YouTubeでの登録者は23.9万人に上り、NekonoME Cafe【ネコノメカフェ】としてトップクラスの人気を誇るネコノメさん。マカロンやフレジエといった本格的なお菓子を、ちょっとひねりがあってクスっと笑ってしまうようなユーモアのある話し方と、とても丁寧でわかりやすい展開にお菓子好きだけではなく、多く人が虜に。
スペシャルな対談となる本企画。そんなネコノメさんと一緒に登場してくれるのは、25歳にして3店舗を経営。シュークリーム専門店「Capri」オーナーパティシエの角島 瑞希さん。21歳で開業してから、千代田と藤井寺、なんばにお店を構える今話題の女性オーナーシェフです。
TVなどでも登場するベテランのパティシエたちではなく、今回の特集ではまだ20代半ばと初々しい新しい世代のパティシエたちが、お菓子の未来とこれからについて話してくれます。お菓子に興味がある方も、そうでない方も“これからの時代をつくる”若い世代のとってもポジティブな話に耳を傾けてみてください。
そして顔出しを一切していないネコノメさん。今回は顔がわからない程度にイケメン感がほとばしる姿もファンのためにおさえました。
瑞希さん:「もともとはスポーツに捧げる学生生活を過ごしたものの、ある出来事がきっかけで高校中退して、そこから進んだのが大好きだったお菓子の世界でした。」
ネコノメさん:「僕は高校生の時に、僕だけが進路が決まらなかったんです。就職もしたくないし、どうしようと悩んでいたところ、たまたま友達が製菓学校のパンフレットを持っていたんです。『おまえいく?』と友人に言われて、『俺も行くわ!』とノリで進路を決めました。
その後は学校生活で1個上の先輩が作ったタルトが美味しくて、“こうなりたい”と強く思ったんですよ。ストイックに家でも作って勉強をしていました。卒業後は就職しましたが、25歳になってここから何年も働いて、お店を出すビジョンが見えなかったんです。」
瑞希さん:「そこから開業のきっかけは、19歳で参加し見学した展示会です。そこで見た最先端の機械に圧倒されて、開業をしようと思うイメージがだいぶ鮮明になったんです。
そこから、祖父母の洋服店を改装しお店を作ることになりましたが具体的に事業計画書を書いて、初めてお金を借りたときは不安になりましたね。この先どうなるかもわからなかったし、大丈夫かな?と。融資を受けるために学生だった私は銀行の方にプレゼンしたり、とても緊張もしたけれど、それを乗り越えてでもお店を開きたいという気持ちが大きくて。」
ネコノメさん「もともとYouTubeのあのアカウントは一人で趣味に近い感覚で始めたものでした。ネコノメという名前も、猫が好きだったことと『ねこめ』という友人がいて、“俺はネコノメにする”と友人と話していて、その名前になったんです。今のアイコンのイラストも知り合いに描いてもらいました。
収益になるまでがすごくきつかったですね。作業スペースを作って、カメラを買ったりと最初は何十万円も出費として出ていきましたし。YouTubeを始めた最初のころは今すぐ稼ごう!という感じではなく、練習感覚だったのでそれで逆に続けられたのかなと思ってます。そこから2020年の正月に、仕事としてちゃんとやろう、ちゃんともっと考えて伸ばしていこうと本格的に始動しました。」
ネコノメさん「もともと瑞希さんがあべのハルカスさんからお話があった前から、何か一緒できたらいいねと話していました。それが想像以上に早くお話が来てびっくりしました(笑)。3年前から瑞希さんの働き方や存在はすごく気になっていたんです。製菓学校を卒業してから、21歳での開業は驚きました。製菓学校へ行きながら事業計画書を書いていたって、本当にすごいなって。」
瑞希さん:パティシエとして、YouTubeであったり、実店舗を持たないで「Chat LuuME」(シャルーメ)で通販事業をしたり、今までのパティシエの生き方とは違う道を歩まれていて、すごく興味がありました。
今回はネコノメさんの「Chat LuuME」(シャルーメ)の人気商品「ドゥーブルケーキ」をシュークリームに落とし込みました。
ネコノメさんのファンの方々はもちろん、カプリのファンも楽しんでもらえるものはなんだろうかをすごく考えました。ブランド同士で一緒に作る、一緒に販売は初めてなので今回はどんなイベントになるか想像つきませんが、始まる前からも楽しみにしてくださる方の声が届いていて、ワクワクしています。」
ネコノメさん「海外のパティスリーはシェフたちがSNSを上手に使いこなしている人が多いです。例えば日本でも美容師さんは、人気のある方はお店ではなく、個人で常連のお客さんをつかんでいますよね。個人でファンを作るべきと思っていて、例えば長年修行して、コンクールで賞をとってようやく独立して、それが王道ではあるけれど別の道があってもいいと思っています。」
瑞希さん:「お菓子屋の未来を考えると、今の時代が過渡期だと思っていて、すべてのお店がそうではありませんが重労働で、残業代が出ないこともありますし、パワハラが横行することもあります。私たちの世代から“今までの流れを変えなければいけない”という風潮が強くなっています。声を上げるだけでは難しいこともあるかもしれませんが、声を上げないと変わりませんよね。
どういう風に変わっていくか、それも難しくてまずは給料を上げることになりますが、働き手の収入は良くなるけれど、お店の売上との折り合いが悪くなって閉業してしまうことにもなってしまいます。それに原材料の高騰もありますよね。
環境をよくするために、お菓子の価格も上がっていき、やっていけなくなるお店も出てきてしまうと思います。今の状況がひしめいてひしめいてゆっくり進むと思いますが、本当に技術があるお店、工場やOEMで作るようなブランドが主流になっていくのではないかなと感じています。
そういう未来を見据えながら、自分がどういう風に価値をお客さんに提供できるかを考え続けることが大事かと思っています。それがみんなの幸せになるはずです。パティシエの作るお菓子を、業界全体で、もっと価値を知ってもらったり、認めてもらえるようにしていくのも大事なんじゃないかなと。私たちはどうなっていくんだろうというのを話し合わなきゃいけないんだと思っています。」
ネコノメさん「僕も同じ方向性を考えています。もっとパティシエが儲かったらいいなと凄く思っています。YouTubeを見て頂ければ、たった1個のプチガトーを作るのにこんなに大変なんだとわかります。1個が500~600円ってすごく安いですよね。コンビニエンスストアと、パティスリーの違いって皆さんはそこまで大きな興味や理解がないかもしれません。
僕は動画の中で、よく“パティスリーに足を運んで欲しい”と言っています。パティスリー行ってみてね、食べてみてねと。パティスリーが人気のコンテンツになるといいなぁと思っています。
今のお菓子の世界は瑞希さんがおっしゃる通り給料低く、お菓子の単価を上げればその理由を求められます。ただ価格を上げると、“儲けに走った”と言われてしまいますし。でも僕動画を見て、お菓子への解像度が上がったり、パティシエのお菓子に対するこだわりなどを感じてもらえたらいいなと思っています。
スペシャルな対談。今回、お互いに聞いてみたかったことをそれぞれ逆質問していただきました。
ネコノメさんから瑞希さんへの質問 “実店舗でやっていて、よかったことは?”
瑞希さん「お客様と仲良くなれるところです。常連さんがよく来てくれて、最近あったことを話すこともとても楽しいです。また地域に根差しているお店なので、地元のお子さん連れの方で前は抱っこされていた子供が、次は自分で歩いてそしてしゃべって、そんな成長を見守らせていただける幸せもあります。
また通学中の小学生が手をふってもらえることもあり、思いがけない人との人との温かさを感じられます。」
今度は瑞希さんからネコノメさんへの質問 “次はどんなことをしますか? YouTubeに力を入れるのか、何を優先していくのか知りたいです”
ネコノメさん「もちろんYouTubeにももっと力を入れて日本中に製菓やパティシエの事を発信できる力をつけていきます!
『Chat LuuME』も大きくしたいし、ポップアップも沢山したいし、実店舗も考えたりメディアにも沢山出たいしやりたいことが沢山あります!
ただ、僕1人ではYouTubeをやるだけでも手一杯になっちゃうので一緒に働いてくれている仲間と協力してChat LuuMEの商品のラインナップを充実させたり、発信にも力を入れて新時代のパティスリーのあり方の一つに確立させていきたいです。」
今までお話をしてくれた二人のコラボレーションが8月5日・6日の限定2日間で大阪府のあべのハルカス近鉄本店で開催予定。
■イベント概要は下記の通り
日時 :2022年8月5日(金)・6日(土)
場所 :あべのハルカス近鉄本店 2階 ウェルカムガレリア
所在地 :大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43
最寄駅 :地下鉄御堂筋線・谷町線「天王寺」駅
JR「天王寺」駅
近鉄南大阪線「大阪阿部野橋」駅
阪堺電車「天王寺駅前」駅
営業時間:10:00~20:30
■商品概要
Chat LuuMEの人気商品「ドゥーブルケイク」をシュークリームにアレンジし。
○カライブ
力強い風味を持つ高品質クーベルチュールチョコレート『カライブ』を使用した、濃厚なショコラクリームとフランボワーズジャムの組み合わせ。
濃厚なショコラの余韻とキレのある酸味の対比をお楽しみください。
○ジャポネ
和素材の組み合わせで日本らしさを表現した一品。
素材にこだわり、特上宇治抹茶や北海道十勝産こし餡を使用した、素朴ながらも味わい深い仕上がりになっております。
○カフェヴァニーユ
カフェラテをそのままお菓子にしたような、コーヒーとバニラのシュークリーム。ほろ苦いコーヒークリームとCapriこだわりのバニラカスタードクリームの相性が抜群です。
販売価格は税込3,600円(税抜3,333円)です。お店にはネコノメさんも立つそうで、ぜひお二人に会いに行って見てください。
Photo&Writing/Cream taro
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