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【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.25】オペラは、チョコレートケーキじゃないの?

スイーツ、焼き菓子の世界では、知っていそう?でも実は意外と知らないことが多いですよね。そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。今回は、チョコレートは使われていても、チョコレートケーキのカテゴリーとはちょっと違うフランスのオペラについて大澤シェフに聞いてみました。

コーヒーのビターな風味・オペラ

「オペラも広い意味では、チョコレートケーキの仲間と言っていいと思います。ただ、オペラの主役はチョコレートよりも、むしろビターなコーヒーの風味にあります」と大澤シェフ。

世界にはチョコレートが使われているケーキがたくさんあります。それらをすべてチョコレート!と言ってしまえばそれまでなのですが、現実には、チョコレートケーキとは違う独自のカテゴリーを持ったケーキもたくさんあるようです。フランスでポピュラーに親しまれているオペラはその代表格と言ってもいいかも知れません。

生地とコーヒー・バタークリームが幾層にも重なっているのが特徴

オペラは、フランスを代表する生菓子。パリの有名なパティスリー「ダロワイヨ」で生まれたケーキで、日本でも人気のあるケーキです。その特長は、コーヒーシロップをたっぷり染み込ませたビスキュイジョコンドとコーヒー・バタークリームとガナッシュを幾層にも重ねたハーモニー。

「ビスキュイジョコンドというのは、アーモンドが入った生地のことです。オペラはそこにたっぷりとコーヒーシロップを染み込ませます。ティラミスのようなイメージです。そのジョコンドを薄く敷き、コーヒー風味のバタークリームとガナッシュを重ねて、いくつもの層を作っていくんです。ガナッシュは、生クリームとチョコレートを溶かして、滑らかに合わせたものです」

本場「ダロワイヨ」のオペラは7層

「作るのがそれほど難しいケーキではないです。ご家庭で作られる人も珍しくはないと思います。用意しなくてはいけないものはいくつかありますが、それらを手順どおりしっかり守ればおいしく作れると思います」

何層にも重なっている生地とクリーム。本場のオペラはジョコンドとガナッシュらが7層になっています。また、オペラの完成品にはチョコレートでグラサージュされたところに金箔がまぶされます。それは命名の由来にもなっている、パリのオペラ座の正面左右に聳え立つ、金のアポロン像を模したものと言われています。

ケーキひとつにも、そんな長く深い歴史があるのですね。

まだまだ知らないことがスイーツの世界にはたくさんありそうです。

教えてくれたのは…

パティシエ:大澤智弥さん

専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu専属パティシエ。

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