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チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

毎年バレンタインで大きく盛り上がるチョコレートの世界。今年はどんなチョコレートが人気になるのか、メディアに引っ張りだこのチョコレートジャーナリスト市川歩美さんに教えてもらいました。今年のバレンタインの参考に、ぜひチェックして!

名前
市川歩美

チョコレートジャーナリスト

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日本唯一のチョコレートジャーナリスト・コーディネーター。チョコレートは5歳の頃から食べ続けているという筋金入りの愛好家。チョコレートに関する記事の執筆・監修・メディア出演をはじめ、商品開発やイベント企画など幅広く活躍中。

市川さん「コロナ禍の不穏な空気が落ち着いてきて、今年のバレンタイン会場には海外から有名ショコラティエが久しぶりに来日し会場に足を運んだりと、チョコレートの世界も明るさを取り戻してきました。差し迫る今年のバレンタインは、普段よりもパッと明るい華やかなコレクションが多かったり、『愛』や『感謝』をより強く反映したチョコレートが多い印象です」

<目次>
トレンド予測①「サステナブル」なショコラが豊作
トレンド予測②「チョコレートドリンク」が身近に
トレンド予測③「国産素材」への注目
トレンド予測④「シックなカラー」の大人ボンボンショコラ
トレンド予測⑤「ノンフォトジェニック」なチョコも見逃せない

2023年チョコレートトレンド予測①「サステナブル」なショコラが豊作

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

2015年9月に国連で「SDGs」が採択されてから、食のみならず、様々な分野で唱えられてきたキーワード「サステナブル」。チョコレート業界でも多くのお店や企業がチョコレートにまつわる課題に向き合っています。カカオ農園での児童労働をなくすための活動など、カカオ生産者の生活向上の支援に取り組んだり、プラスチックを減らした地球に優しいパッケージを採用するなどしています。

市川さん「今まではビーントゥバーチョコレートメーカー(※)や小規模なクラフトチョコレートメーカーが、積極的に声を上げていた印象でした。しかしここ最近、大手メーカーや有名ブランドもサステナブルな側面をこれまでより強く打ちだし始め、食べ手に直接その考えを届けようとしています。例えばロッテは、渋谷に『LOTTE DO Cacao STORE』をOPENし、搾りたてカカオのドリンクを提供して、カカオ産地での取り組みをシェア。体験型カカオ専門店として、カカオに関わるサステナブルな取り組みも発信しています」
※カカオ豆からチョコレートバーになるまでを一貫して製造を行う製法。

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『DO Cacao chocolate』
カカオを通じて社会的課題の解決に取り組む「LOTTE DO Cacao PROJECT」の新作。ロッテが農園作りから取り組んでいるパプアニューギニア産カカオを使用した2種類のアソートで、フルーツとしてのカカオがじっくり味わえる逸品。(¥2,200/ロッテ)

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『高島屋オリジナル チョコレート フォー サスティナビリティ』
イタリアの高級ジュエリーブランド「BVLGARI」が展開するチョコレートブランド「BVLGARI IL CIOCCOLATO(ブルガリ イル・チョコラート)」。高島屋限定の商品は、国産樽熟成紅茶、有機抹茶、本来は廃棄となるはずだったほうじ茶を使用した地球に優しいショコラ。(¥4,800/BVLGARI IL CIOCCOLATO(ブルガリ イル・チョコラート) )

2023年チョコレートトレンド予測②「チョコレートドリンク」が身近に

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

カカオの風味が際立ち、その“美味しさを楽しむ”観点と、気軽にポリフェノールやテオブロミンが摂取できるなど、”健康面でも楽しめる”観点から「チョコレートドリンク」も2023年のキーワード。チョコレートを『飲む』スタイルの新しい提案が増え、市川歩美さんも大きな期待を寄せています。

市川さん「チョコレートドリンクがより美味しく、多彩に進化しています。例えば、松屋銀座の催事では、東京・蔵前にある自家焙煎の珈琲と自家製のチョコレートのお店『蕪木』が出店し、会場でショコラショー(ホットチョコレート)を、カカオの繊細な風味をいかすカップ&ソーサーで提供しています。また画期的なのはチョコレートを作るマシーン。近年、優れた業務用のマシーンは普及していましたが、家庭用が普及し始めました。昨年、明治が『チョコレートドリンクマシーン』を開発して販売、大きな話題になっています。今年はチョコレートドリンクの普及元年になるかもしれませんね!」

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5
チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

『チョコレートドリンクメーカー』※明治 ザ・チョコレートロゴ入りは数量限定、MAKUAKE限定
「カカオにこだわったチョコレートを、より愉しく、より身近に。」をコンセプトに作られたチョコレートドリンク家電。好きなチョコレートと水またはミルクを入れてボタンを押すだけで、本格的なチョコレートドリンクが完成! その日の気分に合わせてチョコレートがカスタマイズできるのも魅力。
※応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」にて2月14日まで販売。https://www.makuake.com/project/meiji_chocodrink/(一般販売価格(予定)¥7,700/明治)

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

『ショコラショー(クラシック)』
自家焙煎の珈琲と自家製チョコレートを提供する蔵前の喫茶店『蕪木』の人気メニュー。好きなチョコレートを選び、ドリンクにしてもらえる。チョコレートは店内併設の工房でつくられたビーントゥーバーのもので、ダイレクトなカカオの香りにファンも多数。熱々を頂けば至福のひとときに。(¥990/蕪木)

2023年チョコレートトレンド予測③「国産素材」への注目

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

食の世界では、約2年間のコロナ禍を経て、日本国内に改めて目を向けるようになった作り手と生産者が積極的につながるという動きが増えました。その動きはチョコレートの世界でも同じ。ショコラティエやパティシエが自ら農家やお店に赴き、食材を探す中で生産者と交流し、想いや価値観に共鳴した者同士でコラボ…という物語性のあるチョコレートが続々と発売されています。

市川さん「若い世代のパティシエやショコラティエを中心に、『○○産の○○のチョコ』といったような、具体的な生産者の名前や想いを表に出して作られた商品が増えてきました。例えば、国内の生産者やブランドとコラボしたMinimalの「Minimal Collaboration シリーズ」の生チョコレート。現在発売中のものは、香川県の「いちご家めい」の苺を使用し、素材そのもののおいしさを存分に引き出しています。国産フルーツは味も美味しいし、フルーツ市場が厳しい昨今、国産の食を守るという意味でもうれしい傾向ですね。」

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

『Minimal Collaboration シリーズ/生チョコレート 苺 -いちご家めい-」』
世界のカカオ産地を訪れて仕入れたカカオ豆から、職人が手仕事でチョコレートを作るクラフトチョコレートブランド「Minimal」。生産者やブランドとコラボレーションした「Minimal Collaboration シリーズ」第三弾は、香川県の「いちご家めい」の貴重な女峰を使用した生チョコレート。苺の甘酸っぱさと余韻に広がる華やかな香りがたまらない! ※なくなり次第終了。(¥2,484/Minimal – Bean to Bar Chocolate -)

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

『ごまと大納言のチョコテリーヌ』
常識に捉われないスイーツが人気のパティスリー「Pâtisserie ease」と「かどや製油」がコラボした新感覚チョコテリーヌ。表面にはキャラメリゼした白ごまをまぶし、中には濃口のごま油を使用したガナッシュ・白ごまのプラリネ・大納言が練り込まれた生地を使用。濃厚なチョコに香ばしいごまの風味、大納言を加えることにより和の味わいに。(¥3,500円/goma to)

2023年チョコレートトレンド予測④「シックなカラー」の大人ボンボンショコラ

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

チョコレートの王様、ボンボンショコラ。シンプルなスクエア型から情熱的な赤いハート、動物などの可愛いモチーフを型どったユニークなものまで様々ですが、最近は日本国内を中心に、ビビッドなカラーのものよりも、まるで漆器や工芸品のようなシックな色合いのショコラが増えてきているのだとか。

市川さん「以前は、ボックスを開けた瞬間に『わあ可愛い!』と言いたくなるようなカラフルなショコラが多かったのですが、最近は、日本人が昔から持つ美的感覚、『陰影礼賛』をまさに表したような、陰影が美しいニュアンスカラーのショコラが増えている印象です。特に今年は日本人ショコラティエにその傾向が目立ち、虎ノ門のレストラン『unis(ユニ)』でシェフパティシエをつとめる上妻正治シェフや『浪漫須貯古齢糖(ロマンスチョコレート)』の須藤銀雅シェフがその典型です。男性も貰って違和感がないかもしれないので、バレンタインのチョイスにも良いですね!」

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

『ボンボンショコラ10個入り』
「大正ロマン」をテーマにしたチョコレートブランド「浪漫須貯古齢糖(ロマンスチョコレート)」のボンボンショコラ。シェフの出身地である青森の食材やお酒を使ったショコラは、アンティーク作品のよう美しさ。バニラのような甘い香りがするトンカ豆と苺を組み合わせた「木苺トンカ」、シェリー酒を使用した「シェリー」など、唯一無二のフレーバー揃い。(¥4,104円/浪漫須貯古齢糖(ロマンスチョコレート))

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

『柑橘ボンボンショコラ』
レストラン「unis」でシェフパティシエを務める上妻正治シェフのブランド「unis Masaharu Kozuma」。漆を塗ったような艶やかさが美しすぎるドーム状のボンボンショコラ。柑橘の持つ酸味や爽やかな香り、果汁感たっぷりのガナッシュ、ジュレ、ゼリー、コンフィチュール、プラリネなどが詰まっており、一粒一粒異なる素材とのマリアージュが楽しい。(¥2,700/unis Masaharu Kozuma) 

2023年チョコレートトレンド予測⑤「ノンフォトジェニック」なチョコも見逃せない

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

2000年第初頭からじわじわと浸透し始め、今や当たり前となったSNSの普及によって生まれた『写真に撮りたくなる』=『映える』という概念。チョコレートも、思わず「かわいい♡」「綺麗!」と言われるようなデザイン性が重視されるようになりました。しかし、そんなSNS全盛期を経た今、シンプルな見た目の王道チョコレートこそ、シェフたちのこだわりと美味しさがぎゅっとつまっている!と再注目されています。

市川さん「とにかくチョコレートを長く食べ続けているような愛好家の方は、シンプルな見た目のチョコレートを一番チェックしたりしています。日本ではコンセプトやデザインを作りこんだものが人気ですが、パリなどの海外では、やっぱり味重視。例えば、パリのショコラトリー『ジュリアン・デシュノ』や『セバスチャンゴダール』などでしょうか。どちらも地元で愛されるショコラトリーで、ショコラの見た目はかなりシンプルですが、高い技術に裏付けされた、洗練された味わい。皆さんもぜひ、敢えて素朴でシンプルなものも食べてみて下さい!」

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

『ボンボンアソート 20P』
数々の有名ショコラティエのもとで修行を積み、選び抜いた最高級素材を確かな腕で仕上げる人気のショコラティエ「ジュリアン・デシュノ」。パリで3店舗を抱える名ショコラトリーで、砂糖を出来るだけ使わずに素材を生かした味わいが特徴。定番のボンボンショコラはシンプルなデザインながら、コク深いプラリネが絶品で、何粒でも食べられそう。(¥4,104円/Julien Dechenaud(ジュリアン・デシュノ))

チョコレートジャーナリスト、市川歩美さんに聞く!2023最新チョコレートトレンド予測キーワード5

『ボンボンショコラ 32個入り』
パリの“美食通り”と呼ばれる「マルティール通り」に店を構える超人気パティスリー「セバスチャン・ゴダール」。「歴史と伝統にこそ大切なものがある」という考えのもと、クラシックなデザインでありながら、オリジナリティも加えたフランス菓子を製造。シンプルなルックスのショコラは、繊細でなめらかな口溶け。(¥14,200/セバスチャン・ゴダール)

2023年、注目のチョコレートにチャレンジしてみて!

チョコレートジャーナリストの市川歩美さんに教えていただいた2023年のチョコレートトレンド予測。いかがでしたか? 久しぶりにアクティブな1年になりそうな今年、ぜひ気になるチョコレートにチャレンジしてみて下さいね。

まえななさん

まえなな

ウフ。編集スタッフ

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住宅雑誌の編集者を経てufu.編集部に。あんこや抹茶味の和スイーツがとにかく大好き♡ 最近のマイブームはあんバターサンド食べ比べ。