『Minimal – Bean to Bar Chocolate – (ミニマル)』は厳選されたカカオを世界中の農家から直接仕入れ、焙煎から行うクラフトチョコレートブランドです。
ただ仕入れるのではなく、品質向上のため農家へ技術支援を行い、品質に見合った「フェアトレードの水準以上」の金額で買い取るなど、でカカオ農家の技術向上と生活向上に務めるなど、カカオを通じて社会問題にアプローチする姿勢にも注目されています。
独自のサブスクリプションプラン、チョコレートやスイーツ業界以外とのコラボレーション、と様々な切り口でファンを作り続ける『Minimal – Bean to Bar Chocolate -』。
すでに日本のクラフトチョコレートの草分け的存在でもあるブランドが、2023/9/16に新たに小田急線祖師ヶ谷大蔵駅にOPENさせたのが、ブランド初のアシェットデセールにも対応する「工房併設型パティスリー」となるPatisserie Minimal 祖師ヶ谷大蔵。
OPEN直後からTV放送などもあり大変な注目を浴びています。
OPEN直前のお忙しい中、COO緒方恵さん、CEO山下貴嗣さん、そしてこの「祖師ヶ谷大蔵店」のキーマンであるシェフ奥野さんにお話を伺うことができました。
※『Minimal – Bean to Bar Chocolate -』は店舗は違う業態というコンセプトがあり、今までは「板チョコレート・旗艦店(富ヶ谷本店)」「ガトーショコラ専門店(代々木上原)」と展開。
今回のようなパティスリーは初となります。
A1.先に「工房併設型パティスリー」になることが決まっていました。
元々、『Minimal – Bean to Bar Chocolate -』にはパティシエやパン職人など様々なキャリアをもつスタッフがおり、ブランドとしてもチャレンジしたいという思惑がありました。
また「お客様ともっと近くで接したい」という思いからも、アシェットデセールを出したい思いがあり、アシェットデセールも提供できるお店に決まりました。
パティスリーとしてやっていくには、従来の店舗がある地域よりもより「住宅」の多いエリアが良いと考え、今回の祖師谷大蔵が決まりました。
チョコレート本体の製造チームは白金に残り、パティスリーチームがこの祖師ヶ谷大蔵店に移動して製造を行い、商品の多くはこの店舗限定になる予定です。
A2.祖師ヶ谷大蔵店は「街や日常に馴染む、溶け込む」というコンセプトがあります。
そのため、いつも日常の中で目に入って、気軽に入れるように店舗設計にこだわっています。
例えばお店と路面のこの絶妙な「三角の空き」。こちら実は、中のショーケースと店舗が水平になり、通る方々からより見やすく入りやすい見え方にこだわり、店舗の入り口を道路面に対して凹ませたもの。内装面積を削ってでも、お客さまの見えやすさを重視したこだわりです。
工房側は随所に大きな窓があるだけでなく、ベンチ仕様になっていて、気軽にくつろげる空間となっており、「街の日常に溶け込む」設計になっていることがよくわかります。
A3.様々なところにこだわっています。
『Minimal – Bean to Bar Chocolate -』は余計なものを足さない、引き算でカカオの良さを引き出しているクラフトチョコレートのブランドなので、店舗も同様に素材感のを生かしたシンプルさとクラフト感のある素材を取り入れるようにしています。
Patisserie Minimal 祖師ヶ谷大蔵では、カウンター横にあるドア、ショーケース前のラグなどはこだわって海外から輸入してしたアフシャル絨毯(イランの定住遊牧民アフシャル族による手作業の緻密な絨毯)を使用しています。
またドアとショーケースの縁に使用されているのは、『Minimal – Bean to Bar Chocolate -』の看板と同じ「カラークリアという塗装を施したステンレス」の特注素材です。シンプルな内装に対して良い感じの色合いをオリジナルで調合して、空間全体の彩りとして機能させています。
ドアは鏡面にしてしまうと、ドア前で立ち止まる方が増えてしまうと聞き、仕上げを変えています。
祖師ヶ谷大蔵店に並ぶスイーツの大多数はこの店舗限定。中でもシグネチャースイーツ5つについて紹介します。
筆者の一押しはは奥野シェフパン職人として経験を積まれた技術と『Minimal – Bean to Bar Chocolate -』のカカオの知見や素材を生かした「Minimal “The Day”」(チョコレートクリームパン)/440円(税込)。
「Minimal “The Day”」は程よくもちふわっとした食感のブリオッシュのなかにむちっと濃厚でコクのあるチョコレートカスタードクリームと、さらにもう一種食感の異なるチョコレートクリームをたっぷり詰め込んでいます。
クラフトチョコレートブランドらしく、しっかりとフルーティーなカカオの酸味を残したクリームなので、満足感はあるのに重すぎず、なんとも「また買いに行こうかな・・・」となる味わい。
「これを食べて最高の1日にしてほしい」という願いを込めて「Minimal “The Day”」と名付けられたそう。
2つ目は『Minimal – Bean to Bar Chocolate -』の世界がギュッと詰まった「チョコレートケーキ」/700円(税込)
カットする前は一見本当にシンプルに見えるのですが、実は7層の全てにカカオを生かした、クラフトチョコレートブランドの実力とこだわりを詰め込んだ逸品。
上からチョコレートのグラサージュ、チョコレートムース、カカオパルプジュレ、ホワイトチョコレートブランマンジェ、チョコレートビスキュイ、チョコレートムース、フィヤンティーヌ。
さらに周りは薄い板チョコレートでコーティングしています。
果実味のある味わいが特徴のタンザニア産カカオをムースに、また程よい酸味をもつカカオの果肉カカオパルプのジュレを層で重ね、周辺のチョコレートにはナッツ様の味わいが特徴のカカオを使用。
カカオを知り尽くし、「引き算」を得意としたブランドらしく、甘重い印象のある「チョコレートケーキ」の印象を一新する味わいの一品です。
3つ目は、この店舗のOPENにあたりMAKUAKEでクラウドファンディングのための先行販売が実施された「チョコレートクッキー缶(4種)」/5000円(税込)。
6種類のクッキー缶はMakuake限定。店舗ではクッキー4種類入りを販売しています。
カカオニブ(チョコレートになる何段階か前の姿。カカオ豆の胚乳)やカカオパルプ(カカオの果肉)などカカオをふんだんに使い、食感にもこだわっていて、シーズンごとに内容は変える予定とのことなので、お手土産だけでなく、シーズンごとの自分のお楽しみにもおすすめです。
4つ目、5つ目は「チョコレートフィナンシェ」/370円(税込)「ガトーバスクショコラ」450円(税込)
シンプルだからこそ丁寧に、チョコレートもバターもふんだんに使用して作られたフィナンシェ。
ガレットは、カカオ豆仕入れで訪問したニカラグアで出会った思い出のラム酒を使っているそう。
焼き菓子というと手土産のイメージが湧きますが「ぜひ店頭で焼きたてを味わってほしい。美味しいコーヒーもこだわって用意しているので」とのこと。
それぞれチョコレート不使用のプレーンも用意され、ギフトボックスへの詰め合わせも可能。
少し改まったギフトや、個包装でお配りしたい時にも活用しやすいスイーツです。
※テイクアウトの場合「焼き菓子詰め合わせ フィナンシェ 2種(10個)」/3,750円(税込)、焼き菓子詰め合わせ ガレット 2種(10個)/4,450円(税込)
アシェットデセールとして提供される「チョコレートスフレ」/2,200円(税込)。と「果実とチョコレートのパルフェ」/価格は果物等により異なる。
スフレは「カカオの香り」をより楽しんでもらえるように、という理由から商品化が決定し、季節のフルーツのアイスやソース、チョコレートソースもセットになっておりそれぞれとの組み合わせを楽しめる、ライブ感のあるメニュー。
パルフェは旬の果物とのマリアージュを楽しめます。
試食したどれもがカカオの産地や品種ごとの特性を活かしてあり、幾つでも食べられてしまいました(メディア取材のための試食。平素は対応されていません)。『Minimal – Bean to Bar Chocolate -』ならではの「引き算」のレシピで、
甘すぎない、こってりしない、カカオの本来の酸味や香りを楽しめる味の構成だからかと感じました。
季節感たっぷりのスイーツや、慣れ親しんでいるはずなのに、カカオの生かし方で全く違う味わいに感じるスイーツが豊富に揃っています。
是非「自分のお気に入り」を見つけに、そして店舗の随所に溢れる「こだわり」を体感しにお出かけしてみてください!
涼しくなってきたので、外のベンチで本やコーヒー片手に楽しむのも気持ちがよさそうですよね。
About Shop
店名 :Patisserie Minimal 祖師ヶ谷大蔵
住所 :東京都世田谷区砧8丁目8-24(小田急線 祖師ヶ谷大蔵駅南口 徒歩約2分)
営業時間:10:00~18:00
定休日 :火曜・水曜(2023年11月以降は変更の可能性あり)
azuma(蒼蓮)
チョコレートと日本酒のライター
チョコレートが好きすぎて、仏ショコラティエブランディングにも携わっていた、チョコレートエキスパート・日本酒唎酒師資格他を持つスイーツ系ママライター。
伊勢丹新宿公式サポーターイセタニスタ他(@azuma0326)
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