クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
ショートケーキ好きなら、誰しもが一度は食べたことがあるであろう、ショートケーキ界の代表格である「ホテルニューオータニ(東京)」。東京は赤坂見附、永田町に位置し、日本有数のホテルである。「ホテルニューオータニ」内で店を構える「パティスリーSATSUKI」で提供される、真っ白なショートケーキ。その凛とした見た目、テーブルに運ばれて感じる、迫力。口に入れて、感じる衝撃。すべてが“スーパー”な存在である。
テレビや雑誌でもたびたび取り上げられ、1つ1000円を超える価格で販売されるケーキの数々。ホテル創業40周年を記念して2004年に販売を開始した、ホテルニューオータニ代表的スイーツ「スーパーあまおうショートケーキ」(1296円※2021年3月現在)。創業40年というタイミングで、何か特別なものを作れないかという発想から誕生した“スーパーシリーズ”。使う食材に徹底的にこだわり、定番であるショートケーキから始まった。
2月で終わってしまったがモンブランをはじめ、メロンショートケーキ、抹茶やチョコレートなど、数多くの特別なケーキたちがズラリと並ぶ。早い時間で、どのケーキも売れてしまうという人気ぶり。
「あまおういちご」という言葉は、さまざまなスイーツ店、コンビニスイーツまで見ることが多くなった。高級食材でもある、博多のあまおういちご。ホテルニューオータニさんのショートケーキを彩る、「博多あまおう®」は厳選し、信頼のおける農家さんからの特別ないちご。このショートケーキを食べて感じるのは、この「博多あまおう®」のレベルの高さ、品質の良さである。甘酸っぱさがなく、果肉の甘みが“濃厚”を超えた“特濃”とも呼べる次元へ。
さらに特徴的なのが、このいちごをフランス産のハチミツでマリネしているところ。香りをより引き立たせる、大きな役割を担っている。
九州大牟田産48%クリームに和三盆糖ときび砂糖がブレンドされた優しい味わいの生クリーム。ほかのショートケーキに比べ、ボリューム感のあるケーキではあるがこのやさしい生クリームによって、まったく、まったく重くない。口の中で甘みが軽やかに変換されていき、あとに残るのはおいしさだけである。
目をこらし、言われなければきづかないであろう、このショートケーキの断面。おわかりいただけただろうか? 真ん中のスポンジ部分が、他に比べ少し黒く見える。黒蜜を入れている驚きの構成である。TOPのハチミツ、真ん中の黒蜜、和洋掛け合わせた“蜜”のハーモニー、もはや三密を守れないすばらしいショートケーキの構成。
他のホテルとの大きな違いは、パティシエが総料理長としてこのニューオータニを大きく支えている点。毎年、素材を見直し、常に進化をし続けるホテルニューオータニ。
写真の『新エクストラスーパーあまおうショートケーキ』(3240円・1日20個限定)は、いちごをダイスカット、ハーフカット、大粒のホールの3種のスタイルで構成した大胆な見た目。新たに「ライチ」と「ブロンドチョコレート」を採用し進化を遂げた。
メニューの開発やリニューアルだけじゃない。インスタライブを含む、新しい挑戦をし続けるホテルニューオータニ。常識を超えた、“お客様が喜ぶ”大胆な仕掛けに筆者も驚いた。ホテルパティスリーが、今とても熱いと改めて感じる、そんな取材となった。
About Shop
ホテルニューオータニ(東京)「パティスリー SATSUKI」
〒102-0094
東京都千代田区紀尾井町4−1
営業時間:11:00~20:00
定休日:年中無休
永田町、赤坂見附駅から徒歩約5分
Photo&Writing/Cream taro
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