生クリームの美味しさとキレに注目

創業1996年。長い歴史が生み出す花のようなショートケーキ「カフェコムサ」(銀座)と幻のイチゴ“古都華”物語

フルーツの美味しさはもちろんのこと、注目すべきは生クリームの美味しさ。銀座店の乳脂肪分は42%、普通の店舗より高い乳脂肪分しているんだとか。銀座という場所にふさわしいような、ちょっとリッチな味わいに仕上がっている。

生クリームの量も多く見えるものの、中にはどこを食べても苺を感じることができるので、さっぱりといただける。

たった一つのケーキが持つストーリー。“美味しさ”だけではなく、その背景には、生産者を応援する文化や考え方はしっかりと敷き詰められている。そんな発見のある、連載取材だった。

About Shop
カフェコムサ コムサステージ銀座店
東京都中央区銀座4丁目3−1 銀座並木館 B1
営業時間:11:00~22:00
定休日:不定休

クリーム太郎

クリーム太朗

ウフ。編集長

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編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中

Photo&Writing/Cream Taro