スイーツ、焼き菓子の世界では、知っていそう?でも実は意外と知らないことが多いですよね。そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。お菓子のヒミツや、業界にまつわる裏話も深堀り。今回はケーキ屋さんでもパンが買える理由、パン屋さんでもケーキが買える理由を聞いてみました。
「厳密に言うと菓子職人とパン職人は違います」と大澤シェフ。
でも、パン屋さんでケーキが買えたり、ケーキ屋さんでパンが買えることもありますよね。それはどうしてなのでしょう。
「菓子職人とパン職人では明確な違いがあるんですが、フランスではパン屋さんでもケーキや焼き菓子を作って売っていたり、ケーキ屋さんであってもパンを作って売ったりすることは珍しくはないんです。
日本ではパン屋さんはパン、ケーキ屋さんはケーキと、分かれているところが多いのですが、フランスではどちらかというと大まかと言うか、お店があって、そこでパンもケーキも、ということが珍しくないなんです」
フランス人のおおらかさと律儀な日本人との違いなのでしょうか。
菓子職人もパン職人もスイーツ作り、パン作りを学んでいく工程は似通っていると大澤シェフは言います。
「フランスのケーキ屋さんやパン屋さんをよくよく覗いてみると、クロワッサンやパン・オ・ショコラ、パン・オ・レザンなど、同じ生地を、形を変えて作って売っているお店が多いという印象があります。
作る技術で言えば同じことを要求される。パン職人がクロワッサンの生地を何度も折り込んでいくのと、菓子職人がパイを作るはまったく同じ作業ですからね」
パン屋さんが焼き菓子を作ることも、菓子職人がパンを作ることにも不自然ではない。むしろフランスのようにパン職人と菓子職人の境界が曖昧なほうが自然なのかもしれません。
「日本でもそういうお店がないわけではありません。とくにフランスで修行をした菓子職人の中には、パンにこだわって、作っている人がいると思います。全体の数としては少ないですけどね。逆に、パン屋さんでカヌレのような焼き菓子を出しているところは最近は増えていますよね」
そうすると……例えば、ケーキを作りたくて学校へ通ったり、お店で修行した人のなかには、途中でパンが作りたくなったと言ってパン職人になることも可能なんですね。
「もちろんです。その逆もまた然りです。
ケーキが作りたくてやり始めたのに、パンのほうが自分には合っているとか、こっちのほうが魅力があるなと思って方向転換をする人はいると思いますよ」
パティシエ:大澤智弥さん
専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu専属パティシエ。
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ウフ。編集部スタッフ
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