スイーツ、焼き菓子の世界では、知っていそう?でも実は意外と知らないことが多いですよね。そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。お菓子のヒミツや、業界にまつわる裏話も深堀り。今回は「ええ、それって日本が発祥なの?」という洋菓子について聞いてみました。
「日本が発症の洋菓子は、結構多いのです。一番有名なのはケーキと言えばというくらい有名なショートケーキでしょうか」と大澤シェフ。
「このコーナーでも最初に取り上げたことがありますが、苺が乗った三角形のショートケーキは諸説ありますが日本発祥のケーキです。今ではショートケーキもパティスリーによってバラエティ豊かになっていますよね。
このショートケーキに限らず、日本発祥、というか日本独自の洋菓子は結構あるんです」
「ダコワーズ(ダックワーズ)という洋菓子をご存じですか。卵白を使った生地にバターサンドを挟んだもので、外がパリっとして中がふわっとした独特の食感の洋菓子です。
これは福岡の『フランス菓子16区』のオーナーシェフ・三嶋隆夫氏が、フランス時代に考案したお菓子で、三嶋氏が帰国後、日本で販売して人気が出たものです。16区では『ダックワーズ』とネーミングされています」
ダコワーズは、もともとフランスで別のネーミングで作られていたスポンジ状のケーキが原形とされていて、ホールケーキの土台となっていたものと言われています。これがアーモンド風味のスポンジケーキとしてダコワーズと呼ばれるようになったと言われています。
このダコワーズを、1979年、当時パリ16区にあった「ARTHUR」に務めていた日本人シェフ・三嶋氏が、和菓子の最中のような小判型のお菓子として試行錯誤し完成したのが、今のダコワーズと言われています。
「これが逆輸入のようにフランスで人気になって、定着して広まったと言われているんです」
日本の洋菓子が世界へ認められた、その先駆けでもあったのですね。
「このほかにも日本から生まれた洋菓子はいくつかありますよ」と大澤シェフ。
「プリン・アラ・モードも日本の独自のスイーツです。似たようなスイーツはあっても、プリンに生クリーム、そしてフルーツが添えられているのは日本だけでしか見られないスイーツです」
さらに、レアチーズケーキ、スフレチーズケーキ、そしてスイートポテトも日本オリジナル!
「スイートポテトはその中でも独特で、そもそもお芋は、普通の料理の食材として使うばかりで、スイーツにするという発想は海外にはあまりないんじゃないですかね」と大澤シェフ。
もともと『スイートポテト』はさつまいもの英訳。甘いお芋は日本独自の素材のようです。
まだまだ、日本独自の洋菓子はありそうですね。
日本でのスイーツの広がりと共に、これからももっと新しい日本オリジナルの洋菓子が生まれてくるかもしれませんね。
パティシエ:大澤智弥さん
専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu専属パティシエ。
ウフ。
ウフ。編集部スタッフ
スイーツがないと始まらない。 スイーツ好きのための情報メディア。全国の素敵なスイーツ情報を発信していきます。
注目記事