「ビーガン」という言葉が、10年前いや2,3年前でさえも耳にすることがなかった今、外国人の増加や健康志向の向上により、ビーガンフードがこの日本でも充実してきました。とりわけ「ビーガンスイーツ」の分野においては、各企業も力を入れはじめ、またパティシエたちの技術力もあり、美味しいものが増えている中で、今回紹介するのはあの洗練されたチョコレートを製造・販売するパリ発「ラ・メゾン・デュ・ショコラ – La Maison du Chocolat」。想像を超える、傑作とも呼べるビーガンチョコレートが9月2日より販売。その秘密とこの老舗の挑戦を紐解いていきます。
新発売のビーガンチョコレートの前に、まず知ってもらいたいのが「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」というブランドのこと。東京は丸ノ内はもちろん、新宿や銀座、六本木、そして大阪は阪急梅田と、都心部にお店を構えます。ラグジュアリーなブランドでありながら、革新的で洗練されたチョコレートを販売し、国内のファンも多いです。
ブランドの誕生は、1977年。ショコラティエ、ロベール・ランクスにより生み出された「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」。「ガナッシュの魔術師」とも呼ばれ、当時主流であった砂糖と生クリームの過度な使用を一切やめ、初めてそのアロマの繊細さの際立つ味わいでそれまでと異なるチョコレートを表現。 今もその伝統を引き継ぐシェフ・パティシエ・ショコラティエであるニコラ・クロワゾーさんが作り出すチョコレートは、どれも食材の持つ力を引き出し、香りが豊かなチョコレートが並びます。そんなニコラ・クロワゾーさんが今回手掛けた初のテーマ「ビーガン」。どのようなラインナップになっているのでしょうか?
「ガナッシュ ビーガン」5940円
詰合せ内容: 16粒入ギフトボックス (オレンジフレーバーのシベルタは4粒、その他4種は各3粒入り)
定番のフルーティーなガナッシュがすべてビーガンに。「細部にこだわる中ですべてを考え直し、作り直した」という今回のセレクション。
定番レシピのサルバドール、アンダルシア、マラクジャ、シベルタ、カシス ノアールは、ビーガン向けに生クリームはもちろん、バターも不使用。そのため、中に入っているガナッシュのフルーツのエネルギッシュな味わいがより感じられるようになっています。
今までチョコレートを食べたくても食べられなかったビーガンの人にとって、これほどまでに嬉しい商品はないかもしれません。それでは一粒一粒、テイスティングをし、紹介していきましょう。
カシス、レモン、フランボワーズ、オレンジ、パッションフルーツの5種のフルーツ風味。植物性の材料のみで仕上げたビーガンのガナッシュは、チョコレートのよさはもちろん、フルーツの素材がダイレクトに感じられます。とくにパッションフルーツの甘酸っぱさ、香りはさすがとしかいえません。
生クリームやバターを使わないことで、どうやってチョコレートにとって大事な「滑らかさ」を出しているのかというと、ヘーゼルナッツオイル、またキク科の植物である「チコリ」の繊維でテクスチャーを支えているんだそう。
このこだわりっぷりさすがです。一度はこの食感を体験して欲しいですね。
歴史と伝統ある、有名メゾンが挑む「ビーガン」への挑戦。「どうやって、ビーガンの人たちにも美味しい本当のチョコレートを愉しんでもらえるか」という観点では、最高傑作に仕上がっています。食感、香り含めビーガンではないチョコレート好きの方々、そして健康志向の方々も、楽しめるセレクションに。
「ビーガンのための美味しいスイーツ」というテーマから、「気づいたらビーガンスイーツだった」とも思えるような、そんなチョコレートや文化が今後も広がるのではないか、それを実現してくれる礎は、パティシエたちの努力や技術が支えているように思えます。
今後も楽しみなビーガン文化。今回は「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」の紹介でした。
About Shop
ラ・メゾン・デュ・ショコラ 丸の内店
東京都千代田区丸の内3丁目4−1 ホーム 1 新国際ビル(MAP)
営業時間:11:00~20:00
定休日:施設に準ずる
公式HP
クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
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