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【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.21】スイーツの賞味期限ってどうやって決めているの?

スイーツ、焼き菓子の世界では、知っていそう?でも実は意外と知らないことが多いですよね。そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。今回は、スイーツの賞味期限について。生菓子や焼き菓子でも、いつまでおいしく食べられるのか知りたいですよね。期限を過ぎてしまったお菓子はやっぱり美味しくないの?

そもそも賞味期限とは何か?

「お菓子の賞味期限は、使っている素材や色の変化、状態の変化に伴う劣化が始まる時間を想定して決めています」と大澤シェフ。

多くは、慣例としての基準がお菓子職人たちの中にあると言います。

そもそも賞味期限とはなんでしょうか?

ちょっとお堅い話になりますが、消費者庁による定義は以下のようになります。

賞味期限:定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。ただし、当該期限を越えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。

ただ、賞味期限を過ぎてしまったものは食べられないかというとそうではなく、同じ消費者庁には「賞味期限」の補足として、「必ずしもすぐに食べられなくなるわけではありませんので、それぞれの食品が食べられるかどうかについては、消費者が個別に判断する必要があります」と。(※「消費期限」には別の定義があります)

おいしく食べられるかどうか、が基準になる

「要は、スイーツをおいしく食べてもられるかどうか、なんです」

素材によっては、時間の経過によって味の劣化はもちろん、変色してしまうものもあると大澤シェフは言います。

「味は同じでも色が変わっていては、職人さんたちにとっても本意ではないですよね。やっぱりいちばんおいしい状態で食べてほしいと誰もが思って提供しています。その意味でもいちばんおいしく食べてもられる期間=賞味期限なんです」

焼き菓子の賞味期限は誰が決める?

「それは作った職人さんが、自分で判断して決めています」と大澤シェフ。

その判断基準はなんでしょうか。

「先にも言ったように、多くは経験からくるもので、慣例的にこういう素材を使ったらこれくらい、こっちの素材を入れたらこれくらいという基準があって、その範囲内であればおいしく食べられる。職人さんによってそれが大きくずれてしまうことはないと思います」

一般には、生クリーム・生フルーツを使っている焼き菓子は当日中、卵や水分を多く含む焼き菓子は2〜3日、水分の少ないものなら1週間程度と言われています。

職人の思いは同じ!いちばんおいしい状態で提供したい

いかにおいしい状態で食べてもらえるかを考えて、作った後のお店での保存状態にもいろいろな試行錯誤があると言います。

「特に生菓子などは、温度や湿度によってどんどん状態が変わってしまう。それをいかにおいしくキープするかが大変なんです。ショーケースに入れておけば一定に保たれているかというと実はそうでもなくて、ショーケースの中は実は乾燥しやすくて、お店によってはショーケースの中に水を張っていたりするところもあるんです。反対に場所や季節によっては、湿気を減らす工夫をしないといないことも」

食べる側にとっても、作る側にとっても、せっかくならいちばんおいしい状態で食べたい、食べてほしい。そのために職人さんたちは、味や作り方だけではなく、保存にもさまざまな工夫をしているのですね。

教えてくれたのは…

パティシエ:大澤智弥さん

専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu専属パティシエ。

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