高度経済成長期の1971年に創業し、50年以上の歴史を持つファミリーレストラン「ロイヤルホスト」。その代表格のチョコレートスイーツといえば、「ホットファッジサンデー」。1994年に生まれ、2024年の今年、なんと30周年を迎えます。
今回の記事では、時代の荒波を乗り越えて進化を遂げてきた「ホットファッジサンデー」の歴史を深堀り。アメリカンデザートへの憧れやチョコレートブームなど、様々なトレンドを乗り越えた名パフェ、その秘密はいかに?!
取材に答えてくれたのは、「ロイヤルホスト」デザート開発担当の上田さん。スイーツ関係の仕事に就くことが小さい頃からの夢だったそうで、念願叶った今では日々新しいアイデア探しに奮闘しているのだそう。
「カフェやパティスリー、レストラン、フルーツパーラーなど様々なお店で食べ歩き、食材や盛り付けを研究しています。デザート開発では、お客様に季節感を味わってもらえるように、旬の素材選びからこだわっています」
※今回は、当時の開発担当者は既にご退職されているとのことで、残されている資料を参考にお話をお伺いします。
1994年から提供されている「ホットファッジサンデー」は、大きなレンズグラスに、はみ出さんばかりの具材が入ったダイナミックなパフェ。この上から温かいチョコレートソースをかけて、少しずつ頂くのが至福のひとときです♡
上田さん「グラスの中には、チョコレートソースをグラスの側面にかけ、バニラアイスクリームとチョコレートアイスクリーム、グラハムビスケット、ピーカンナッツ、アーモンド、バナナ、ホイップクリームを重ねています。甘いアイスクリームにビターなチョコソースを掛け合わせ、上品で食べやすい味わいに仕上げています」。
「ホットファッジサンデー」の起源となったのは、1975年に発売した「CCブラウンサンデー」。背の高い真鍮のグラスに、たっぷりのバニラアイスとホイップクリーム、仕上げにナッツとアメリカンチェリーがちょこんと乗った一品です。この時から、仕上げにセルフでチョコレートソースをかけるスタイルは変わりません。
上田さん「当時の社員がアメリカ視察に行った際、現地のレストランで食べたホットファッジサンデーに魅了され、『CCブラウンサンデー』という名前でメニュー化に至りました」と上田さん。ちなみにロイヤルホストでは、シーズンメニューのフェア担当者などは今でも海外視察に行くことがあるのだそう。
その後、「CCブラウンサンデー」はメニューから外されたり、復刻したりを繰り返します。その間も定番チョコレートサンデーのメニューは「ロッキーマウンテン」(1986年)「ロッキージュニア」(1988年)、「チョコレートバナナサンデー」(1990年)、「チョコチップサンデー」(1992年)と、少しずつバラエティを広げたり改良されたりして、進化を遂げていきました。
そして1994年、今の原形となるバナナ入りの「ホットファッジサンデー」が発売。大きな縦カットのバナナにアメリカンチェリーがトッピングされ、ビジュアルは今よりも大胆なスタイルです。この時から、重たくずっしりとしたレンズグラスを使い始めたのだそう。
上田さん「このグラスは、当時の社員がアメリカで一目惚れして日本に持ち帰ってきた『リビー』(アメリカのグラスメーカー)のもの。縦長のグラスよりも盛り付けが難しいことから、店舗ごとの盛り付けのばらつきに苦戦したようです」
ちなみに、大胆にバナナを盛り付けるアイデアは、「バナナスプリット」(1989年)から着想を得たのでは?とのこと。こうして、アメリカ生まれの「ホットファッジサンデー」は、少しずつロイヤルホスト独自のメニューになっていきました。
1994年の発売後、一度メニューから外れることもありつつ、2001年のメニューでは復活。この頃には縦カットだったバナナは輪切りになってグラスの中へ入り、現在の形に近づいています。
1994年の「ホットファッジサンデー」発売から今に至るまで、5回程のリニューアルがあったのだそう。上田さんは直近の2016年、2018年と2回のリニューアルを担当しました。
上田さん「2018年には、トップのサワーチェリーをピーカンナッツに変更し、中にはグラハムビスケットを入れて、カリカリ食感と香ばしさをプラスしました。アメリカでもピーカンナッツはよく使用されていますし、本場らしさも出せたのではと思います」
同時に、ホットチョコレートソースも改良。
「濃厚なアイスクリームとホイップクリームで甘くなりすぎないようにするため、自社工場で作った高カカオなチョコレートを使用したビターチョコレートソースに変更しました」。
度重なる改良には、日本に本格派チョコレートが増えてきたことが背景にあるのだそう。2003年「サロン・デュ・ショコラ」が日本に上陸したことをきっかけに、甘いチョコレートよりも、カカオが香る本格的なチョコレートが好まれるようになったのでは?と、ロイヤルホスト内では推測しています。
そして、リニューアルや期間限定メニューでレシピが更新されるたびに苦労しているのが、全店舗でのクオリティの統一。店舗数が多いチェーン店だからこそ、スタッフの腕前や地域で味や盛り付けが左右されることがないようにシステム化することは必須です。
「リニューアルで盛り付けや組み合わせを変更するたび、動画で作り方を録画して各店舗に配信しています。店舗スタッフからの意見を聞いてオペレーションも少しずつ改良していきます」。
まだまだ更新され続ける、ロイヤルホストの「ホットファッジサンデー」。食べたことがある方もそうでない方も、30周年を迎えるこの年にぜひ味わってみては?
最後に、ロイヤルホストパフェファンのみなさんに向けて、新作の『苺~Sweet Strawberry 1st season~』シリーズのパフェをご紹介。
苺のプリン・ア・ラ・モードパフェ
1,480円(税込1,628円)
まろやかなカスタードプリンと苺、バナナ、バニラアイスクリームを重ねた、レトロなパフェ。見栄えもキュート!
苺のショートケーキ仕立て
980円(税込1,078円)
ストロベリーソース、ふんわりシフォンケーキ、カスタードを重ね、塩キャラメルアイスをしのばせたパフェ。本物のショートケーキのように食べ応え抜群です。
苺のブリュレパフェ
1,180円(税込1,298円)
カリッと香ばしくキャラメリゼしたクレームブリュレに甘ずっぱい苺の味わいとピーカンナッツのアクセントがたまらない逸品。様々な素材が織りなす見た目にも楽しいパフェです。
<季節デザート『苺~Sweet Strawberry 1st season~』販売概要>
販売期間:2024年1月17日(水)~3月中旬予定/販売時間:10時30分~
販売店舗:全国のロイヤルホスト215店舗
(羽田空港店、広島空港店、那覇空港店、鹿児島空港店、新千歳空港店、九州大学病院店、京都髙島屋S.C.店を除く)
※名古屋星ヶ丘店は「苺のブリュレパフェ」、「苺のプリン・ア・ラ・モードパフェ」のみ販売
※価格と販売期間、販売時間が異なる店舗がございます。
※食材の収穫状況によって、販売開始および終了時期が予定と異なる場合がございます。
※デザートのテイクアウト・デリバリー販売はございません。
ウフ。
ウフ。編集部スタッフ
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