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連載「遠藤泰介の甘い1日」最終回。“感謝の気持ちを込めて”

“感謝の気持ちを込めて” 連載:遠藤泰介の「甘い1日」最終回。

連載「遠藤泰介の甘い1日」最終回。“感謝の気持ちを込めて”

「パティスリーカメリア銀座」。雑誌、TVでも話題のパティスリーで、そんな若くして一躍有名になった遠藤泰介シェフ。ufu.の立ち上げから、連載「遠藤泰介の甘い1日」でも1年間お世話になりました。

遠藤シェフの知られざる素顔や活動、レシピまで幅広くお届けしてきた今回がついに最終回です。「パティスリーカメリア」を退店し、フランスへと出発する遠藤シェフ。ケーキを作り続けてきた約3年間の想いと、皆様への感謝の気持ちを記事にさせていただきました。

ご縁に恵まれた3年間、来てくださった皆様への「感謝」の想い

連載「遠藤泰介の甘い1日」最終回。“感謝の気持ちを込めて”

Q.バレンタインデーも終わり、退店もまじかになりました。この約3年間、遠藤シェフにとってどんな時間でしたか?

遠藤シェフ「とっても濃密な時間でした。この3年間は、あぐらをかいていた意識もないし、一度も満足したことがないぐらい、ずっと走り続けてきたような感じです。お店もこの短期間で2店舗新しくOPENできましたし、ずっと出たかった『サロン・デュ・ショコラ』を始め、たくさんの催事にも出ることができました。

また人のご縁もあり、TVや雑誌など様々なメディアに露出することもあり、自分を知ってもらうことも多かったです。

連載「遠藤泰介の甘い1日」最終回。“感謝の気持ちを込めて”

その良いことの反面、こういった裏側では実際に様々なことに追われることも多くて、なかなか追いつかずとてもつらくなった時期もありました。肩の力を抜けないというか、ずっと張り詰めた状態。それに加えて、耳をふさいでいても聞こえる、聞きたくない声も多かったですね。

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ただ、今考えるとそれも一生懸命やってきた結果で、“それがあったからこそ今がある”と思っています。辛い経験が、今の自分をより押し上げてくれたような感覚があります。」

成長するスタッフと、遠藤シェフの想い

連載「遠藤泰介の甘い1日」最終回。“感謝の気持ちを込めて”

Q.この3年間で、スタッフのみなさんの成長も実感されているのではないでしょうか?

遠藤シェフ「はい、それはすごくあります。人数もオープン当時より倍以上になりました。それに伴い、もともと多かった商品数が輪をかけて多くなり、3店舗分のお菓子をこのメンバーで作れているっていうのが普通ではなく、そこをスタッフみんなの成長も合って乗り越えられているのは、本当にすごいことだし嬉しいことでもあります。

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この感謝の気持ちを、どう若いシェフたちに還元していくかというのを常に考えていました。それは給料面もそうだし、イベントが終わったあとに打ち上げをして、楽しくすることももちろんなんだけれど、この子たちがこのお店を卒業したときに、今よりもいいポジションにいて、お店を持ちたいというのが出てくると思うんです。

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その時に、どこでも通用するようなシェフに育てるというか、アドバイスをしていくのが、僕ができる最大限の還元なんじゃないかなと思ってスタッフたちに接していますね。だから、最後となる今はいつもよりちょっと厳しく指導しています(笑)」

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スタッフの子たちに一番伝えたいことは“なんのためにやっているのか”ということを、すごく大切にしています。美味しく作れるレシピを取得するためにやっているのなら、それはインターネットにもたくさんレシピはあります。

指導するうえで大切にしていることは、ただ作業になってしまわないことです。材料のこと、ちゃんと理解して作ること。それを知っていると、知らないとでは違いますよね。僕たちは食べ物を作っている以上、衛生を知っているのも材料のことを知っているのも、プロだから当たり前だと思っています。締めるところをしめないと、お客様にいいものを提供できないし、このお店がずっと長く愛され続けるためには必要なことだと思っています。」

お客様との嬉しいエピソード

連載「遠藤泰介の甘い1日」最終回。“感謝の気持ちを込めて”

Q.お客様との嬉しかったエピソードや思い出があれば教えてください。

遠藤シェフ「このお店は年齢問わず、男女問わずにたくさんのお客さんがいらっしゃってくれて、そこがすごく嬉しいところです。男性のお客様もたくさん声をかけてくださいました。

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また見えるキッチンだからか、お声をかけてくださる方がとても多くて。今回お店をやめるということで、クリスマスの時はたくさんお手紙をいただいたり、すごく嬉しいことが多くて、感謝の気持ちでいっぱいです。自分が思っている以上に、自分がやってきたことが間違いではなかったんだなということを、お客さんを通じて感じることが多いです。

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中でも印象的なのは、お子さんのお客さん。毎回来てくださるときに、おめかしして来てくださるんです。それが嬉しかったですね。」

「ここがなかったら、今の自分はない」

連載「遠藤泰介の甘い1日」最終回。“感謝の気持ちを込めて”

Q.遠藤シェフにとって、「パティスリーカメリア銀座」とはどんなお店でしたか?

遠藤シェフ「ここがなければ、今の自分はありませんでした。そう思うぐらい、一緒に働いたスタッフもそうですし、たくさんの出会いがあり、人に恵まれた場所でした。この銀座という場所で多くの出会いがありました。良くしてくださるお客様も多くいて、たくさんのパワーをいただけて、大切な存在であり見守り続けたいお店です。」

フランスへの旅立ち。いつか、また皆さんに必ず会いに

連載「遠藤泰介の甘い1日」最終回。“感謝の気持ちを込めて”

Q.この後はフランスへ行かれるんですね?

遠藤シェフ「はい。ずっと行きたかった場所で、新しい環境で肩の力を抜いて挑戦したいと思います。場所や時期は、また今度SNSのアカウントで発信をし続けていくつもりです。

日本には、必ず帰ってきます。また新しいクリエイションで、たくさんの人に恩返しをできたら嬉しいです。もちろん、チョコレートのイベントもまた出たいですし、謙虚さを持ちながらも思い切ってやろうかなと思っています。」

編集長による編集後記
「今回で最終回となります。最後は私編集長が自らの手で撮影させていただきました。遠藤シェフとの初めの出会いは、2020年の11月でした。クリスマスの準備でお忙しい時期にも関わらず、無名の我々に優しく接していただき、今では感謝しかありません。遠藤シェフが持つ、人を笑顔にするパワーは、きっとフランスでより深まり、「Taisuke Endo」として遠藤シェフらしさを増して、日本でまた出会えることがあると思っています。僕たちはメディアで、多くのシェフと接し仕事を一緒にしてきましたが、遠藤シェフとの縁がこれで切れるわけではないと思っています。遠藤シェフの活躍を祈りつつも、フランスでのことの発信やたまにライブ配信をしたり、コミュニケーションを取っていけたら。またいつか会う日まで、その日までを応援し続けていきたいと思います。美味しいお菓子と、甘い時間を。約3年間お疲れ様でした。そしてありがとう。」

 

遠藤泰介の「甘い一日」Vol.1

遠藤泰介
Taisuke Endo

シェフパティシエ

メンバーの記事一覧

・ピエールエルメ イクスピアリ シェフパティシエ 
・UIPCG世界ジュニア製菓技術者コンクール準優勝 
・ザ・ペニンシュラ東京 ショコラ担当職人 
・クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー 飴細工部門 日本代表決勝出場 
・パティスリーカメリア 銀座店 現シェフパティシエ (2018年~)

【TV出演】
マツコの知らない世界、「おびゴハン!」、「内村のツボる動画」など多数 

About Shop
パティスリーカメリア銀座
 (伊勢丹新宿店)
住所:東京都新宿区新宿3-14-1(MAP
伊勢丹新宿店 本館地下1階
営業時間:10:00~20:00
※詳しい営業時間は公式サイトよりご確認ください。

Photo&Writing/坂井勇太朗(編集長)