カルチャーの街として人気の高円寺。個性的な人が集まるこの地に、これまた個性的で思わず胸キュンするケーキを堪能できるパティスリーがあることをご存じでしたか?
『Café de Nicole(カフェドゥニコル)』の看板商品は、メレンゲがたっぷりのった大きな、大きな「タルトシトロンメレンゲ」。今回は、なんだかパリに訪れた気分になれる『カフェドゥニコル』の看板商品を含む人気の3品を紹介します。
『カフェドゥニコル』はソムリエの資格を持つ女性パティシエールがシェフを。そのお姉さんが店の運営とマネジメントを勤めています。“姉妹で旅したフランスでの経験からインスピレーションを受けてオープンした”という、ストーリーまでかわいいパティスリーなんです。
店内に入るとまず目に入るのが小さなショーケース。色合いの鮮やかさや、ケーキに施された繊細な装飾はまさにパリを感じるデザインです。
通常5種類前後と決して多くはないラインナップですが、その分、ビジュアルに凝っていて、ひとつひとつへのこだわりを感じられま。日替わりケーキがあるため、毎日来ても新しい発見があります。
出来立てケーキの中で、特に定番商品「タルトシトロンメレンゲ」は繊細なため、開店ギリギリに焼き上げているんだとか。姉妹でフランスに旅行した時、パリ6区のカフェで食べた「タルトシトロンメレンゲ」に感動。それを再現したという、店にとっても思い出深いケーキです。
発酵バターを100%使用し、香ばしく焼き上げたタルト生地。新鮮さにこだわり、市場から直接買い付けているというレモンをふんだんに使った、 “レモンカード”。これはジャムよりも濃厚でこっくりとしたペースト。そこに、『カフェドゥニコル』ならではのきめ細かなメレンゲが高々と積まれています。
メレンゲは高さを出すために、3段階に分けて焼き上げているそう。特別に撮影させていただきました。シェフが大胆にメレンゲを重ね、繊細な動きで表面を滑らかに整えてゆく動きは、大胆かつ繊細。
作り立てを食べると、生クリームのような滑らかでリッチなメレンゲの味わいにびっくり。その下にあるレモンカードは果肉をぎゅっと凝縮したような濃厚さ。レモンを丸かじりしたときのようなみずみずしさと、すっぱさはメレンゲと一緒に食べることで調和され、言いようのない美味しさです。ボトムのタルト生地は香ばしく、レモンの風味にぴったり。
素材のもつ爽やかな酸味を引き出した「タルトシトロンメレンゲ」。実は現在のレシピを開発するために2年以上かけたそう。シェフの思い出が詰まった渾身の逸品です。
『カフェドゥニコル』のケーキはどれもボリューム満点。これは、シェフ自身が食いしん坊なため、お客さんの心もお腹も満足していただきたいと思ってのサイズだそう。そんな『カフェドゥニコル』の思いが詰まったケーキは他にも。
日替わりケーキは季節感を大切にし、毎日異なる商品が並びます。取材に訪れた4月中旬のある日は、葉桜をイメージしたロールケーキ。桜をイメージしたピンクのクリームは、桜あんを練り込んでいるのだそう。スポンジは静岡県天空の抹茶を使用しているそうで、ふわふわ食感に深みのある味わいがなんとも春らしい印象です。
トップにはフレッシュのとちおとめがたっぷりと盛り付けられています。苺のみずみずしい甘酸っぱさと、固めのクリームの相性がばっちり。見た目の大きさとは裏腹に、最後まで飽きずにぺろりといけちゃう食べやすさ。
元々ロールケーキは当店の人気商品だそうで、素材を活かしたものを季節に合わせて考案しているのだとか。その日の気候に合わせて使用する材料を変えるというこだわりようです。
小さなころにお母さんが作ってくれた家庭のケーキや、パティシエとしての修業時代など、シェフの経験すべてがケーキのインスピレーションになっているそう。
前日まで試行錯誤することもあるという日替わりケーキは、ほぼ毎日公式インスタグラムで発信。その日にしか食べられないという特別感は、ケーキをより一層美味しくさせるエッセンスとなっています。
オープン当初から店頭に並べられていたという「カヌレ・ド・ジロンド」は、手土産にもピッタリの人気焼き菓子。カヌレ発祥の地とされる、フランス・ボルドーで直接買い付けたという銅製のカヌレ型を使っています。
『カフェドゥニコル』の「カヌレ・ド・ジロンド」は、表面ががっちり固く、中はみずみずしいくらいにしっとり。ラムの風味は抑えられ、バニラの甘い香りが口いっぱいに広がります。
熱伝導率性の高い銅製の型を用い、最高450°まで上がる石窯でしっかりと焼き上げることで、ガリガリとした食感を生んでいるんだとか。本場のカヌレを再現する中で、日本の湿度の高さに悩んだというシェフ。
試行錯誤の末に生まれた「カヌレジトロン」は、「タルトシトロンメレンゲ」に次ぐ『カフェドゥニコル』の代名詞です。
フランスのパティスリーを連想させる外観に、クラシックな雰囲気の家具や雑貨が置かれた内観。提供されるケーキだけでなく、お店の雰囲気も本場フランスらしさを大切にしている『カフェドゥニコル』。
壁には、マルク・シャガール、ウジェーヌ・ドラクロワ、アルフォンス・ミュシャなど、フランスで近代美術家として活躍した偉大な画家たちの作品が掛けられています。
小さいころから“食”が大好きだったというシェフは、双葉製菓学校を卒業後、数多くの名パティシエを輩出してきた「サロン・ド・テ・スリジェ」(閉店)に勤務。そこでお菓子だけでなく、フランス料理やワインを学びます。その後もフランスの食文化全般を愛し、経験を積み、ワインソムリエの資格も獲得。
こうした探求心とフランスへの愛が、スイーツやお店の雰囲気にも表れているようです。
高円寺にある小さなパリ『カフェドゥニコル』。みなさんも、ここでつかの間のパリジェンヌ気分を堪能してはいかがでしょうか。
タルトシトロンメレンゲ 1600円※材料の仕入れ価格によって変動します
日替わりケーキ(葉桜のロールケーキ) 2000円前後
カヌレ1個 500円
About Shop
Café de Nicole(カフェドゥニコル)
東京都杉並区高円寺南4丁目27−7
営業時間:12:00~19:00
定休日:火・水
園果わたげ
ウフ。編集スタッフ
ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。
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