カヌレ、といえば誰もが想像するあの形。しかし、カヌレの形から、常識を覆したカヌレが白金にある名店「ル・コフレ・ドゥ・クーフゥ 白金本店 」に。なぜ四角いカヌレにしたのか?
四角いカヌレの美味しさとそのこだわりを取材してきました。
武蔵小山にある人気パティスリィ「パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ」の系列店。
焼き菓子を中心に、ガトーやクリームソーダなどが人気で、平日も休日も地元のお客さんから遠くからくるお客さんで、人気のお店です。
レトロシックな店内は、暑い日にもちょっとお茶をして休みたくなるような、涼し気な空間となっています。
モンブランから、ショートケーキまで幅広く置かれたケーキのショーケース。人気なのは、半生食感が楽しい「半生パウンドケーキ」など。
焼き菓子も幅広く置いてあり、カヌレが置いてあるのはここ白金と系列店の「DIXANS」(ディゾン)だけ。
※ディゾンは、数量限定販売
「見た目は素朴ですが、想像以上の味の深みと食感の驚きが魅力だと考えます。
作り手としては、オーブンの温度、焼き時間、水分量、生地温度など様々な要素を重ねることが難しくもあり、楽しいところでもあります。」
そう答えてくださったのは、「ル・コフレ・ドゥ・クーフゥ」石井スーシェフ。
一般的なカヌレに比べて、四角いからこそ表面の面積も大きく、また食感や口の中で食べたときの感覚が全然異なり、カヌレの味ではあるものの、とても美味しく、新しい食体験でした。
それでは、なぜ四角い形にしたのでしょうか?
「新商品を考案するときに、『パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ』の武シェフと、何か面白い焼き菓子ができないかと話して、そこから生まれたのがこの四角いカヌレでした。
実際に作るのもなかなか難しくて、試行錯誤しました。とくに一般的なカヌレの型は溝が多いので、側面の溝から底の空気が抜けやすく浮いてきにくいのですが、四角だと底に空気がたまりやすく浮いてきやすいです。
こまめに様子を見て型に収まるように生地量、温度を調節しています。」
「味に関しては、特に卵のコク、ミルクの甘味を強調しています。
その中にふわっと香るバニラ、ラム酒のほのかなキレを感じていただけるように意識してレシピを作成しました。」
たしかに口に入れて、まず広がるのは甘くてコクのある卵とミルクの風味。
そしてこんがり焼けた表面の香ばしさの中にラム酒の風味もしっかり感じられました。
「使用しているフレーバーをしっかり感じられることを意識して作るようにしています。
例えば、抹茶味は、長時間の焼きでも香り、色が飛びにくい宇治抹茶をたっぷり使い、ショコラ味は、ヴァローナのカカオパウダーを使用し、甘さ控えめでほろ苦いカカオを感じられるようにしています。
プレーン味は、通年販売しておりますが、季節の味を併せて販売しています。新しいカヌレのフレーバーにどんどんチャレンジしていく予定です。」
今夏ココナッツフレーバーも登場予定の季節のカヌレ。ぜひ今後もチェックしてみたいものです。
※撮影時のため、撮影時のみマスクを外しています。営業中は常時マスクを着用しています。
カヌレ度診断
甘さ:★★★★☆
カリカリ感:★★★★☆
中のとろとろ感:★★★★☆
中のもちもち感:★★★★★
香ばしさ:★★★★★
About Shop
ル・コフレ・ドゥ・クーフゥ (白金本店)
住所:東京都港区白金3丁目17−18(MAP)
営業時間:11:00~20:00
定休日:なし
Photo&Writing/Cream Taro
注目記事