世田谷区の中でも知名度が高い「三軒茶屋」。“住みたい街ランキング”でも上位に入る人気なエリアで、下町の雰囲気を残しながらも、おしゃれなカフェや喫茶店が立ち並び、カフェ好きを虜にしています。
今回紹介するのは、そんな地にお店を構える「カボチャ」。20年以上もカボチャ料理を主食にしているという店主・宮本雅代さんの唯一無二のカボチャ専門店。
店内には、プリンをはじめとしたスイーツ系からフレンチフライやスープなどのお食事系、そしてクリームソーダのドリンク系に至るまでカボチャ尽くしのラインナップ。そんな同店の魅力をたっぷりご紹介します。
お店があるのは、三軒茶屋駅から世田谷通り沿いを10分程歩いたところ。緑色の外観にオレンジ色の店内は、まるでカボチャの中に入ったかのような可愛いデザイン。ショーケース覗くと、プリンやガトーショコラ、シフォンケーキなど全てにカボチャが使われています。
なぜカボチャをここまで好きになったのかお聞きすると…
「親が作るカボチャの煮物がとにかく大好きでした。実家だと好きなだけ食べるということもできなかったので、一人暮らしの時になってからカボチャ料理を主食に食べるようになりました。そんな時に当時カボチャの料理を出すお店があり、そこでホワイトソース、トマトソースなど組み合わせたものを初めて食べた時に衝撃を受けたんです。自分でも中華風にアレンジしたり、いろいろなソースと組み合わせたりして、だんだんカボチャにハマっていきました」
と話すのは、店主・宮本雅代さん。かぼちゃは、料理にもスイーツになれる食材。栄養素もあるし、食べ過ぎて体を悪くするものでもない。同店はそんなカボチャ愛溢れる店主が営んでいます。
パティシエになるために製菓の専門学校に行き、新卒一年目からはパティスリーに勤めていたという宮本さん。
宮本さん
「パティシエ時代にフルーツがあまり好きではなかったり、生クリームも重たくて食べられないことに気づきました。それからパン屋さんとか飲食店を転々としていた時に、ケーキを任されることになりました。カボチャのチーズケーキを作ったらそれが売れたので、カボチャがあったらみんな食べてくれると変な自信がつきました(笑)」
2006年に三軒茶屋に自身のお店をオープン。最初はカボチャ専門店ではなく、ケーキ屋さんから始めたのだとか。
宮本さん
「最初からカボチャ専門店としてお店を出したかったのですが、その当時専門店自体がなかったこともあり、普通のケーキ屋さんとしてオープンしました。それでもカボチャのチーズケーキやモンブランなどかぼちゃスイーツを通年で販売してました。しかし自分が苦手なフルーツタルトとか置いているのが嫌で、大好きなカボチャ一本にしました」
タルトとかショートケーキが好きだった常連さんもたくさんいて、辞める勇気もなかなか出なかったという宮本さん。それでもカボチャ好きが勝り、2020年に同エリアに移転オープン。イートイン席を併設したカボチャ専門店に。夏場はカボチャをかき氷のソースとして提供するなど、お客様を飽きさせない工夫が随所に感じます。
同店の名物となっているのが「カボチャの焼きプリン」。“栄養価の高いカボチャの皮を一緒に食べてもらえるようなものを作りたい”という想いから誕生。形が崩れないようにアルミホイルで丸ごと包み込んで焼いたり、一日寝かしたりと手間暇かかる逸品。皮、カスタードクリーム、濃厚カボチャプリンの3層で、皮まですーっとフォークが入る柔らかさ。ねっとりホクホク感に、甘さも控えめなのでカボチャの風味を存分に堪能できます。途中で味変に付属のメープルシロップをかけて食べるのがおすすめ。
冬の時期になると登場するこちら。ひとつまみの塩と胡椒だけの100%カボチャスープ。ブイヨンや玉ねぎなど一切入れず、カボチャの濃さを演出。水も入っていなく豆乳で伸ばしているそうで、固まらないように温度を測りながら作られるこだわりっぷり。中には素揚げのカボチャも入っていてボリューミーでカボチャ好きにはたまらない味わい。
どこを見渡してもカボチャを使ったスイーツが並ぶ唯一無二のお店。ぜひカボチャの世界観を堪能してみてくださいね。
About Shop
カボチャ
東京都世田谷区若林1-7-1
営業時間:水~土 10:00~売れ切れ次第閉店、火・日 10:00~19:00
定休日:月
Instagram:@kabocha2_38_10
Takuma
ウフ。編集スタッフ
すべてが“本物志向”のスイーツ好き編集者。都内のパティスリーやホテルのカフェを中心に巡り、話題のお店はいち早くチェック。スイーツが好きすぎて、気づけばスイーツメディアの編集部に!
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Photo & Writing / Takuma
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