気温が高くなってくると、ケーキよりも涼感たっぷりのひんやりスイーツが食べたくなりますよね。ここ数年は夏スイーツと言えばかき氷ですが、京都のとあるカフェには、かき氷に匹敵するほど人気の夏メニューがあるそうです。
今回は、創業100年以上のカステラの老舗「長﨑堂」が運営する「然花抄院(ぜんかしょういん)」を取材しました。
今回訪れたのは、京都の烏丸御池(からすまおいけ)駅から歩いて6分ほど、室町通の中に佇む「然花抄院(ぜんかしょういん)」。この通りは古くから呉服問屋が立ち並ぶエリアで、今も創業数百年という老舗店が軒を連ねています。
「然花抄院(ぜんかしょういん)」も、江戸時代に建てられた築300年の家屋を改装して2009年にオープンした菓子処です。元々は呉服屋だったのだとか。建物だけでも見応えがあったので、まずは店内を紹介します。
そんな静かでゆとりある店内では、カフェ限定のメニューもあるので、訪れたらチェックしておきたいところ。スタッフにおすすめを聞くと、暑い京都にピッタリのひんやりメニューの名前が挙げられました。
こちらが今回紹介する「水車厘(みずぜりぃ)」。純度の高い京都府の天然水をゼリーにしたもので、シロップとすだち果汁or黒蜜をかけていただきます。水のゼリー?と最初は半信半疑でしたが、驚くほど美味しく感じます。
つるんと喉越しよく、すぐに身体に馴染み、浸透するような不思議な感覚です。かき氷は身体が冷えすぎて苦手…という人にもぴったり。水車厘(みずぜりぃ)はほどよく暑さを沈めてくれるものかもしれません。
もちろん、かき氷も見逃せません。「然ノ氷」は焙じ茶と宇治抹茶の2種類。焙じ茶のかき氷は珍しいのでチェックしてください!
「然花抄院」(ぜんかしょういん)は、1919年創業のカステラの老舗「長﨑堂」が2009年に立ち上げたブランドです。100年以上作り続けてきたカステラの製法は受け継ぎつつ、さらなる挑戦を、と誕生したとのこと。
店名は、「花も、菓も、然るべき姿へ」というコンセプトを表現。店内の工房で焼き上げている紙焼きかすてら「『然』かすてら」は、このお店を訪れたら必ずチェックしてほしい逸品です。
「『然』かすてら」のプレーン・卵蜜・碾(てん)の3種を食べ比べできる「茶庭ノ膳」もオーダー可。飲み物はメニューから選ぶことができ、スタッフの方が一杯一杯丁寧に点ててくれます。
「『然』かすてら」のプレーン(画像右)は、卵の黄身のみを使った濃厚な味わい。絶妙な焼き加減を職人の目で見極め、半熟に焼き上げられたカステラはしっとり&ねっちりとした食感です。一方、卵蜜(画像中央)は、ほろほろと口溶けの良い食感で、この食感を出す製法は企業秘密だそうです。トッピングされたザラメとの相性も抜群。
「円形の紙で焼くことで、この食感が実現できました。また、通常切り落とさなくてはならないカステラの端の部分がなくなるという利点もあるんです。この『然』かすてらは、焼き上げた器のままお客様に提供できる点が評価され、日本デザインパッケージ大賞も受賞しました」と、広報の白川さん。
使用している卵もこだわっているそうで、丹波の黒豆を食べ京都で育った鶏の卵を使用しているため、 卵臭さもなく卵本来の濃厚な味わいを楽しめるそうです。また、注目すべきはカステラだけではありません。
お店には和菓子もあれば、洋菓子も並びます。しかし、バラバラではなくまとまりのあるラインナップ。どちらとも言えない和洋菓子「カステラ」という和洋菓子を100年間作り続けてきた長﨑堂の、”新しい挑戦”が凝縮されているように感じました。
About Shop
然花抄院(ぜんかしょういん)京都室町本店
京都市中京区室町通二条下ル蛸薬師町271-1
営業時間:11:00〜18:00(喫茶17:30ラストオーダー)
定休日:第2.4月曜日(祝日の場合は翌日休)
あかざしょうこ
ウフ。編集スタッフ
関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。
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