凛とした姿が愛おしい、白鳥の形をした“スワンシュークリーム”。昭和に流行り、若者の間でもSNSで拡散されるなど、時代を超えて愛され続けています。
オーソドックスなシュークリームをアレンジしたもので、最近は手間暇がかかることからあまり見かけなくなりました。
今回スポットを当てるのは、そんなスワンシュークリームを作っている数少ない老舗洋菓子屋「欧風菓子 白鳥」。
板橋区・中板橋にあり地元の方はもちろん、喫茶店好きの方にも絶大な人気を誇り、昭和41年創業当時からレシピを変えずに受け継がれています。
東武東上線・中板橋駅南口を出て右側に見える、昭和41年(1966年)創業の「欧風菓子 白鳥」。
一階はテイクアウト、二階は喫茶店、三階は厨房からなる全面ガラス張りの佇まい。店内に入ると広がる昔ながらの洋菓子。下町情緒あふれるこのエリアで昭和にオープンしたとは思えない洋菓子店があります。
「“とにかく良いものを、味が美味しくないとダメ”という先代の教えのもと上質な素材を使っています。」2代目の店主白鳥忠光さん。
当時はこのエリアに洋菓子店が2、3軒あったそうで、時間が経つにつれて残ったのは「欧風菓子 白鳥」だけなんだそう。
ショーケースには昔ながらの味を守るため、当時のレシピを変えずにモンブラン、チーズケーキ、ショートケーキなどが並んでいます。
商品の価格は、物価が高騰する今のご時世では考えられない300~400円台。
当時は比較的高級店だったそうで、
「値段を上げない努力し、続けているうちにリーズナブルな価格になりました(笑)」
“美味しいといってもらえるものを、良心的な価格で。”という店主の想いが込められれたお菓子は、何度も足を運び、食べたくなります。
中でも、人気商品であるスワンシュークリームは地元の方のみならず、喫茶店好きにも絶大な支持を誇ります。
先代のレシピを守り続けている「シュークリーム」。
オーソドックスなシュークリームは生地にそのままクリームを入れたり、半分に切って入れるのが一般的ですが、こちらのスワンシュークリームはそうではありません。
パーツは胴体、羽、首の3種類で、胴体と羽は一緒に焼いたものを上下に切って、羽は左右に切り、首だけ別部品で焼かれています。
ボトムは生クリームとカスタードを合わせたディプロマットクリーム、その上には生クリームのシンプルな構成。そしてシュー生地には、クリームの味に負けないようにラードが。
見た目はシンプルながらも、ディプロマットクリームとカスタードクリームの重くならないような絶妙な配合、カスタードクリームから広がるブランデーのほのかな香りが口いっぱいに広がります。
型は使用せず手絞りで絞られているので、表情が違うのも愛着がわくポイント。先代のレシピを受け継ぎ、大切に作られたスワンシュークリームは、年配の方には懐かしく、若者の間では新しく、時代を超えて愛される味です。
見た目から昭和レトロ感満載の「プリンアラモード」。
昔ながらの卵黄をたっぷり使ったカスカードプリンに、スポンジ、生クリーム、メロンとチェリーの王道な組み合わせは、まるで昭和にタイムスリップしたかのよう。
階段を上ると広がる昭和41年、当時から変わらないタイルや絵画。そして30年以上使われている家具など、どこをとっても昔ながらの喫茶店。
先代のレシピを受け継いだ、2代目白鳥忠光さんが作る手を抜かないお菓子は、今後も変わらず愛され続けるお店になるでしょう。
About Shop
「欧風菓子 白鳥」
東京都板橋区弥生町31-15
営業時間:10:00~20:00 喫茶19:00(L.O)
定休日:水
Takuma
インスタグラマー
都内のパティスリーやホテルのカフェを中心に巡り、その美しい写真と丁寧な文章にファンも続々。パティシエ界や編集長も注目のウフ。スイーツ男子部第一号
Instagram(@k.takuma.happy)
Photo & Writing / Takuma
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