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アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

年末年始の鎌倉はアッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。今年話題の「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てデザート

年末年始の鎌倉はアッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。今年話題の「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てデザート

海と山に囲まれ、自然と伝統が調和した古都、鎌倉。そんな鎌倉の地で、フランスの本格的なアシェットデセールを堪能できるサロン・ド・テ「Regalez Vous(レガレヴ)」が今回の取材の舞台。鎌倉の雰囲気と絶妙にマッチした空間では、出来立てだからこそ味わえる、最高のデザートをいただけます。その場で組み立てるからこそ美味しさを発揮するアシェットデセールの魅力と、「Régalez-Vous(レガレヴ)」という世界観が感じさせるパリの空気について、今回はフランスから帰ってきたばかりのシェフ、佐藤亮太郎さんにお話を伺いながら、その魅力を余すことなくお届けしていきます。

足を運びたくなるような、水色を基調とした“パリの空気”を感じる店内

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

鎌倉駅から、徒歩3分ほど。駅からも近いこの場所に、小さなパリが広がります。お店を彩るのは、クールでありながらも、かわいらしさを演出している絶妙なライトブルーのカラーリング。“パリをそのまま鎌倉へ持ってきた”とも言われるのは、スペシャリテであるアシェットデセールだけではなく、このお店が感じさせる温かい空間にもあります。コロナ禍で、フランスや諸海外へ行けなくなったこの時代に、「フランスの空気を少しでも感じてもらえたら」そんなシェフの想いが店内に散りばめられています。

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

パリのメゾンを彷彿とさせるエントランスから見えるタイルは、フランスをイメージしたもの。そしてズラリと並ぶタルトやエクレアといった洋菓子はもちろん、小麦とバターの香りが漂ってくるカヌレ、クロワッサンなどもお出迎え。店名「 Régalez vous 」の名前には「どうぞ心行くまで味わい満喫してください」という意味が込められています。

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

フランスの小麦にこだわったパンのラインナップ。クロワッサンはバターはフランスで有名なモンテギューを、ブリオッシュはイズニ―バターを使用するこだわりも。「バターくさいぐらい、本当に美味しいクロワッサン」そう話す佐藤シェフの作り出すパンの数々も、一つ一つがこだわり、考え抜かれて作られています。

気ままに過ごせる「ステージR」と呼ばれるカウンタースタイル

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

店内はイートインできるスペースとは別に、奥には「ステージR」と呼ばれるカウンターが。目の前で仕立て上げられるデザートを見ながら、そして出来上がったデザートをシェフの説明を聞きながら楽しめて、気ままで幸せな時間を過ごせる場所となっています。

絶対食べるべきは「パリ左岸のスフレ」。アッツアツのスフレとキャラメルオレンジソースをかけて

年末年始の鎌倉はアッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。今年話題の「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てデザート

佐藤シェフのスペシャリテとして、ぜひ食べておきたいのが1766年創業のパリ最古のレストラン「Lapérouse(ラペルーズ)」で引き継いだというスフレ。世界最初の3つ星レストランで、歴史の辞書にも残るほどのスフレなんだとか。2種類のオリジナルプラリネと、キャラメルオレンジソースを中央にかけて食べるスタイルで、アッツアツのスフレとアッツアツのソースが混ざり合います。

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

オーダーを受けてから、ソース作りと生地作りが始まります。出来立てにこだわる、「Régalez-Vous(レガレヴ)」の真骨頂。ソースは、オレンジ果肉をソースと混ぜ合わせることから始まり、その後は生地作りへ。

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

最古のレストランから引継ぎ、佐藤シェフが復活させたこのスフレを作ることになった経緯に、驚くべきエピソードが隠されていました。

佐藤シェフ「現代の大きいレストランは、オーナーが一代で築く時代ではなくなり、投資家が運営することがほどんど。この歴史ある『Lapérouse(ラペルーズ)』も、親会社となる人たちがいて、僕に『16億円の価値までもっていって欲しい。スフレを作って人気を出して欲しい」と話すんです。4年間どんなスターが来ようが、どんなグルーブが来ても、全部話を聞いて、全部オーダー通りに僕が作るということをしてきました。そこでこのお店の価値をあげると、ここを欲しいという人が出てくる。それが投資家の運営スタイルで、そんな使命のもと、僕がアレンジを加えたのがこのスフレです。それこそ、このスフレを僕は最初どんなものか知らなかったんですよ。」

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

「なぜプラリネとオレンジにしたのか、それはチョコは冬のほうがいいという人がいたので、通年楽しめることを考えてプラリネにしました。柑橘系の洋酒がきいたスフレが一般的でしたが、世界のスターは“アルコールはちょっと”という人もいたのでアルコールはやめたんです。でもオレンジの香りは外せない。そこでキャラメルとオレンジのソースを思いついたんです。」

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

そう語ってくださった佐藤シェフが考え抜いて生み出し、フランスでも大盛況だったスフレが、この鎌倉の地でいただけます。隣に添えられているのがブラッドオレンジのソルベ。濃厚なプラリネとコクを、食べながら途中で柑橘のフレッシュさで口の中をさっぱりとさせてくれるという設計に。

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

スプーンを入れれば、じゅわっと広がる柑橘の香りと濃厚なソース。そしてスフレはふわっとろ。これは一度口に運んでみないと、その本当の良さが伝わらないほど、感動の食感です。またソースが、この穴をあけた中央の部分から底に広がり、スフレの中でソースの絡まり具合が変化し、食べる味の強弱が変わるところもポイント。

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

そして食べていただきたいのはもう一品、その名も「温製モワルー・ショコラ」。チョコ×バニラ×アーモンド、誰もが大好きな組み合わせで構成。フランスからレシピを一切変えていないという、こちらはチョコレートがヴァローナの「アラグアニ」をベースに作られています。72%というハイカカオを使う理由は、バランス感。「甘い方のカカオを使ってしまうと、隣にあるものとのバランスが悪くなる」と佐藤シェフ。バニラの香りと、アーモンドのコク、そしてカカオの芳醇な香りと酸味をストレートに楽しめる一皿です。

心温まる、カウンタースタイルの良さとは?

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

このお店に初めて足を運んだときに感じたのは、シェフやスタッフの方々との温かいコミュニケーション。気軽に足を運んで、笑って話して、デザートも美味しくいただける、そんなカウンタースタイルにした理由を佐藤シェフに伺いました。

佐藤シェフ「僕が思うのは、カウンタースタイルのお店で例えば、顔の見えない寿司屋があったとしたら、それって嫌じゃないですか? お互いの顔が見えて、対話をする、そこに“特別感”があると思っています。

そして働く人を全員が見渡せるというのもすごくいいことだと思うんです。衛生面もそうだし、スタッフたちがお客さんからどう見られているかという意識もそうだし、気が引き締まると思います。」

出来立てのデザートに込める、佐藤シェフの想い

アッツアツのスフレと、心温まる“おもてなし”で。鎌倉にやってきた「Régalez-Vous(レガレヴ)」の出来立てスイーツに恋焦がれて

カウンタースタイルでの良さを語っていただいたところで、最後にやはり「出来立て」での美味しさとその魅力を伺いました。

佐藤シェフ「搾りたてのモンブランのお店もうちも、同じなんですよ。搾りたてのモンブランって、すでに絞られて冷蔵庫に入っているモンブランとは食感が圧倒的に違います。それほど出来立てであることというのは、味や食感、風味において全然違うもの。そしてこれは日本でもフランスでもアメリカでも同じですが、レストランパティシエと呼ばれる人たちが“今食べる人たち”へ向けて、崩れていくような儚いものを、目の前で提供するところがいいんじゃないかなと思っています。デザートって本当に複雑なんですよ。カウンタースタイルでそこの部分を説明するとしないとでは、全然味わってもらえるものが違うんです。」

「一つのお皿には、一つにまとめるほうがすごくいいと思っている。」

「昨今いろいろなデセールが世の中にあって、お皿の上にあちこちにクリームがあって……僕からしたら、こっちから食べて欲しいいというのがあるんです。“違うよ、こっちから食べて欲しいな”と思っちゃうんですよ。だからこそ、一つにまとめて、食べ方を限定的にしたのが『パリ左岸のスフレ』。食べ方を僕たち作り手が決めてしまえば、絶対美味しいものになる。そしてそれをするのが僕たちの仕事でもあると思っていますね。」

About Shop
Regalez Vous
神奈川県鎌倉市御成町10−4
営業時間:8:30~19:00
定休日:なし

クリーム太郎

クリーム太朗

ウフ。編集長

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編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中

Photo/Tadaaki Omori Writing/Cream Taro(坂井勇太朗)