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初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

チョコレート好きが一同に活気する祭典「サロン・デュ・ショコラ」(1月19日~2月5)
も既に後半戦へ。ますますの盛り上がりを見せます。中でも今年2023年は世界的にコロナ禍を経た初めてのバレンタインとなり、各国の名パティシエ・ショコラティエが来日。

そこで「ウフ。」では、2022年に「サロン・デュ・ショコラ」にて日本初出店を果たし、その美しいチョコレートと、端整なルックスから話題沸騰のシェフ、イヴァン・シュヴァリエ氏を単独取材。2019年に28歳という若さでM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を取得した天才ショコラティエの歩み。そして現在のクリエーションについてお伺いしました。

その日本初となるメディア取材は見どころ満載です。

天才ショコラティエ“イヴァン・シュヴァリエ”とは。28歳にしてフランスの人間国宝的称号M.O.F.を獲得

イヴァン・シュヴァリエ氏はフランスで、食通ならば知らない人はいないほどの著名人。彼が作る唯一無二のチョコレートと、モデルのような美貌とスタイル。そしてユーモアで、出会った人の心を鷲掴みに。全てを持ち合わせたショコラティエと言っても過言ではありません。

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

10代からチョコレートに変わらぬ情熱を注ぐシュヴァリエ氏。早くからフランス最高峰のパティシエと称されるヴァンサン・ゲルレ氏の下で修業。2019年にはなんと28歳という若さにして、フランスの人間国宝とも評されるM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を取得。その2年後2021年には、彼の名前を冠したブティック『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』をフランス北西部にあたるブルターニュ地方のレンヌにオープン。シュヴァリエ氏の故郷でもある土地の味を活かしたチョコレートの数々を作ります。

イヴァン・シュヴァリエが最も大切にすること。素材~テクスチャーまで、全てを決める “Transparence(トランスパランス)”の考え

『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』を語る上で外せないのが“素材への飽くなき探求心”です。シュヴァリエ氏が心から親しみを感じるのはやはり、故郷の味。ブルターニュ地方で生産された素材を中心に、それらを活かした素材選びが彼の作るスーツを卓越したものにします。

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

シュヴァリエ氏「素材はいつだって1番いいものを使いたいと思っている。それらをチョコレートとして昇華させるのが、ショコラティエとして僕の役割の1つ。『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の味を知ってもらうために、蕎麦の実を使ったチョコレートはぜひ食べてもらいたい。ブルターニュは蕎麦の実の生産が全国1位で、その品質も素晴らしい。蕎麦の実の特有の芳ばしさと食感を主役のチョコレートにした。中には蕎麦の実をカラメリゼして砕いたプラリネを閉じ込めている。蕎麦を食べる文化が根強くある日本。だからこそ、ブルターニュを身近に感じてもらいつつ、新たな発見があるチョコレートだと思うよ」

チョコレートに使用される蕎麦の実はBIO承認を受けたもののみ。BIOとは、日本よりもかなり高い基準で設定されたフランスの有機栽培由来製品を指します。『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』のチョコレートはどれも繊細ながら、主役を引き立てたマリアージュを堪能できるものばかり。

これに言及すると、シュヴァリエ氏はそれを“Transparence(トランスパランス)”と表現。フランス語で“透明性”を示す単語です。

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

シュヴァリエ氏「材料は一度口にして、本当に美味しいと思ったものしか使わない。加工するときには必要な手間を絶対に惜しまない。これらは、一見では分からないことだろう。しかし、こうした一切の曖昧さや無駄を払拭したお菓子作りは、そのまま味に反映されるんだ。それが、僕の言う“Transparence(トランスフォオンス)”。食べれば、アロマやテクスチャーの違いを実感してもらえると思うよ」

使用する素材は使い切りたいと、加工を工夫し果物の種や皮まで全て使用。また、いつもブルターニュ産が最高とは限らない。そのため様々な土地から最高の素材を探します。チョコレート作りでは、クラシックな製法を大切にしつつ独自のテクスチャーへ。こうした柔軟な意識が、日々の進化に繋がっているようです。

15歳で宣言。M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)取得に掛けた強き思い

シュヴァリエ氏は2019年、若干28歳でM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を取得した天才ショコラティエとしても話題を呼びました。M.O.F.にショコラ部門が出来たのは1989年。そしてシュヴァリエ氏は15歳の頃既に、自分はM.O.F.のショコラティエになると父に宣言をしていたそう。

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

シュヴァリエ氏「目指すきっかけは、高校生のときにスタージュ(※日本のインターンのような制度)で、M.O.F.ショコラティエのパトリックシェフの下で働かせてもらったことだね。

実際、M.O.F.の取得は思い出すと笑ってしまうほどクレイジーで大変だったよ。試験は3日間に渡ってほぼ拘束状態で行われる。集中力も体力的にも限界状態での作業中、審査員の質問に適格な答えを返さなければいけない。

技術や独創性はもちろんだが、精神的にも相当タフでなきゃいけない。自らの成長にM.O.F.の取得はとても大切なことだったし、そのために生活のすべてを費やしてきたから、合格したときは本当に嬉しかったよ」

晴れてM.O.F.ショコラティエとなったシュヴァリエ氏。その約2年後の2021年には個人のブティック『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』をオープンさせました。

イヴァン・シュヴァリエの子供時代。天才は天才として生まれたのか

天才と称されるシュヴァリエ氏。しかし、天才は生まれた時から天才だったのでしょうか。

シュヴァリエ氏「親戚も含め家族の中でパティシエという仕事をしていた人は居なかったね。ただ、祖父母が農家で、新鮮な食材には幼い時から触れていた。週末には母と料理もしていた。テレビの料理番組も好きでよく観ていた。だから必然的に、誰もが笑顔になる料理を自分で作りたいと思ったんだろうね」

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10歳の時には母に頼み、近くのパティスリー&ブーランジェリーへ働かせてもらいたいとお願いしに行ったそう。好きなモノへの好奇心と行動力そして熱意こそ、シュヴァリエ氏本来の姿。

シュヴァリエ氏「学校の勉強はとことんダメだった。でも、料理の専門学校へ進んでからは正に水を得た魚の気分。好きなことに一生懸命に打ち込むことほど楽しいことはないね」

何にも代えられぬ宝物。フランス最高峰パティシエとの 13年間で出来た強き師弟の絆

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

そんなシュヴァリエ氏が長きに渡る修業時代を過ごしたのは、フランス西部ロワール地方のナントに本店を構える『VINCENT GUERLAIS(ヴァンサン ゲルレ)』。フランス最高峰のパティシエと称されるヴァンサン・ゲルレ氏のお店です。

そこでいち早くその才能を認められ21歳でシェフとなったシュヴァリエ氏。ショコラティエとしての姿に心からの尊敬と信頼を寄せ、またゲルレ氏からも同じように信頼を感じていたと言います。

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

シュヴァリエ氏「13年間お世話になったが、彼とはいつも上手くいっていたと思うよ。技術だけでなく人としても本当に素晴らしく、第二の父のような存在だ。いつも大きなヴィジョンを持っていて、それを実現してしまう凄いパワーを持っている。

全く人を褒めるような性格ではなかったけれど、その分感謝を行動で示すような人だ。僕が独立を決めた時、高価なマシーンを色々と譲ってくれた。彼の中でもまた、僕が特別だったんだと実感したよ。

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

それから、去り際に“メルシー(ありがとう)”と言ってくれたんだ。本当に嬉しくて泣きそうになったよ」

現在はなんと、ゲルレ氏の息子がシュヴァリエ氏の下で修業しているんだとか。ゲルレ氏の立場となり、思いを馳せることも多いそうです。

初来日を遂げたイヴァン・シュヴァリエが語る、更なる夢

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

今回、人生初の来日を果たしたシュヴァリエ氏。取材前日の夜に到着という状況で、早くも日本の文化を鋭くキャッチ。フランスとの相違を感じていました。

シュヴァリエ氏「日本の電車は正確で、街の風景を見てもきっちりしている。今までフランスに修業に来た日本人シェフとの交流はあったが、改めて日本が好きになったよ。

日本人は丁寧で礼儀正しい。それは昔のフランスにあって、今失われつつあるもの。ここで体験したことは、今後また新たなクリエーションに活かされるよ」

最後に、今後の『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』について聞くと、素材とチョコレートのもつ哲学を大切にしていきたいと語るシュヴァリエ氏。それはチョコレート作りを続けていく上で一生変わらないと言います。

初来日の天才ショコラティエ独占取材!『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』の世界を魅了するチョコレート

「パンデミックを終え、こうして日本のファンに会えるのは凄く光栄で嬉しく思う。美味しく食べてもらってこそのショコラティエだ。今後15年後、20年後に『Yvan Chevalier(イヴァン・シュヴァリエ)』のお菓子が、日本の多くの人から認知される存在になれたらと思っている」

“ピエール・エルメに並ぶ存在になれたら嬉しい”と話すシュヴァリエ氏。終始ユーモアたっぷりに語るその姿に、彼ならやってくれそうだと思わずにはいられません。そんな彼の作るスイーツを、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

出店情報
・《サロン・デュ・ショコラPart2:東京会場》
2023年1月29日(日)~2月5日(日)
・《アムール・デュ・ショコラ:名古屋会場》
2023年1月19日(木)〜2月14日(火)
・《アムール・デュ・ショコラ:日本橋会場》
1月25日(水)~2月14日(火)
・《アムール・デュ・ショコラ髙島屋各店(地方店含む)》
※セレクションコーナーでの販売となります
※各会期は公式サイトをご確認下さい
・《ショコラモード伊勢丹浦和店第2会場》
⼀般会期:2023年2⽉2⽇(⽊) ~2⽉14⽇(火)

協力/Carnet Gourmand(カルネ・グルモン)  Photo/Shintaro Oki

園果わたげさん

園果わたげ

ウフ。編集スタッフ

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ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。