今回紹介するのは2022年10月、東京の下町・湯島にオープンした『de bonne augure(パティスリー ドゥ ボンヌ オーギュル)』。口コミから急速に広まり、オープン半年足らずで注目を集める店となりました。
そんな『ドゥ ボンヌ オーギュル』のシェフを勤めるのは、都内有数のラグジュアリーホテルでエグゼクティブペストリーシェフを勤め、数々の全国大会で受賞経歴を持つ鈴木崇志シェフ。そしてなんと、今年2023年5月に行われたG7広島サミットで、各国の首相にふるまうスイーツを担当した方なんです。
今、最も注目すべきパティシエ鈴木シェフが作る、『ドゥ ボンヌ オーギュル』ならではの素材感たっぷりスイーツを紹介します。
梅の形をしたなんとも古風でかわいらしい「もなかマシュマロ」。鈴木シェフが独自に生み出した和洋折衷菓子です。最中で有名な石川県・金沢の最中皮を使用。中には弾力のあるマシュマロが入っており、フルーツの爽やかな味わいが楽しめる、珍しいギモーヴです。
定番の6種類はラズベリー、塩レモン、パッションフルーツ、ブラッドオレンジ、キウイ、カシス。さらに季節に合わせたフレーバーが常に1~2種類あり、手土産にもぴったり。
試しにラズベリー味の「もなかマシュマロ」を切ってみると、ベリー色のマシュマロが登場。その中からコンフィチュールが溢れます。食べると、サクっとした最中の香ばしい香りが鼻腔を通ります。
ギモーヴならではのモチモチとした食感を活かしつつ、それぞれの素材を十分に味わえるよう温度や糖度を厳密に管理しているんだとか。
鈴木シェフにとって『ドゥ ボンヌ オーギュル』は、初となる実店舗。自分の店を持とうと決めて以来、店の定番菓子の開発に悩み続けたそう。そんな中、ふと職人の街である石川県・金沢に訪れた際、出会ったのが最中だったんだとか。
縁起の良い花として古くから知られる梅の花。その姿を模した「もなかマシュマロ」は、試行錯誤を繰り返し生まれた『ドゥ ボンヌ オーギュル』の名物商品です。
梅を使用したお菓子がもうひとつ。「だるま」は梅やフランボワーズ、アプリコットといった、全てバラ科の素材を使用したムースケーキ。梅の名所、湯島天神にあやかり、縁起の良い“だるま”をモチーフにした、こちらも『ドゥ ボンヌ オーギュル』ならではの一品です。
一番下には、クレープ生地をカリカリに焼いたフィヤンティーヌとアーモンドのビスキュイ。梅酒のムースの中には、梅酒とラズベリーのジュレ、アプリコットのジュレが入っています。
全体的にさっぱりとした印象で、ジュレは果実味がありつるんとしたのど越し。ケーキでありながらまるでゼリーを食べているかのような爽やかさがあります。
『ドゥ ボンヌ オーギュル』では定番商品以外にも季節に合わせたスイーツがあります。そんな中で今一番人気を集めているのが「季節のパフェ」なんだとか。
暑さが増してきたこの時期、最後まで爽やかな味わいを楽しんでもらいたいと、4種類のトロピカルなフルーツをふんだんに使用。
フレッシュマンゴーにパッションフルーツをたっぷりとかけたジューシーなパフェ。トップにはココナッツのメレンゲ、生クリーム、エディブルフラワーが飾られ、なんだか常夏の楽園に来た気分になれるひんやりスイーツです。
グラスの中は、一番下からパッションフルーツとマンゴーのソース。その上にココナッツムースとパイナップルのコンポートをIN。パンナコッタが上段に加えられ、ミルキーさが全体の爽やかな味わいを可憐にまとめています。
実はこちら、洋菓子コンクールで受賞したパフェをアレンジしたものなんだとか。縁起の良さと納得の味を併せ持った必食の1品です。
オープンして日が浅い中で、次々と反響を生んでいる『ドゥ ボンヌ オーギュル』。既に地元の人から愛され、中には週に3回以上来店する常連さんもいるんだとか。
そして鈴木シェフの挑戦はまだまだ続きます。取材時に目先の目標として語ってくれたのはなんと、G7広島サミットで各国の首相が集まる食事会のスイーツを担当するという大仕事。今後、同じものを『ドゥ ボンヌ オーギュル』のラインナップに入れる予定だそう。
鈴木シェフはお店についてこう語っています。
“『ドゥ ボンヌ オーギュル』はフランス語で「縁起の良い」の意訳。僕はご縁をとても大切にしています。こうした大きな仕事をいただけたことも、現在お店を出すことが出来たことも、全てはご縁があったからこそ。店を持つことで良い縁を波紋のように広げられたらと思っています”
今後の更なる活躍に目が離せません。
About Shop
de bonne augure(パティスリー ドゥ ボンヌ オーギュル)
東京都文京区湯島2丁目23−13 グレースカトレア 1F
営業時間:10:00~11:00
定休日:水
About Shop
園果わたげ
ウフ。編集スタッフ
ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。
注目記事