“夜パフェ”“シメパフェ”という北海道・札幌で生まれた食文化をご存知でしょうか。
文字通り、お酒を飲んだ後、食事をした後、1日のご褒美に最後の締めとしてパフェを食べることをいいます。
そんな食文化がいま、東京でも話題を呼んでいます。
フルーツといったら“千疋屋”というぐらい歴史がある「京橋千疋屋」。今回はそこで提供されている夜パフェを紹介します。
始められた経緯やパフェの仕立て方など取材。意外なところから着想を得たパフェなどパティシエの業が詰まってました。
創業1881年、約140年続く、果物の老舗「京橋千疋屋」。最高品質の旬の果物を取り揃えている果物専門店で、馴染みがあるのではないでしょうか。
「果物に対する知識、取り扱う上での管理、そして商品として提供するフルーツの技量、それらが、約140年間多くの人に愛され続けている要因の一つになっている」
と秘訣を仰る、パーラー部マネージャーの川澄さん。
確かにマスクメロンは、一つの茎に一つの果実になるまで間引く「一茎一果」栽培。
いちごは、厳選したいちごを仕入れ、更に選り抜くため、1箱を作るのに3倍ものいちごを使用することもあるそうです。
こうした努力を惜しまない取り組みが、長年愛され続けている秘訣だと感銘を受けました。
今回取材させていただいのは、表参道のけやき並木沿いにある「京橋千疋屋 表参道原宿店」。
最先端のものを求める方が集まる街「原宿」で、いつきても美味しい果物が食べられるお店を守りながらも、SNSなどの情報発信など比較的楽しんでもらうことをコンセプトにしているのだとか。
“夜パフェ”は、フルーツやソルベを中心に、食事やお酒を飲んだ後でも、さっぱりと食べやすい構成になっていたり、
1日の終わりのご褒美などにパフェを楽しむこともできる、アルコールを使用した夜パフェも近年増えてきています。
その一つが京橋千疋屋。パティシエのこだわりが詰まった、季節ごとに変わる夜パフェは、どのような味わいなのでしょうか。
ランチタイムが賑わい、夜になると客足が引いてしまうフルーツパーラー店。
夜でもデザートを味わっていただけるように、2021年6月からお酒が入ったパフェが始まったんだとか。
一日中提供されているパフェは、果物を主体として、なるべく生クリームやシンプルな食材を使い、果物そのものの味がわかるのが特徴。
それとは対照的に夜パフェは、アルコールを使用し、たくさんのパーツと果物の組み合わせを楽しんでもらうように組み上げられているそう。
アルコールを使用したパフェは女性はもちろん、男性でも食べたいと思うようなパフェで魅力的!
今回、2022年8月19日(金)から始まる季節のパフェ「山粧うーやまよそおうー」を発案された斉藤さんにパフェの魅力を聞いてきました。
日本特有の四季をどう表現しようかと考えている中で、俳句の季語で山の季節の移ろいを表す言葉に出会った斉藤さん。
緑の葉から水が滴るみずみずしさが美しい夏の山の意味である「山滴る」、山がお化粧したように色づいている様子を表す「山粧う」。
この二つの季語を1つのパフェに閉じ込めたいという想いでスタート。
上のパーツは、視覚的にもひんやりと夏を感じることができる、レモンバーベナを使った「ジントニック」のグラニテ。
中のパーツは、半分は山脈をイメージした果物のスライス。もう半分は豊かな山の恵みを表現した、ごろりとした果物やメープル塩クルミ。
そして下のパーツは、いちじくのダマンドパイ、9月が旬のいんげん豆のアイスやぶどうのバルサミコ酢ジュレ、チャイプリンなどの秋を感じられるパーツがちりばめられています。
10種類以上から構成されるパーツは、連想ゲームのような感じで、一つずつパーツが決まったら、次に一緒に食べたら何が合うかを考えられて作られているそう。
このように上のパーツを夏、下のパーツを秋を感じることができる、夏から秋の移り変わりを表現された、季節と共に楽しめるパフェなのです。
中でも一番下を構成しているシンフォーニーシロップが秋の夕暮れを思わせる色となっていてお気に入りと話す斉藤さん。
1988年日本人の方がコンテストで優勝した際に作ったシンフォニーというカクテルをベースに作られたのだとか。
まさに、秋の果物と相まってシンフォニーを奏でているような味わいに。
二つの季語から着想を得て作られたストーリー性があるパフェは、酸味・塩味・食感・造形全てが考え尽くされた、パティシエの至難の業を感じる逸品。
表参道原宿店以外にも、都内数カ所に展開しているので、1日のご褒美などにいかがでしょうか。
販売期間:2022年8月19日(金)〜9月30日
※使用している果物の入荷によっては早まる可能性があります。
About Shop
「京橋千疋屋 表参道原宿店」
東京都渋谷区神宮前1-11-11 グリーンファンタジア201(表参道)
営業時間:11:00〜20:00(ラストオーダー19:30)
定休日:なし
Takuma
インスタグラマー
都内のパティスリーやホテルのカフェを中心に巡り、その美しい写真と丁寧な文章にファンも続々。パティシエ界や編集長も注目のウフ。スイーツ男子部第一号
Instagram(@k.takuma.happy)
Photo & Writing / Takuma
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