お出かけついでに家族で、学校や仕事帰りに友人と、休日に本を読みに一人で。様々なシーンでふらっと立ち寄りたくなる喫茶店は、珈琲を愛するものも、そうでないものにとっても、心の拠り所。
そんな「喫茶店」の文化を積極的に発信しているのが、人気クリエイターユニット「空想喫茶トラノコク」さん。(@toranocoku)SNS上で、喫茶店の美しい写真やオリジナルレシピ、オススメの喫茶店情報を発信し、“空想喫茶”を開店しています。3冊目となる書籍『東京を旅する 異世界喫茶店めぐり』を発売するこのタイミングで、喫茶店の楽しみ方について教えてもらいました。喫茶店メニューをスマホで撮る方法も伝授!
<目次>
・人気クリエイター「空想喫茶トラノコク」の正体
・喫茶店の楽しみ方①“異世界感”を楽しむ
・喫茶店の楽しみ方②いつものメニューをこだわりの珈琲と
・喫茶店の楽しみ方③ひとり時間を堪能する
・喫茶店の楽しみ方④タイムスリップ気分を味わう
・スマホで喫茶店メニューを上手に撮る方法とは?
・喫茶トラノコクが最も愛する喫茶店とは?
空想喫茶トラノコクさんの活動がスタートしたのは2019年夏頃。喫茶店を愛する元同僚の3人がなんとなく集まり、はじめはサークルのようにSNS活動を始めたのだとか。美大やメディア出身の彼らが創り出すのは、アートのように美しく丁寧なクリエイティブばかり。少しずつフォロワー数が増えていき、Twitterアカウントのフォロワーは現在約14万人に。
「今回の書籍づくりで喫茶店の方々と話して改めて思ったのは、喫茶をより多くの人に知ってもらいたい、長く残したいということ。僕らの発信を通して、喫茶店の雰囲気が好きだなあと思ってもらったり、実際に足を運んでもらえたら幸せだな、という想いで日々発信を続けています」。
ちなみに、「トラノコク」という名前は、十二時辰の午前4時ごろを指す「寅」の刻から。空想喫茶トラノコクを出る頃には、日の出のように心も明るくなってほしいという願いからつけられたそうです。
そんな喫茶店をこよなく愛する彼らならではの、喫茶店の楽しみ方を4つ教えてもらいました。
トラノコクさん「まず味わってほしいのは、喫茶店に足を踏み入れた時の、別の世界に迷い込んだような“異世界感”。喫茶店は、ランプやテーブル、椅子などのインテリアや、時間を彩る音楽など、その店のマスターがこだわり抜いて選んだものが集まり、ひとつの世界になっています。この独特の世界観に浸りながら珈琲を飲んでくつろげば、不思議と時間がゆっくりと感じられると思います」。
トラノコクさん「喫茶店で食べられるメニューは、トーストやサンドイッチ、パスタなど、基本的に軽食。おうちで作れるものも多いですが、そのお店の世界観のなかで、マスターが淹れてくれる珈琲と一緒に頂くだけで、いつもよりちょっと美味しい気分になります」
「また、お店によって珈琲の淹れ方、こだわりポイントが違います。焙煎機が店内にあるところもあれば、サイフォンやイタリアから輸入した珈琲マシンを使っているなど様々です。長年培ったマスターの抽出技術が光っていたり、珍しい品種の珈琲が飲めるなど、おうちではなかなかできない珈琲体験ができるのも魅力ですね」。
トラノコクさん「家族や友人と過ごす時間はたのしいけれど、たまに一人時間が恋しくなりませんか?喫茶店は、そんなときにぴったりの“第三の居場所”。静かな近所の喫茶店で読書に没頭してもいいし、クラシックやジャズが流れる名曲喫茶に行ってぼーっと音楽に浸るのもいいかもしれません」。
トラノコクさん「これも一種の“異世界感”ですが、昔ながらの昭和レトロな喫茶店に入れば、タイムスリップしたかのような非日常気分が味わえます。固めのプリンや生クリームたっぷりのパフェなど、昔なつかしいメニューを食べながら、『SNSのない時代、このメニューはどう評判になったんだろう?』なんて考えながら食べるのも楽しいですね」。
TwitterやInstagramの写真、Youtubeでアップされる動画が美しすぎると話題になる空想喫茶トラノコクさん。愛する喫茶店でお気に入りメニューを写真に残したい時のコツを聞いてみました。
トラノコクさん「スマホでは、メニューに寄った撮影がしやすいので、涼やかなグラスの霜や、きらきらした氷の質感にフォーカスして撮ってみると面白い写真が撮れると思います!」
「テーブル全体を映したい時は、テーブル、物、背景を水平にすると、写真のクオリティがぐっと上がって見えますよ」。
またトラノコクさんが気をつけているのは、きちんとお店に許可をとって撮影することだそう。撮影禁止のお店もあるので、お互い気持ちよく過ごすためにぜひ一声かけて撮影してくださいね。
今回発売する書籍『東京を旅する 異世界喫茶店めぐり』は、空想喫茶トラノコクさんが3年もの歳月をかけて巡った都内75か所の喫茶店を紹介する喫茶店ガイド。その中から、最も愛している喫茶店のひとつをお伺いしました。
トラノコクさん「表紙にもなっている、吉祥寺の商店街にある『くぐつ草』はぜひ訪問してほしい一軒です。昭和54年から40年以上愛され続ける老舗の喫茶店なんです」
「地下空間に降りて扉を開けた途端、まるで洞窟に入ってきたかのような異世界感がたまらないんです! 珈琲だけにしようかな、と思いつつ、ついついカレーまで注文してしまいますね(笑)」
いかがでしたか?今年の夏は、喫茶店を巡り、様々な世界を旅してみてはいかがでしょうか。忙しい日々の中、あなたの心の拠り所になる場所をぜひ見つけてください。
<書籍詳細>
・『東京を旅する 異世界喫茶店めぐり』(KADOKAWA)
・価格:1650円(税込)
・発売日:6/2(金)
https://www.amazon.co.jp/dp/4046063114/ref=cm_sw_r_as_gl_api_gl_i_312HA4GHXJ5EBE5RKJQR?linkCode=ml1&tag=toranocoku09-22
写真提供/空想喫茶トラノコク Writing/Nanako Maeda
注目記事