焼き菓子部
2025.03.09

「KILIG（キリグ）」（兵庫・芦屋）で25歳の若きシェフが生み出す朝焼き菓子×300種類のナチュラルワインのマリアージュを堪能

芦屋にある焼き菓子とワインのお店「KILIG（キリグ）」。ここでは、毎朝焼きたてのフィナンシェやタルト、アップルパイなどの“朝焼き”スイーツが楽しめるだけでなく、併設されたワインセラーには300種類以上のナチュラルワインが並びます。さらに、週末限定のこだわり抜かれたパフェも話題！「ワイン×スイーツ」という大人の贅沢な組み合わせを堪能できる隠れ家のようなお店の魅力をたっぷりご紹介します。

焼きたてのお菓子とワインを楽しめる芦屋の隠れ家

閑静な高級住宅街として知られる芦屋に、ちょっとユニークな焼き菓子とワインのお店「KILIG（キリグ）」があります。

2022年9月にオープンし、すでに多くの常連客に愛されるこのお店は、ただの焼き菓子屋ではありません。ワインセラーを併設し、ナチュラルワインと焼きたての焼き菓子が一緒に楽しめる“大人の隠れ家”なのです。

KILIGという店名は、フィリピンの公用語であるタガログ語で「ときめきや喜びの気持ち」を意味する言葉。まさに、ここで過ごす時間はそんなワクワク感に満ちています。

お店に一歩足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのがガラス張りのワインセラー。300種類ものナチュラルワインがずらりと並び、ワイン好きにはたまらない光景です。

そしてその隣には、なぜか野菜も並ぶというちょっと不思議な空間。この野菜たちは、パティシエ兼店長の南武磨（みなみたけま）さんの農家の知人から直送された無農薬野菜です。お野菜も楽しめる“意外性”の空間づくりと、「お菓子がお野菜のように日常に溶け込めるように」との想いから、こだわりの詰まったラインアップになっています。

また、店内のインテリアにも注目。壁紙はウィリアム・モリスで統一され、自然をモチーフにした繊細なデザインが広がります。さらに、インテリアの角を極力なくし、丸みのある柔らかな空間作りを意識しているそう。このこだわりが、どこかホッとする温かみのある雰囲気を生み出しているんですね。

そして、KILIGの最大の魅力は「朝焼き」の焼き菓子。毎朝焼きたてのパイやタルト、フィナンシェなど10種類以上の焼き立てのお菓子（と約10種類の個包装の焼菓子）が店頭に並びます。ワインを楽しむのももちろんですが、コーヒーや紅茶と一緒に焼きたてのスイーツを味わうのも至福のひととき。お店のスタッフもとてもフレンドリーで、気軽におすすめのワインやスイーツについて相談できるのも嬉しいポイントです。

芦屋といえば高級なイメージがありますが、KILIGのワインは平均3000円前後と意外にもリーズナブル。「毎日飲むものだからこそ、美味しくて手頃なワインを」という考えが根底にあるそうで、ワイン初心者でも気軽に挑戦できる価格帯なのが魅力的。

ワインが日常に溶け込む街・芦屋で、焼きたてのスイーツとともに楽しむナチュラルワイン。KILIGでのひとときは、まさに店名の由来通り“ときめき”に満ちたものになること間違いなしです。

店長・南さんが感じる“季節”が詰まったユニークなパフェは必食！

KILIGでは、平日は焼き菓子がメイン。朝に焼き上げたばかりのものを提供しており、香りや食感が一番いい状態で味わえます。その日のラインアップは変わりますが、この日はマロンパイ・アップルパイ・金柑をはじめ焼き込みタルト3種・フィナンシェ・ガトーショコラが店頭に並びました。

どれも発酵バターを使用し、中でもアップルパイにはフランスの高級バター「イズニー」を使用。バターの風味が際立ち、サクサクの生地との相性は抜群です。もちろん、焼き菓子は店内で食べることもできます。

また、ワインショップならではのユニークな焼き菓子として「コルク」という厚焼きクッキーも販売。コルク栓を模した形が可愛らしく、ワイン好きへのお土産にもぴったりです。

週末になると、さらに特別なスイーツが登場。その一つがシュークリーム（2種）です。中でもユニークなのが、烏龍茶香るカスタードクリーム。珍しい組み合わせですが、烏龍茶の香ばしさとクリームのコクが絶妙にマッチし、「ありそうでなかった美味しさ」に驚かされます。

そして、KILIGのスイーツの真骨頂とも言えるのが週末限定の季節のパフェ。今回いただいたのは「柑橘とチョコレートと。」。ワイングラスの中に繊細な構成が詰め込まれた、まるで芸術品のような一品です。

このパフェには17種類の素材が使われており、どの層も計算し尽くされた組み合わせ。トップには「芹入りのメレンゲ」が置かれ、ココナッツで食感のアクセントを加えています。その上には百合根とバニラのアイス。少しもったりとした口溶けが印象的です。

グラスの中には、ヴェルヴェーヌ（レモンバーベナ）の香りをまとった蜜柑のアイス、晩白柚とみかんのジュレ、ショコラクリーム、ピスタチオのフィアンティーヌやマンディアンなど、食感と風味のバランスを計算し尽くした層が重なります。そして、一番底にはジャスミン＆エルダーフラワーのジュレが潜み、最後のひと口まで華やかな香りを楽しめる仕掛け。