オンライン販売からスタートし、僅か一週間で催事出店とメディアからの注目。その半年後には実店舗をオープンしたフィナンシェ専門店があります。
その名も「バターマスター」。
新宿駅から2駅で住みやすい街としても人気の代田橋にある同店は、本物のフィナンシェやこだわり尽くされたプリンを求めて多くの人が訪れます。
店内に入ると飾られているアメリカアニメのキャラクターグッズ。そして店主自らがデザインした可愛らしいクマのロゴ。
今回はそんな「バターマスター」の代表である生田さん(通称マシューマロー)を取材。ものすごい勢いで店舗をオープンした経緯やお菓子のこだわりなどを聞いてきました。
2018年7月にフィナンシェ専門店としてオンライン販売から始まった「バターマスター」。
販売開始からメディアの取材やフィナンシェ缶が100缶売れるなどの滑り出し。一週間後には初めての「青山ファーマーズマーケット」の催事に出店するなど人気は収まることなく話題になりました。
そして半年後の2019年1月には実店舗をオープン。プリンやフィナンシェを求めて多くの人が今でも訪れています。
「こんなにも多くのお客さまに食べてもらえるとは予想もしてませんでした。シェフとして活動していたレストラン時代の時のシェフパティシエである濱脇と“オンラインのお菓子屋をやろう”と副業感覚ではじめました。」
と仰る代表のマシューマローさん。
お小遣い稼ぎ程度ではじめたオンライン販売から、半年後の実店舗をオープンするまでになった同店。いったいどんなお店なのでしょうか。店内を覗くとお店のロゴであるクマのシャツや缶、そしてキャラクターグッズがお出迎え。
可愛らしくどこか懐かしいクマのキャラクターデザインは、イラストレーターとしても活動しているお店の代表マシューマローさんが手掛けます。
もともとはレストランでフランス料理をやっていた代表。絵は好きだったけど、全然書いていなかったんだそう。お店のロゴのデザインきっかけは、知り合いのある言葉からはじまりました。
「もともとは知り合いに服を作っている人がいて、その人に以前SNSで挙げていたクマのキャラクターでロゴを作ったらいいんじゃない?と言われたのがきっかけです。それまでは絵は好きだったけど、勉強もしていないし、全然書きませんでした。クマのキャラクターのデザインを機に、アーティストとしての仕事も入ってきたんですよ。」
知り合いの言葉から始まったロゴデザイン。そしてイラストレーターとしての活動。いまではキャラクターデザインを中心に描かれています。
1930年代~70年代に流行った「トムとジェリー」や「ピーナッツ(スヌーピー)」などのアメリカアニメが好きだったマシューマローさん。
「お店のキャラクターが出来たときに、お店をどういう風にしていくか考え、シリアル食品を展開する“ケロッグ”に注目。昔のケロッグは、コンフレーク買ったらスプーンが入っていたりキャラクターを前面に押し出してました。
それと同じように街で見かける機会が多いキャラクターを店内にを置くことで、その連想で“フィナンシェのお店があったっけ”と思ってもらえれば良いなと思っています。焼き菓子はシンプルで若年層には手に取ってもらえないので、そういった意味も込めて店内やパッケージデザインにも力をいれています。」
お菓子買うために来店するよりキャラクターグッズを買うために来店する方が集客しやすい。そういう想いで代表の好きなキャラクターグッズがあちこちに置かれています。
もちろんフィナンシェ専門店というだけあって、お菓子にもこだわりが詰まっています。
「バターマスター」のお菓子を担当するのは、パティシエ濱脇さん(通称ハマさん)。
ハマさんの大好きな焼き菓子。その中でもフィナンシェが一番好きなのだとか。
「必ずお菓子屋さんに行くと置いてあるフィナンシェ。メインのお菓子ではなく、レジの横にあるから買った人も多いと思います。そこにフォーカスしたお店があってもいいという想いからフィナンシェ専門店にしました。」
と仰るハマさん。
材料、焼き加減、食感、サイズ、パッケージまでこだわられているフィナンシェ。ラインナップは、定番のプレーン、塩、発酵バターに、珍しいコニャックの4種。
何かと何かを組み合わせたハイブリッドのお菓子が多い中、シンプルで勝負したしっとり系のフィナンシェは、バターの旨みが閉じ込められています。
そして驚いたのがコニャック。
これでもかというぐらい生地にコニャックが染み込まれたフィナンシェは、酔うぐらいふんだんにお酒が入った本国フランスで食べているかのよう。
フィナンシェ専門店の名に恥じない、試行錯誤されたフィナンシェはお店の看板商品です。
フィナンシェを作るときに余る卵黄。その卵黄を余すことなく使おうという経緯から卵黄のみで作るプリンが誕生。
そこから卵黄でプリンを作ったら卵白を入れるより美味しいことに気づき、卵黄のみのプリンの試作をスタートしたんだそう。時間ごとに炊く温度を変え、細かく調整。作ってから提供するまでに三日間もかかるプリンは、パティシエのこだわりが込められています。
味はエッジが立った見た目からは想像できないぐらい、中はなめらかな口溶け。バニラビーンズのリッチな味わいに、ほろ苦いカラメルは、何度でも食べられるクラシック系のプリン。
新作の「クッキーサンドアイス」。
お店のロゴマークであるクマのクッキーに自家製バニラアイスがたっぷり入った一押し商品。
クッキーの絶妙なほろほろさとバニラ感たっぷりの冷たいアイスクリームとの相性抜群で何個でも食べられる味わいです。
副業感覚で始めたオンライン販売。その人気は収まることなく半年で実店舗をオープンさせた「バターマスター」。店内デザインからお菓子まで何から何までこだわられた代田橋のくつろぎの場所です。
About Shop
「バターマスター」
東京都杉並区和泉1-23-17
営業時間:12:00~18:00(LO.17:30)
定休日:なし
公式Instagram
Takuma
インスタグラマー
都内のパティスリーやホテルのカフェを中心に巡り、その美しい写真と丁寧な文章にファンも続々。パティシエ界や編集長も注目のウフ。スイーツ男子部第一号
Instagram(@k.takuma.happy)
Photo & Writing / Takuma
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