2021年11月にOPENし、話題が絶えない焼き菓子とケーキの店「feuquiage(フキアージュ)」。スペシャリテでもあるフィナンシェ、カヌレ、アップルパイetc.人気の焼き菓子がズラリと並び、きらびやかなケーキも美しく飾られた店内では、何を買おうか迷ってしまうほど。今回は、その中でも畠山シェフがこだわりにこだわり、「夜明けのカヌレ」と名付けた最高のカヌレを紹介していきます。
こんがり、そしてツヤッとした見た目は、見ているだけでも香りが漂ってきそうです。「feuquiage(フキアージュ)」でも一番人気を誇るこのカヌレ、誕生の秘話を伺いました。
畠山シェフ「実は、カヌレを作るきっかけは、インドネシア・ジャカルタの高級パティスリーでエグゼクティブシェフを務めていた時でした。ある日、オーナーがカヌレの型を買ってきて、“カヌレを焼いて欲しい”と突然言われました(笑)。実は、それまで焼き菓子や洋菓子を作り続けながらも、カヌレを焼いたことがなかったんです。
レシピを調べて、色々試行錯誤し、何もわからなかった“0”から生み出し、作り上げた焼き菓子だったので、とても思い入れがある商品です。
そして夜明けのカヌレの名前の由来は、何度も何度も試作していたある日、明け方になったときがあったんです。その時薄暗い中に朝日がうっすらとさしてきてカヌレにあたった姿が本当に美しくて。その瞬間、『夜明けのカヌレ』という事がふっと浮かびました。」
「シンプルだからこそ、実は味の差が出やすいのがカヌレ」と畠山シェフ。様々なカヌレを今まで紹介して来ましたが、やはり大きな特徴は「食感」。「カリッ」ではなく、「パリッ」と丁寧に焼き上げられた表面。表面が厚すぎると「ガリッ」となりがちですが、絶妙なラインを作り上げ、一度食べたら忘れられない食感に。
また中はトロッとしている、というよりは「モチッ」とそして「ムチッ」としていて、表面の食感とのコントラストを存分に楽しめる構成に。そしてこだわりは素材、そして香りにもあります。
インドネシア産最高級バニラ、そしてフランス産バター、マイヤーズラム55、それぞれがシェフのこだわりで厳選されたもの。
現在、実はバニラの生産量が減り、価格はどんどん高騰しつづけている洋菓子界。そんな中ですべてバニラビーンズを使い、それも最高級品のものを使っているのがフキアージュのカヌレのこだわり。
「バニラはインドネシア語でやり取りしながらインドネシアから直接仕入れてもらっています。」と畠山シェフ。通常流通しているバニラではまず見ない大きさ・クオリティのバニラを使用しているんだとか。また直接仕入れることで普通のレシピより大量のバニラを使うことができるので、豊かなバニラの香りを感じてもらえます。
「湿気が天敵」とおっしゃる畠山シェフ。湿気が多くなる5月以降は、湿度が下がる季節まで。食感、風味、カヌレが持つ魅力のすべてが失われてしまうため、美味しい時期に、そして最高の状態のカヌレを食べて欲しいという、作り手の想いを感じます。ぜひ一度は食べ手いただきたいカヌレです。
またお店の空間もぜひ、体感してください。圧倒的な空間はシェフのこだわりで、唯一無二の世界に。スペシャルでそして「来てよかった」そう思わせてくれる、シェフの汗と想いの詰まったお店です。
About Shop
feuquiage(フキアージュ)
調布市小島町1-2-5 アジャンタ調布2 1F
営業時間:11:00~19:00(売り切れ次第終了)
定休日:月、火、水
Photo/Namba Writing/Cream Taro
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