2022年は、多くのパン屋が続々とOPENする一年でした。パンをテーマにしたフェスタが各催事場で開かれるなど、パンが主役になることも多く、スイーツメディア「ウフ。」でも、これまで各地の人気パン屋を取材してきました。
そこで今回は、いままで取材した人気パン屋が注目する若手のパン職人2名を紹介。その道のプロが本気で選んだ職人が作るパンは、注目の美味しさ。素材はもちろん、こだわった独自の製法は必見です。
『TOLO PAN TOKYO(トロパン トウキョウ)』小林純平さん
2009年7月に東京都池尻大橋にオープン。田中真司シェフと、(旧)代表取締役の上野将人さんによって立ち上げたられたブランド『TOLO PAN TOKYO(トロパン トウキョウ)』。田中シェフの“お客様の半歩先を歩く、革新的で驚きに満ちたパン屋”を目指したパン作りは、独自性を生み、店舗販売だけでなく名レストランでも使用されるなど活躍の幅を広げている。
小林純平さんは、そんな田中シェフに認められた職人で、若干30歳にして『TOLO PAN TOKYO(トロパン トウキョウ)』を引っ張る若きリーダー。
『étéco bread(エテコブレッド)』梶原裕さん・夏子さん夫妻
行列のできるパン屋。カラフルで美しいパンが並ぶパン屋として、池ノ上の『étéco bread(エテコブレッド)』。パン職人20年以上の梶原裕さんと夏子さんの夫婦で運営。選ぶ楽しさから、毎日違うパンを購入したくなる。そんな“定番がない”ことが定番の『étéco bread(エテコブレッド)』では、毎日何十種類ものパンが並ぶ。
梶原夏子さんはキッシュや焼き菓子を。裕さんは調理やブレッドを担当。最初のひと口目から、最後のひと口まで感動できるパンを目指すお二人。そのため、どのパンも具材がぎっしりと詰まっている。
鈴江篤さんは、10年の修業を経て独立。2022年、京都の清水五条に夫婦でパン屋『Slō(スロウ)』をオープンしたばかりです。10坪というコンパクトな店内には、ショーケースに40~50種類のパンが並びます。毎日、朝から列ができるという人気店。親しみやすい味は、初来店の人を直ぐに常連客にしてしまうほど。
鈴江さんの得意はハード系のパン。自家製酵母を使用してじっくりと発酵させます。『TOLO PAN TOKYO(トロパン トウキョウ)』小林さんとは修業時代、切磋琢磨した仲なのだとか。“彼の凄いところは、人を魅了する人柄。当時から目標に向かう姿に、凄く刺激を受けていました”と語る小林さん。その言葉通り、業種に関わらずさまざまなクリエイターと関わり、職人を超えた活躍を見せます。
そんな鈴江さんの現在は、オープン当初から店頭に並ぶスコーンに力を入れているんだとか。シンプルで飽きないものを目指します。同時に、新たなレパートリーも増やす予定。『Slō(スロウ)』を通した新しいチャレンジで、今後も“愛されパン屋の味”を作り続けます。
About Shop
Slō(スロウ)
下京区寺町通松原下ル植松町707-2
営業時間:8:00 ~ ( 無くなり次第終了 )
定休日:月・火・ 金
『パン屋塩見』(代々木)
東京の街の真ん中で唯一、パンを薪窯で焼くお店。『パン屋塩見』の真骨頂はそんな薪窯でしか出せない香りと、食感。お店のメニューは食パンとカンパーニュのみという、先鋭的なパン屋です。
そんな『パン屋塩見』のオーナーシェフ塩見聡史さんは、日本随一のパン屋『宗像堂』の経験からパン職人を志すようになりました。その後、天然酵母(自家培養発酵種)で作る老舗パン屋としても知られる富ヶ谷の『ルヴァン』で修業を重ねました。自家製粉した全粒粉と自家培養発酵種を使ったパン生地。それらを塩見さん自ら手作りで完成させた薪窯で焼きます。
自分のやりたいことを突き詰めつつ、ビジネスとして成り立たす塩見さんのバランス感覚に、逸材性を感じるという『étéco bread(エテコブレッド)』。
自家培養発酵種ならではのほのかな酸味と、鼻腔を通る芳ばしさ。シンプルだからこそ感動できる「食パン」と「カンパーニュ」はどちらも必食です。
About Shop
パン屋塩見
東京都渋谷区代々木3丁目9−5
営業時間:12:00〜18:00(売り切れ次第閉店)
定休日:水・木・第1・3火曜定休
パン職人としての経験を活かし、新たなパンの美味しさを言及し続ける次世代のパン屋。とても身近で素朴なイメージがあるパンですが、その奥はとっても深い。皆さんもぜひ、新しいパン屋に挑戦して、パン屋それぞれのこだわりや個性を発見してみてはいかがでしょうか。
園果わたげ
ウフ。編集スタッフ
ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。
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