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【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.10】ガトーショコラ、フォンダンショコラって何が違う!?

スイーツ、焼き菓子の世界では、知っていそう?でも実は意外と知らないことが多いですよね。そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。お菓子のヒミツや、業界にまつわる裏話も深堀り。今回はガトーショコラとフォンダンショコラの違いについて話を聞きました!

ガトーショコラはフランス語でチョコレートケーキ

「ガトーショコラもフォンダンショコラも材料はほぼ一緒です。大きな違いは、その食感です」と大澤シェフ。

「そもそもガトーショコラは、フランス語でチョコレートケーキのこと。なので、広い意味で言えば、フォンダンショコラもガトーショコラの中に含まれるものではあります。ただ、チョコレートケーキと一口に言っても、日本で親しまれているチョコレートケーキがそうであるように、いろいろな種類があります」

沈むガトーショコラ、沈まないガトーショコラ

「ガトーショコラには、粉をまったく使わないでチョコレートと卵黄、卵白だけで作るものや、小麦粉とチョコ―レートを混ぜて、そこに卵黄、卵白を入れて作るものがあります。

スポンジケーキのようなふんわりとした完成形を目指すときは、小麦粉を入れて作り、最後にオーブンで焼きます。チョコの香りを引き出し、ずっしりとした重厚感を出したいときは、小麦粉を使わずに作ります。“沈むガトーショコラ”“沈まないガトーショコラ”と言われています。

また、フランスでは家庭料理としてガトーショコラを作ると、真ん中だけ少し凹んだバスクチーズケーキのような形になることもあります」

フォンダンショコラは「とろけるチョコ」

「フォンダンショコラは、中からチョコレートソースが流れ出てくるようなイメージがあると思います。フランス語で「溶けるチョコレート」を意味しているんです」と大澤シェフ。

フォンダンショコラの命名の由来は、フランス語の「溶けている」「やわらかい」を意味するフォンダンから来ていると言われています。その言葉どおりに、食べたときに口の中でチョコレートソースが溶けて広がっていく独特の食感があります。

温めて食べるとおいしいフォンダンショコラ

「作り方もいくつかあって、小麦粉はほとんど入れずに基本チョコレートのみで作ることが多いです。また、チョコレートソースを中に入れて作ることもあれば、チョコレートソースを入れずに生地だけを半熟状態のままで焼き上げることもあります。まわりは少しぱりっとしていても中はやわらかくとろけるような仕上がりになります」

また、フォンダンショコラは温めて食べるのが一般的とも言われています。

そこにベリーソースや冷たいアイスクリームをかけて食べることで、暖かさの中に冷たいアイスがすーっと口の中で広がっていく、何とも言えない食感が特徴とも。

教えてくれたのは……

パティシエ:大澤智弥さん

専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu専属パティシエ。