2024年12月にオープンし、話題となっている「VAT BAKERY(バットベーカリー)」。ここでしか楽しめないシナモンロールやドーナツやドーナツをはじめ、とある名喫茶の味を受け継いだメニューもあり、原宿で注目の店となっています。
一体、このお店がそこまで多くの人を魅了する理由とは?パンやドリンク、フードの魅力と、お店に込められた想いをレポートします。
ベーカリーがあるのは、原宿に誕生したコンセプトストア「V.A.(ヴイエー)」の2階。「V.A.」は20年にわたって東京のカルチャーの発信拠点として愛されてきた「モントーク」跡地にできたお店です。
このお店のディレクションを担当したのは、音楽プロデューサーの藤原ヒロシさん。1階の物販エリアには「V.A.」オリジナルのアイテムや、名だたるブランドとのコラボアイテムが並びます。
店内の階段を上がると、パンやドーナツが並ぶショーケースが登場!現在は甘い系からおかず系まで全12種類があり、フレーバーの一部は季節によって変えていく予定だそう。カフェスペースでのイートインのほか、テイクアウトも可能。カフェスペースは中2階と2階に分かれ、それぞれ異なる雰囲気が漂います。
ちなみに、物販スペースとベーカリーを併設したのは、藤原さんの“パンを焼く香りと一緒に洋服選びを楽しんでほしい”という想いがきっかけ。お店のパンやドーナツはすべて1階のキッチンで作られており、店内いっぱいに食欲をそそる香りが広がります。
オーダーしたのは、『Blueberry(ブルーベリー)』とドーナツの『Custard cream(カスタードクリーム)』。銀色のトレーにのっており、どこかノスタルジックな雰囲気が漂います。
店名の由来は、浅い角型の容器「バット(VAT)」から。バットでまとめて焼いた生地を後からカットするため、お店のパンのほとんどが特徴的な四角い形になっています。
チーズフィリングとブルーベリージャムをかけて仕上げた『Blueberry』は、一口食べるとチーズの酸味とフルーティーな甘みのハーモニーにびっくり。生地の中にはブルーベリージャムも入っており、しっかり厚みのある生地と、ブルーベリーの甘酸っぱさが絶妙なバランスで合わさります。
さらにブルーベリーのジューシーな味わいと粒感、クランブルの心地よい歯ごたえが加わり、たまらない仕上がりに。ボリューミーなパンながら後味はさわやかで、ぺろりと食べ切れてしまいます。
スイーツ系のパンは人気メニューのシナモンロール『Cinnamon sugar(シナモンシュガー)』がベースになっており、バターを何層にも折り込んで作るデニッシュ生地を使用。外はサクッと中はふんわりとした食感や、バターと卵を贅沢に使ったリッチな味わいを、さまざまなフィリングとともに楽しめます。
『Custard cream』は、カスタードクリームを詰めたドーナツの上にクランブルをトッピング。生地は軽やかで油っぽさがなく、クリームとすっと混じり合う口どけの良さを楽しめます。
卵のコクをしっかり感じられるカスタードクリームと、表面にまぶされた粉糖からは、どこかほっとするレトロな美味しさが。そこにトッピングのクランブルが加わることで、ザクザク感のあるポップで新しいドーナツに。
パンやドーナツと一緒に楽しむドリンクは、上にコーヒーを、下に甘いミルクを淹れた2層仕立ての『カフェパリス』に。コーヒーの苦みの後にミルクの甘みが優しく広がる、カフェオレとはひと味違った感覚を楽しめます。
パンにはスイーツ系はもちろん、ランチやお酒と合わせるのにもぴったりなセイボリー系もラインアップ。大きなハムにトマトペーストとハーブを合わせた『Ham(ジャンボハム)』や、はちみつにパルメザンチーズの塩気がたまらない『Honey cheese(ハニーチーズ)』など、どれも気になるものばかり!
カフェでは、2024年5月末に惜しまれつつ閉店した神田の純喫茶「珈琲専門店 エース」の『のりトースト』もオーダー可能。中2階には、エースから受け継いだ椅子とテーブルが並びます。
この取り組みのきっかけは、藤原さんがエースによく足を運び、メニューを楽しんでいたことから。エースの閉店が決まった際にすでに「V.A.」のプロジェクトが進んでいたため、家具の一部と、名物であるのりトーストのレシピを譲り受けることになったそう。
『のりトースト』は、カリッと焼き上げられたパンから香るバターと醤油、ほんのり柔らかくなった焼きのりのハーモニーが絶妙。バターのコクとのりの風味が合わさり、飾り気がないのに魅了される、奥深いうまみが広がります。片手で食べられる気軽さと多すぎないボリューム感で、朝食や午後の軽食としても味わいたいメニューです。
多様なカルチャーが行き交う原宿・表参道の地にあり、ワクワクするパンとフード、どこか安心できる居心地の良さを感じられる「VAT BAKERY」。お店では、パンをほおばり、その穴から顔を出すスヌーピーを描いたコラボアイテムも販売されています。一度足を運べば、新たな推しベーカリーが増えるかも?
About Shop
VAT BAKERY
東京都渋谷区神宮前6丁目1-9
営業時間:10:00~20:00 ※カフェL.O.19:30
定休日:不定休
Instagram:@vatbakery
三月
ウフ。編集スタッフ
カスタードとお固めのパンが特に好きな148cm。ライター出身、ワクワクしながらメディアを作ってます。毎日おいしいものに出会えて幸せです。
注目記事