今回の舞台となるのは、大阪府。梅田駅近く、北区に2021年OPENして以来、大旋風を巻き起こした「hannoc」(ハノック)。パティシエの新しい働き方と価値創造をテーマに、シェフがいない新しいコンセプトのお店であるこのお店は、まだ20代と若いパティシエたちが自由な発想とチームワークのもと、新しいお菓子とケーキを創り出している。そんなhannocでいただける、ガトーフレーズを紹介しよう。
2021年3月13日、オープンするや否や人気が沸騰し東京での大きな催事へ出店も実現した。大阪の店舗はパティスリーにしてはかなり広く、グレーを基調とし、店内はスタイリッシュでトレンド感を漂わせてくれる。取材時期はクリスマスだったこともあり、かわいらしいリースが飾られていた。
ショーケースには、かなりの数のケーキと横にはテリーヌ、バターサンド、ゴーフルなど、トレンドのスイーツがズラリと並ぶ。
ケーキそれぞれ作り手が異なるという、コンセプトがまた面白い。
丸くてかわいらしい見た目。クリームに丸~く包まれたかのようなフォルムが、クリーム好きの筆者を魅了する。最大の特徴は、ジェノワーズ(生地)を焼かずに、仕上げられた構成。ショートケーキは、大量にジェノワーズを焼いて、切って色々な工程を踏むが、製造工程をよりシンプルにし、美味しくかつ作業の効率化を目指したという、パティシエたちの労働問題や働きやすさを考える、hannocさんらしいアンサーだと感じた。
ムースと、生クリームのまろやかさで、かなりさっぱりといただける。そして見た目のかわいらしさも、このお店ならでは。
一番下の生地は、ジェノワーズではなくビスキュイジョコンド。ビスキュイジョコンドとは、アーモンドパウダーと同量の粉砂糖に、小麦粉や卵を合わせて空気を含ませ、メレンゲとバターを加えて高温で焼き上げた生地のこと。かなり軽く、香ばしさもあるので全体をしっかり支えてくれている。
甘くなりすぎないように、しっとりした土台で、食べ進めていくときの食感も面白く、甘さと酸味、食感、どのケーキでも大切な部分ではあるがクオリティとバランスが絶妙。
全体的に、ケーキの甘さはどれも控えめで、かつ味のメリハリ、食感のメリハリを意識しているんだとか。このガトーフレーズは、中のジュレの中の食感も面白く、あっという間に食べて終えてしまった。
なんだかんだ、このケーキがお店の人気株なんだとか。さっぱりとしたクリームと苺の甘さを主役にいただけるこちら、ぜひ一度ご賞味を。
About Shop
hannoc
大阪府大阪市北区万歳町4−12 1F 浪速ビル 西館
営業時間:11:00~19:00
定休日:無休
クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
Photo&Writing/Cream Taro
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