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プリンとパンナコッタと杏仁豆腐……違いは何?【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.7】

スイーツ、焼き菓子の世界では、知っていそう?でも実は知らないことが多ですよね。そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。

お菓子のヒミツや、業界にまつわる裏話も深堀り。今回は、プリンとパンナコッタ、そして杏仁豆腐の違いについて聞いてみました! 

似ていてもまったく違うデザート!?

「プリンとパンナコッタ、杏仁豆腐は、それぞれ食感や見た目はとても似ているんですが、実は材料も作り方も異なるスイーツなんです」と大澤シェフ。

「プリンは、卵とグラニュー糖と、ミルクを使います。パンナコッタは、牛乳や生クリームとゼラチン、そして杏仁豆腐は、杏仁霜に牛乳やグラニュー糖などを加えて、さらにゼラチンで固めています」

プリンはイギリス発祥の焼き菓子で、日本では江戸時代後期から明治にかけて入ってきたと言われています。一般家庭に普及したのは1970年代と言われていて、今ではすっかりおなじみの「プッチンプリン」の誕生がきっかけで広まったという説も。

日本の国民食ならぬ「国民デザート」プリン

「今では、プリンもさまざまな作り方・種類があって、こんなにバリエーションが多いのは日本だけかもしれないですね。シンプルに卵とグラニュー糖を混ぜて蒸しているものから、牛乳や生クリームを入れて低温で焼いているものもあります。最近では使う卵にこだわったり、生クリームを使ったり、クオリティが高いですよね」

確かに、硬め派プリンとやわらかめ派に二分されているようなプリン人気。プリンと一口で言っても、食べる人の好みも細分化されてきていると大澤シェフは言います。

プリンと言えば、カラメルがつきもの。それには何か理由があるのでしょうか?

「多分、もともとプリン自体はそんなに甘いわけではなかったからじゃないですか。かと言って砂糖をたくさん入れてしまうと固まりにくくなってしまうんです。

今では、プリンにもゼラチンを入れて固めることもありますが、昔は素材だけでしっかり固めていた。そこに甘さを加えて食べてもらうためにカラメルが欠かせなくなったのかもしれないですね」

作り方がシンプル。誰でもおいしく作れるパンナコッタ!?

パンナコッタはイタリア発祥のお菓子で、日本でも人気になったのはわりと最近のこと。「シンプルで甘くておいしいというのが日本人の好みに合っているんでしょうね。それに蒸したり焼いたりという手間がなく、素材を混ぜ合わせるだけでできるから手軽に作れて楽しめるのもいいのでしょうね。それに素材を替えていくことで自分好みに作れるのも人気の理由だと思います」と大澤シェフ。

こだわりパティシエが多い杏仁豆腐!

一方、杏仁豆腐も素材を混ぜあわせるだけのシンプルなデザート。ただ、最近はパティシエの中にも、結構こだわりを持って作っている人が多いとか。

「杏仁豆腐は、パティシエが作るにはとてもシンプルで作りやすいデザートではあるんですが、だからこそ、こだわりを持って作るパティシエが多いんですよ」と大澤シェフ。

「杏仁ってアプリコットの種のことなんですが、その種の中に柔らかい芯の部分があるんですけど、そういうところまで使って香りを抽出して、作っているパティシエもいます」

シンプルだからこそ、突き詰めてよりおいしいデザートに昇華していくんですねぇ~。

教えてくれたのは……

パティシエ:大澤智弥さん(プロフィール)

専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。Ufu専属パティシエ。

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