夏が近づいてきていますね。年々暑くなっているとはいえ、連休やお盆休みはやっぱり出かけたくなる方も多いのでは?
今回は子供と一緒に出かける場所として人気の「お菓子ミュージアム」に注目!子供だけじゃなく、大人も楽しめる京都最大級のお菓子のミュージアム「atelier京ばあむ」を紹介します。今年4月から開始されたという「抹茶miniばあむ1本焼き体験」もしてきました!
「atelier京ばあむ」とは、2023年に京都でオープンした、京都最大級を誇るお菓子ミュージアム。京都駅から近鉄線に乗り換え、「十条」駅から歩いて10分ほどのところにあります。
「京ばあむ」は、京都産の抹茶や豆乳をふんだんに使ったバームクーヘンで、京都を代表するおみやげとして知られているブランドです。入り口には大きな暖簾!京ばあむを象徴する”輪”が描かれています。
エントランスには樹齢約200年のトチの木が。2階の吹き抜けまで伸びる立派さに圧倒されます。トチの木には「信頼」「安心」という木言葉があるそうで、「atelier京ばあむ」を開設するにあたっての大きな柱になっているのだとか。
広々とした1階は京ばあむ各種や焼きドーナツなどの販売スペース。訪れると分かりますが、什器には「角」がなく、すべて円形になっています。どこを見てもこだわりしか感じない、遊び心あふれるデザインがとっても素敵です。
「atelier京ばあむ」でしか買えない限定商品や、限定パッケージも豊富!遠方へのおみやげとしてだけでなく、近隣の方が「手土産に」と渡せるような特別感を意識したのだそうです。
さらに奥へ進んでいくと、ガラス張りの大きなキッチン。その隣に、仕切られた省スペースの工房が見えます。ここが「抹茶miniばあむ1本焼き体験」ができるmini factory。事前予約制ですが、空きがあれば当日参加も可能。受付をして、早速体験スタートです。
バームクーヘンを作ったことはありますか?おそらく、99%の方が「ない」と答えると思います。バームクーヘンはショートケーキやマドレーヌなどとは違って、一般的にはバームクーヘンを作るための特別なオーブンが必要なんです。
そんな自宅では作れないバームクーヘンの焼成体験ができるなんて、スイーツ好きには魅力的すぎるプログラム!実際にオーブンを使用するため、体験は小学生以上に限ります。
mini factoryに入る前の準備。体験とはいえ、かなりしっかり衛生チェックを行います。実際に京ばあむ職人が着ているものと同じコックコートを着用し、髪の毛が混入しないよう、ネットの帽子を被って、コロコロでほこりをとります。最後に手を洗って準備完了!
また、受付時には時計やアクセサリー類のチェックも。靴は専用のものに履き替えて、mini factoryに入ります。できる限り外部から余計なものをキッチンに侵入させない徹底した体制です。
誰もが一度は憧れたことのある(?)コック帽についている木彫のワッペンは3種類あり、好きなものを選ばせてくれます。ワッペンは体験後に返しますが、コック帽は記念に持ち帰ることができます。
準備が完了したら、いよいよスタート。こちらが「抹茶miniばあむ」を焼くためのオーブン!mini factoryには2台のオーブンがあり、一度に2組、最大6名の方が体験に参加できるそう。実際に日々京ばあむを作っている職人の方からオーブンの使い方や作り方の流れ、注意点を簡単に説明を受けます。
「一気に説明されても分からない…!」と心配する必要はありません!一つひとつ間違いなく進められる仕掛けが考えられています。このあと詳しく紹介していきますね。
まずは手前のレバーを操作して、鉄芯を生地につけます。ウイーン…
終始、鉄芯はくるくると自動で回っています。まんべんなく生地をつけるため、タイマーを押して15秒待ちます。
15秒間生地につけたら、またレバーを操作して奥の遠赤外線のオーブンに戻します。戻したらタイマーを動かして1分30秒焼きます。この作業を繰り返して、1層ずつ焼いていけばバームクーヘンの完成です。ちなみに「京ばあむ」は21層!体験用のminiばあむは10層で、少し薄めの層にはなりますが、焼きたてのバームクーヘンを味わえるのは体験ならではの楽しみです。
途中で「今何層目を焼いているのか分からなくなった」とならないように、オーブンの横には木の年輪のような積み木があります。オーブンに戻し、タイマーを動かしたら、この積み木を重ねて数を数えていくという仕掛け。ゲーム感覚で取り組めます!
しかし、バームクーヘンはただ生地をつけて焼いて…の繰り返しでは「綺麗」には焼けないそうです。綺麗な層を作るための3つのコツもレクチャーしてくれます。
まずは「よこづけ」。よこづけとは、バームクーヘンの端の部分に生地をつけて焼き、鉄芯とバームクーヘンを固定することだそうです。
生地をすくって思いっきり流します!鉄芯とバームクーヘンを固定するためなので、焼き上がったら切り取るそう。体験時に試食できるのは、この切り取られる端の部分です。
よこづけをするタイミングは、先ほど紹介した積み木に記されています。この積み木の指示通りに作業を行っていけば、綺麗なバームクーヘンがいつの間にか完成するという、考え抜かれたプログラムです。
綺麗に焼くためのポイント、2つ目は「きじたし」です。手前の生地皿に、新しい生地を補充する作業のこと。作業が進むにつれて、オーブンのそばで生地はどんどん温まってしまうため、新しい生地を足して温度を均一にする役割もあるのだとか。
きじたしは体験中、3回行います。準備されていた生地を流し込んで…
入っていた生地と混ぜ合わせます。
最後は「こぶとり」。バームクーヘンの鉄芯は絶えず回転しているため、遠心力で端に生地が寄ってしまい、こぶができたような状態になってしまいます。そのこぶをとる、形状を整える作業のことをこぶとりと言うそうです。
生地をつけた後に、ゴムベラをそっとあてて形を整えます。焼き上がりの形状に影響する大切な作業で、集中力が必要です…!
以上、3つのポイントを抑えながらタイマーを使って順番に焼いていきます。オーブンの隣に手順が書いてあるので、忘れそうになったらチェック!また職人の方も常に見守ってアドバイスしてくれるので、失敗することはほとんどないそうです。
以上の作業を繰り返して少しずつ太くなっていくバームクーヘン、約40分ほどで完成です!作るというより「育てる」感覚で、いつの間にか愛着も湧いていました。
出来立てはとても熱いので、オーブンから外すのは職人の方に任せましょう。
よこづけで焼いた端の生地を切り取り、鉄芯から外してもらいます。
切り取った生地はその場で試食!焼きたてのバームクーヘンは本当に美味しく、しっとりしています。ちなみに生地は「京ばあむ」と同じ老舗茶舗「森半」の宇治抹茶を使用。お茶の苦味をしっかり感じられます!
最後に、持ち帰り用の箱の包み紙を選択。絵を描いたりメッセージを書いたりアレンジもできます!
完成です!バームクーヘンの焼成を通して「自分で焼く楽しさ」はもちろん、「お菓子づくりを学ぶ」こともできました。自宅ではできないバームクーヘン作りは貴重な経験になること間違いなし。大人も子供もハマってしまう人が多いそうですよ。
ぜひチャレンジしてみてくださいね!
「atelier京ばあむ」でのバームクーヘン作りを紹介しましたが、この施設のメインはミュージアム。2階にはガラス張りのバームクーヘン工場があり、製造過程を間近で見学できます。体験の前や後にぜひプロの京ばあむ職人の仕事を見てくださいね。
工場をたっぷり見学した後は、3階へ。
3階はカフェ&レストラン「京ばあむCafe」で、サンドイッチなどの軽食や京ばあむやバームクーヘンをアレンジしたスイーツプレートが楽しめます。
工場を通って「京ばあむ」を深く理解したところでCafeに辿り着くと、食べずにはいられません!
「ばあむアフォガート(抹茶)」は宇治抹茶と京都産豆乳のバームクーヘンに、カスタード風味の軽いクリームと、atelier京ばあむで仕込んだ抹茶ジェラートをトッピング。抹茶エスプレッソ(濃い抹茶)をかけて、抹茶を贅沢に味わい尽くします。
ぜひチェックしてみてください!
抹茶miniばあむ1本焼き体験
料金:税込5,000円(miniばあむ1本※オーブン1台)
対象:小学生以上※小学1~3年生は保護者の同伴要、小学生未満は体験室への入室は不可
人数:オーブン1台につき最大3名まで参加可能(同伴の保護者含む)
所要時間:約1時間30分(着替え・説明含む)
体験スケジュール:①10:15~11:45 ②13:00~14:30 ③15:30~17:00
About Shop
店名:atelier京ばあむ
住所:京都府京都市南区西九条高畠町1
営業時間:
1F ショップ/10:00~18:00
2F ライブラリー・工場見学/10:00~18:00
3F カフェ&レストラン/11:00~18:00(LO/17:30)
定休日:無休
あかざしょうこ
ウフ。編集スタッフ
関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。
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