19世紀初頭に始まったとされるイギリスのアフタヌーンティー。日本のアフタヌーンティーは、イギリスの文化に習いながら独自の形へと発展しています。
今回はフードジャーナリストであるわたくし、岩谷貴美がイギリス・ロンドンの名門ホテル2軒に赴き、現地のアフタヌーンティーを体験してきました。
本場イギリスのなかでも予約が殺到する、唯一無二のアフタヌーンティーの魅力をお伝えします。
1906年に開業した「ザ・リッツ・ロンドン(The Ritz London)」。バッキンガム宮殿も近く、グリーンパークを一望するロケーションを誇るイギリス屈指の名門ホテルです。
ティールーム「The Palm Court(ザ・パームコート)」は、シャンデリアが輝く壮麗でゴージャスな空間です。「トラディショナル・アフタヌーンティー(Traditional Afternoon Tea)」は予約がかなり困難なことでも有名で、日程によっては数ヶ月前から席が埋まっているときがあります。
運ばれてきた三段トレイには、スイーツやサンドイッチが並んでいます。スコーンは後から提供され、焼きたての状態を楽しめました。
3種類のスイーツは、イチジクのタルトやチョコレートが乗ったプチシュークリームなど。紅茶との相性が抜群です。サンドイッチは、ブリオッシュパンに粒マスタードマヨネーズを添えたハム、トマトパンにチャツネを添えたチェダーチーズなどバリエーション豊富な6種類でした。
特に印象的だったのは、焼きたてのプレーンスコーンとフルーツスコーン。口の中でしっとりとした食感とまろやかな甘みが広がる、他には無い味わいでした。クロテッドクリームとストロベリージャムも添えられていますが、何もつけずに食べたくなる美味しさです。
さらにその後、2種類のホールケーキがのったワゴンが。その場でカットしたケーキがサーブされました。
格式高いラグジュアリーな内装ですが、スタンドに乗っていたケーキやサンドイッチの美しさはもちろん、目の前で提供されるワゴンの演出もあり、優雅なのにワクワクする時間も楽しませてくれました。
About Shop
ザ・リッツ・ロンドン(The Ritz London)
150 Piccadilly, London W1J 9BR
ロンドンの中心部・ピカデリー通りに位置する歴史的な高級ホテル。アフタヌーンティーは、ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」をモデルにした煌びやかな「Oscar Wilde Lounge(オスカー・ワイルド・ラウンジ)」で、グランドピアノの生演奏を聴きながら楽しめます。
このラウンジは、作家オスカー・ワイルドが頻繁に訪れていたことにちなんで名付けられています。
歴史的な人物が頻繁に訪れていたそうで、卓上の冊子には常連だったモハメド・アリやデイヴィッド・ボウイ、ダイアナ妃などが紹介されていました。
アフタヌーンティーは、まずスモークサーモンや卵、キュウリ、ゴートチーズ等の具材が入ったサンドウィッチやセイボリーのみが乗ったスタンドが登場します。
本来はこのサンドイッチを食べ終えた頃にスイーツだけが乗ったスタンドや別皿のデザートが提供されますが、今回は撮影用にすべてを同時に出していただきました。
シュークリームが2段に重なったルリジューズや、別皿に乗っていた口溶けが良く繊細な味わいのチョコレートケーキ。シンプルなのに具材とパンのバランスが良いサンドイッチと、どれもとても美味。
イギリス王室や政治家、芸術家たちに愛された豪華な空間で、優雅なひとときを過ごすことができました。
About Shop
ホテルカフェロイヤル(Hotel Café Royal)
68 Regent Street , London W1B 4DY
今回紹介した2つのアフタヌーンティーは、ロンドンのなかでも大人気。ロンドンでの滞在が決まったら、すぐに予約してくださいね。
【フランス編はこちら】
パリの5つ星ホテルやヴェルサイユ宮殿で楽しむ本場のアフタヌーンティーとは?【現地レポート】
PROFILE
フードジャーナリスト
岩谷貴美 Takami Iwaya
フードとビューティーのジャーナリスト。雑誌やweb、TV、ラジオなどで活躍するほか、フードコンテストの審査員や、ホテルやカフェのアフタヌーンティー・プロデュースも多数手掛ける。スイーツを1日に20~30品食べることも。Instagram : @takamiiwaya
文章・写真/Takami Iwaya(岩谷 貴美)
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