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【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.23】乳脂肪って何?多いほどおいしいの?

スイーツ、焼き菓子の世界では、知っていそう?でも実は意外と知らないことが多いですよね。そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。今回、教えてもらうのは乳脂肪。乳脂肪とはそもそも何?と思っている人も多いのでは。お菓子作りと乳脂肪について聞いてみましたよ。

乳脂肪は牛乳の中に含まれる脂質

「乳脂肪は、牛乳に含まれている脂質のことです。牛乳を分類したときに水と脂肪に分けられます。お菓子作りでいえば、生クリームを作る工程で脂肪分をどれくらい残すかによって、生クリームの脂肪率が決まってきます」と大澤シェフ。

この比率はお菓子作りには欠かせない、大事なものだとか。

「脂肪分の多い生クリームは、重たいというか、どっしりした感じで、逆に少ないと軽くさっぱりした感じになります」

これは味にもストレートに反映されるとか。

乳脂肪が多ければおいしい!?

「乳脂肪が多いからおいしいかというと、そう単純なことでもないのです。要は使う目的によって、乳脂肪の高いものを選ぶか、低いものを選ぶかが肝心なのです」

牛乳で言えば、一般的には乳脂肪分の高い牛乳のほうがおいしい、高級と言われています。ただ、風味や喉ごしは個人によって違うため、脂肪分が高いからおいしい、高級だからおいしいとはなりません。

「お菓子作りでもそれは同じ」と大澤シェフ。

どんなお菓子を作るかによって使い分けるのが基本なのだと。

でも、お菓子作りに限定すると、乳脂肪が高い生クリームよりも低い生クリームのほうが汎用性があって、使いやすいと大澤シェフは言います。

実際にはどのように使い分けられているのでしょう。

乳脂肪分の高いものが合うお菓子、低いものが合うお菓子

「例えば、乳脂肪の高い生クリームで言えば、バスクチーズケーキのような重くねっとりした食感が味わえる焼き菓子には適しています。

一方、乳脂肪分の少ない生クリームは、生クリームそのものを味わうために使われることも多く、例えば、ガトーショコラの上に添えられている生クリームなどがそうですね。濃厚でやや重たいガトーショコラには、ライトでさっぱりした生クリームがよく合います。

それと、最近は乳脂肪分の低いものが好まれる傾向もあって、一般的なショートケーキも、生クリームは甘さが控えめで、さっぱりした感じが好まれていますよね」

パティシエはオリジナルの生クリームをブレンドして作る!

乳脂肪分の低いものが好まれる傾向にあっても、多くのお菓子職人たちは、自分たちが求める味わいにこだわっています。

「お菓子職人たちは、作るお菓子に合わせて、それぞれ違う割合の生クリームをブレンドして作っているんです」と大澤シェフ。

生クリームの脂肪配合にも、パティシエたちのこだわりが追求されているのですね。

教えてくれたのは…

パティシエ:大澤智弥さん

専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu専属パティシエ。

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