「TENERA bread & meals」（テネラ ブレッド＆ミールズ）。2020年8月白山にオープンして以来、毎日行列が絶えない人気店です。今回はお店の紹介に加えて、立ち上げから今に至るまでのこと、そしてお店が目指すパンと、その想いを取材してきました。また今の季節におすすめのスイーツなパンもお届けしていきます。
東京都は文京区。都営三田線の千石駅から徒歩5分ほどのところにある「TENERA bread & meals」。OPENから早くも焼き立てのパンを求める人でいっぱい。
お店へ入れば、バゲットをはじめハード系のパンから季節で変わるお惣菜系のパン、そして人気のクロワッサンやスコーンなどが並びます。選んだパンをお店の方が取ってくれるシステムです。
後ほど紹介をするシナモンロールは売り切れ必至。コロンとしたフォルムがとってもキュートです。
店内と、エントランスにはパンと一緒にドライミモザが。そして外にはたくさんの植物にあふれて、すごく気持ちがいい空間です。
パン職人の田中仁人は、元々ファッションデザイナーという異色の経歴の持ち主。もともと子供のころに飲食店をやりたい、という夢を持っていた田中さん。36歳の時に、パン業界へと転職し「パーラー江古田」と「TOLOPAN TOKYO」にて修行後に独立をし、開業。
田中さんが“パン”を選んだ理由は、「人を喜ばせる」がキーワード。ファッション＝“衣”の分野に比べても、衣、食、住、人の生活を軸により多くの、より大きな喜びを与えるものとしての「飲食」に注目。その飲食の中でも、特に生活により密着しながら、高価ではなく手に取りやすいパンを選んだとか。店名にもそのコンセプトや想いが込められています。
店名の「TENERA」/ テネラ : イタリア語でやさしい / 思いやりのある / 愛情のある
「より多くの人に、より大きな幸せを届ける」という田中さんの想いは、ただおいしいだけでなく、健康的なだけではなく、健康的でありながら、何よりも美味しいものを提案しています。そして幸せの連鎖は食べる人だけではありません。
田中さんが考える幸せは更に深いところに。食べるお客さん、そしてその先にあるパンを作る従業員、そして原材料を作る生産者さんにもつながっていきます。
すごく印象的だったのは食材選びや利用方法。農家さんの出荷できない“かわいくない野菜”だったり、使わない皮も使用したり、たまごサンドの卵も小さかったり大きかったり、箱に入って売れるうようなものじゃないものも使うのが、「TENERA bread & meals」のスタイル。“きれい”よりも、味と使いきることをしっかりと考えているんだとか。
このお店で田中さんを支える一人として、アリスさんの存在は欠かせません。栄養学や調理科学に詳しい料理家のアリスさん、“田中さんのパン(bread)” ＆ “アリスさんの料理(meals)”を融合させて「TENERA bread&meals」。田中さんが追求する美味しさと、アリスさんが食材選びの調理のマジックで、“健康的で誰もが喜ぶパン”が生まれます。アリスさんに、具体的な話を伺いました。
「基本的には、すべてのパンに全粒粉に使っています。ケーキもスコーンなどの焼き菓子も、すべて全粒粉です。
そして塩分や油脂のこともすごく考えて作っています。例えばサンドイッチ系やお食事系の惣菜サンドも、“しょっぱくておいしい”じゃない、素材を活かした素材の味わいが深く感じられるような作り方をしています。例えばカレーパンであったら、スパイス感で味の軸を作ります。
素材選びでも無農薬のものを使ったり、卵は放し飼いの鶏の自然のものを使ったりもしていますね。」
そんなアリスさんがちょうどこの時期に、スイーツメディアで紹介するのにおすすめのパンを紹介してくださいました。
「シナモンロール・クラシック」は、お店の中でも人気商品。アイシングからもシナモンの香りが楽しめ、全粒粉が入った生地の食感も、もうたまりません。バリバリッっと口の中で広がる旨みは、パン好きだけではなくお菓子が好きな人ならだれでもうなる美味しさ。
続いては「アールグレイとホワイトチョコ」。取材中に田中さんからもオススメいただいたこちらは、見た目はハード系のパンでありながらアールグレイとホワイトチョコレートがベースに。かぶりついた瞬間に感じる、紅茶の香りが鼻に突き抜け、まろやかな甘さはホワイトチョコらしいまとまり感。ずっとかみしめたくなる美味しさです。
続いては「スコーン」です。「TENERA bread&meals」らしい、優しい甘みが口に広がる全粒粉の風味。ガリッ、中はホロホロっと、おやつにも食事のおともにもなりそうです。
最後は、売り切れ必至の「クロワッサン」。現在様々な小麦をテストして作っているというクロワッサンですが、口に入れた瞬間に広がる旨みと美味しさに絶句するほど。そして「サレ系」とも言いたくなる、塩気はヤミツキ間違いなし。いくらでも食べられてしまう軽さで、2個は買っておきたいぐらい。
お店に訪れるお客さんは前からお店を応援していた方々も多く、取材中にもアリスさんとお話をする方がたくさんいて多くの人に愛されているのを感じました。
またアリスさんの母国の料理でもある、餃子の冷凍販売も時期によってはしているそうで、Instagramはこまめにチェックをしたいもの。季節で変わるパン、その時期で新しくリニューアルするパンは常に変わっているので、ぜひ公式インスタグラムで追ってみてください。
About Shop
「TENERA bread & meals」
東京都文京区白山4-37-37
営業時間：10：00～売り切れ次第
定休日：水、木、金
クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
Photo＆Writing／Cream Taro
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