ufu(ウフ)スイーツがないと始まらない。
“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

1年に1回のチョコの祭典「サロン・デュ・ショコラ2022」も始まり、バレンタインも間近なことから、チョコレート熱も高まる今。日本人シェフが作り出す美しいチョコレートにフューチャーします。今回は、京都は福知山市にお店を構える「洋菓子マウンテン×CELLAR DE CHOCOLAT by Naomi Mizuno」を紹介します。

サロン・デュ・ショコラでも目玉になる青く、見たこともないようなチョコレート。そして時代を風靡したピンク色のチョコレート「ルビーチョコレート」について、その美味しさはもちろん、製造における深いところまでお話を伺うことができました。

また水野シェフがパリで行われた世界的権威のあるチョコレートのコンクール「ワールドチョコレートマスターズ」で優勝したチョコレート「杏と塩」の誕生秘話についても。チョコレート好きのための、チョコレートをもっと楽しく、深く知ることのできるインタビュー記事となっています。

青いチョコレートの誕生の秘密

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

まずはこの青いショコラ「アンジェ」から。キャラメルガナッシュとヘーゼルナッツのプラリネをバタフライピーというハーブで青く着色したもの。口どけがよいこのチョコレートをどうして作ろうと思ったのか、水野シェフに伺いました。

水野シェフ「このショコラを作ったきっかけは、テレビの企画で『バタフライピーを使った青いチョコレートのショコラを作りませんか?』とお話をいただいたことがきっかけでした。

フランスの西部にあるアンジェという地での修行経験があるのですが、そこの『ラ・プティ・マルキーズ』というお店でバタフライピーを使った郷土菓子があり、その思い出のお菓子を自分なりに仕立てようと思って作ったのがこの『アンジェ』です。石臼で滑らかにしたプラリネと、香ばしさが特徴的なチョコレートですね。仕込みはすごく大変で、エンローバーマシーンを使うのですが、丸一日時間かかってしまうほど。」

サロン・デュ・ショコラでお目見えする新作。「ランブータン」を使ったショコラとパッケージに隠された秘密

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

そんな「アンジェ」が5粒と、新しいバタフライピーを使ったショコラがこの「ロワゾ・ブルー」(2808円)。大きな特徴は、この東南アジアのフルーツ「ランブータン」。出会いのきっかけを伺うと……。

水野シェフ「知り合いに紹介してもらって、出会ったフルーツです。一口食べてみて、これはホワイトチョコレートを合わせたら美味しいなと思い、今回使ってみました。

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

ライチに似た果実で、香りは華やか。食感もナッツ類とは違い、ドライフルーツのような食感です。好き勝手やって作りましたよ」と水野シェフ。シェフの自由な発想で生まれたチョコレートです。この青い鳥が描かれたパッケージにも、素敵なエピソードがつまっていました。

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

水野シェフ「販売の子が切り絵をやっていて、これカッターで作ったものなんです。すごいでしょこれ? これを使ってパッケージを作ろうと思って、青い鳥を切り抜いてくれました。この鳥が口うつししているのが、『ランブータン』。

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

これを作ってくれた子は、長らく販売やっている子で、思い出に絶対残るかなと思っていて。これを東京に持っていこうと思うので、ぜひ皆様にも見ていただきたいですね。」

こちらのチョコレート、サロン・デュ・ショコラ2022のPart2の会期で購入可能。一般会期: 2022年1月28日(金)~2月3日(木)7日間 各日午前10時~午後8時
※最終日午後6時終了。詳しくは公式サイトをご確認ください。

ポテンシャルのある「ルビーチョコレート」その美味しさの深みとは

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

続いてお話を伺ったのはピンク色のチョコレート、「ルビーチョコレート」。皆さんは、このチョコレートをご存知でしょうか?  スイスでチョコレートの製造・販売を行うバリーカレボーにより、10年以上の年月をかけて開発された第4のカカオとして、話題になりました。

ルビーカカオを原料とするピンク色のチョコレートで、着色料も使わず天然の色合いが色鮮やかです。2018年ごろから、バレンタインで商品が増えて今では知っている人も多いのではないでしょうか。そのルビーチョコを広め、美しいチョコレートに仕立てあげた第一人者がこの洋菓子マウンテンの水野直己シェフ。

ルビーチョコの美味しさとは? その特徴、製品化の難しさとは?

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

水野シェフ「当時、ルビーチョコレートが世の中に出始めますという時に、エスコヤマの小山さんや辻口さん含め、何人かのシェフが軸になって広めていこうとなりました。

自分としてはこのチョコのポテンシャルはあるなと感じていて、本当に世に広まるかは見えない部分もあるけれど、食べてみてすごく美味しかった。

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

甘い香りや苦み、酸味でもなんにでも合いやすくて、形になりやすいという特徴を感じていました。一方で、欠点としては物性的に変色しやすいところ。扱いが凄く難しくて、ルビーチョコレートは酸性なため、アルカリ性に触れたり、混ぜると色鮮やかなピンク色が、ネズミ色になっちゃうんです。」

変色しやすい性質の難しさ

“青いショコラ”とピンクの“ルビーチョコ”の美しさ。その誕生秘話とは?(京都・CELLAR DE CHOCOLA)

「この色彩を維持するために、クエン酸やレモン汁が最初使われていましたが、私は酸性を維持するために薄くホワイトチョコレートでコーティングしてからフルーツビネガーを使って、変色を防ぎながらも美味しさをキープしました。

自分たちが思っていた以上に広がってくれて、全国のお菓子屋さんで使うようにもなりました。ルビーチョコレートを、お客さんが求める以上は作り続けたいと思っています。まだ食べていない方は、ぜひ一度食べてみて欲しいですね。」

今回はここまで。次回は2月9日に水野シェフのインタビューをお届けしていきます。

About Shop
洋菓子マウンテン
京都府福知山市猪崎小字山本322
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜日・不定休

クリーム太郎

クリーム太朗

ウフ。編集長

メンバーの記事一覧

編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中

Photo&Writing/Cream Taro