しっとりした生地にレモンの甘酸っぱい酸味が広がる“レモンケーキ”。近年、米粉やザラメを練りこんだものなどパティシエによって生まれ変わっています。
今回の舞台である「菓子屋shirushi」もその一つ。
2020年に愛知県犬山市・国宝犬山城のふもとにオープンして以来人気が絶えないレモンケーキと焼き菓子のお店で、2023年3月東京・銀座に初出店しました。
アイシングの火入れ加減やレモンの香りの引き立て方など絶妙なレモンケーキや“こよみ”に合わせて変わる季節のバターサンドは、個人店ならではの温かみを感じます。
今回はオープンしたばかりの「菓子屋shirushi 銀座店」の魅力を徹底取材。銀座の新土産の定番になりそうです。
2020年に愛知県犬山市の国宝犬山城がある城下町にオープン。
愛知県の北西部に位置し、古くから政治の要所として江戸時代には城下町として発展するなど、いまでもその歴史の足跡が残されています。
そんな由緒ある地にある、レモンケーキと焼き菓子のお店「菓子屋shirushi」。
代表である黒部恵さんは、“自分のお店をいつか開きたい”という想いで、名古屋市内の洋菓子店で修業し、カフェのパティシエとして腕を振るわれていました。
コロナ禍に入り勤めていたカフェが閉店したことで、“動くなら今”と背中を押してくれるものになり、独立を決断されたんだそう。
お店をはじめるきっかけの一つになったのが、瀬戸内レモンとの出逢い。
“香りと風味のよい瀬戸内レモンとの出逢いから、このレモンが一番生きて美味しいお菓子を模索してきた中で生まれたのがレモンケーキでした”
と仰る黒部さん。
かわいいフォルムとレモンの美味しさ、そして絶妙な酸味と甘さ加減のバランスの取れたレモンケーキがこのお店の看板商品です。
オープンして3年が経ちますが、いまでも人気が絶えなく、地域の方に愛され続けています。
そして今年、東京・銀座にも進出。
そんな地域に根ざしたお店が、2023年3月東京・銀座にオープン。
コンセプトである「お菓子を通じて笑顔を届ける」ことをさらに実現するために、申し分ない“銀座”に出店されたのだとか。
こちらでは工房で毎日焼き上げるレモンケーキ、国産小麦粉ときび砂糖を使ったクッキーやホワイトチョコ入りのバタークリームとラム酒が染み込んだレーズンバターサンド、季節のバターサンドが並べられています。
純国産鶏「さくら」の三日たまご、愛媛県・瀬戸内海大三島、永井農園の瀬戸内レモン、国産小麦と発酵バターを使った一品。
レモンの香りと風味を生かしたアイシングに、生地にもレモン果汁が入っているそうで口に入れたときに爽やかで柔らかい酸味が広がります。
苦味やえぐみが出ないようにレモンも一つずつ手絞りで絞られたり、食感が変わりやすいアイシングの火入れ加減、口どけに影響する生地の混ぜ具合など、職人が見極めちょうどいい具合で仕上げられています。
“こよみ”に合わせて包装紙の柄も変えられているなど、個人店ならではの温もりを感じます。この日は夏の包装紙のホタルブクロでした。
アイシングのシャリシャリ感、卵のコク、ふんわり食感、レモンの香りがたまらないレモンケーキは、新しい素材や発想を取り入れながらも、素朴でどこか懐かしさを感じます。
立春、立夏、立秋、立冬に合わせて切り替わる季節のバターサンド。
どんなところからでも仕入れるわけでなく、取引農家さんの食材がなくなったときに次の旬の食材に切り替えられているそう。
現在の季節のサンドは「極上お抹茶バターサンド」と「日向夏とアールグレイのバターサンド」の2種。
特におすすめなのが「日向夏とアールグレイのバターサンド」。
アールグレイ茶葉の香りと、宮崎県産の完熟日向夏の酸味が爽やかなバターサンドで、この時期にぴったりの味わい。
大量生産をしない一つずつ丁寧に作られたお菓子の数々は、大切な方への手土産にもぴったりです!
About Shop
「菓子屋shirushi 銀座店」
東京都中央区銀座5-7-10 EXITMELSA 1F
営業時間:11:00~20:00
定休日:なし
公式Instagram
Takuma
インスタグラマー
都内のパティスリーやホテルのカフェを中心に巡り、その美しい写真と丁寧な文章にファンも続々。パティシエ界や編集長も注目のウフ。スイーツ男子部第一号
Instagram(@k.takuma.happy)
Photo & Writing / Takuma
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