1か月にわたるアイス特集の最後を飾るのは、アイス研究家・シズリーナ荒井さんが感動したというアイス。1日2リットル以上、年間4000種ものアイスクリームを食べ、TVや雑誌で活躍中のシズリーナ荒井さんが、記憶に残る最高のアイス「きよミルク」とは? 作り手の千葉清美さんはもちろん、製品誕生のストーリーとともに、お届けします。
福島県、あだたら地域。スキー場として、レジャーの絶好の地として人気で、広大な自然が広がります。安達太良山は日本百名山・花の百名山としても知られています。詩人・彫刻家として有名な高村光太郎の妻、智恵子のふるさととしても有名です。
そんなこちらの地域ですくすく育った乳牛のアイスクリームが「きよミルク」。安定剤不使用なので、やわらかく溶けやすいのが特徴です。濃厚なミルク味なのに口の中でふわっと溶けて後味がすっきりとした食感。市販のアイスとは異なり、かなりのフレッシュさ。
使用しているものは、「有機JAS認定砂糖(オーガニックシュガー)は、化学合成農薬及び化学肥料を使用せずに自然の力だけで育まれたサトウキビを原料とし、収穫して1日以内に加工しているお砂糖」とのこと。色は少し茶色で特有の味と香りがありますが、まろやかでやさしい甘みがたまりません。
どうしてこのソフトクリームが凄いのか? 推薦してくださったシズリーナ荒井さんに伺うと……。
「きよミルクの良さは、生乳本来の味わいに気づかされる日本一こだわり抜かれたソフトクリームです。生乳をとろっとろになるまで千葉さん一人で仕込んでいる。仕込んでいる千葉さんの表情はいつだって笑顔を絶やさない。まるで牛乳と会話できているようにいつも楽しそう。そんな方が作ったソフトクリームは本来であれば、直営店でそのままソフトクリームを味わっていただきたいが、お取寄せという形に変わっても味は変わらない。
生乳の純粋な味わいに恋をする。自然由来なものを使用して作られているため、賞味期限は製造から1週間。それだけ素材にこだわられているアイスを罪深くさせるかは…アナタ次第。冷凍庫から取り出してすぐに食べてもいいけど、オススメの食べ方は、冷凍庫から冷蔵庫に移して64分〜74分後が食べごろです。そうすることによりお店の搾りたてを食べる瞬間の食感を自宅でも再現させることができます。是非ともお試しください。」
この「きよミルク」をほぼ一人で手掛けてきたのが千葉清美さん。高齢化と継承者不足が深刻な福島の酪農に、若い世代の興味や活性化につながるよう、先頭に立ち、福島を応援しようとされています。
また、なぜ「きよミルク」を作られたのか? そのエピソードも深い話がありました。
「高校時代に4時間かけて行った牧場で食べた感動的においしいジャージー牛乳のソフトクリームでした。遠方から訪れた人々の長蛇の列が目にやきついていました。『安達太良地域の生乳を使って美味しいソフトクリームを作り人を呼び込むことができたら、地元の酪農や地域活性化の助けになるはず』と思い立ちました。
パティシエを目指していた姪の死もあり、私は人に自慢できるようなキャリアも無いけれど、使命感だけを胸に、あだたらの風景を守るために起業を決意しました。そして、ゼロからのスタートで6年間かけてようやくあだたらのちち株式会社を設立し「きよミルク」を世の中に出すことができました。
きよミルクは、手間はかかるし、管理は難しいし、思うように販路も広げられないけど、だけど身体に優しくて、生乳の味がしっかり感じられて、飾らないアイスクリームです。それはまるで私の大好きな「あだたらの田園風景」そのものです。大好きな福島を元気にしたい ! !
大好きな安達太良地域の田園風景を未来に繋げたい ! !」
アイス一つに込めあれた深い想い。もちろん、その製法や素材の良さももちろんですが、一番のアイスのコクのもとは作り手の想い。千葉さんの愛がつまった「きよミルク」、ぜひ食べてみてくださいね。
About Shop
きよミルク工場直売所
福島県二本松市西町2-1
営業時間:土・日10:00~17:00
オンラインショップは下記の2つから
find ふくしま
みちのくオンラインショップ
きよミルク販売について詳しくはコチラ
アイス好きのためのパティスリー「MAISON GIVRÉE(メゾン ジブレー)」(中央林間)。日本を代表する冷菓子のパイオニア江森シェフが語るアイスケーキの世界とは
Profile
シズリーナ荒井
アイス研究家、イートデザイナー。年間4000種類以上ものアイスを食べ、さまざまなアイスレシピを提案。市販アイスの食べ方を日々研究している。今年6月発売の新刊「コンビニ&スーパーのアイスが極上スイーツに! 魔法のアイスレシピ」(KADOKAWA)も話題に。
注目記事