9月に入り暦の上ではとっくに秋。しかしまだまだ暑い日が続きます。
なかには、夏休み気分が抜けない人もいるのでは?
今回は、そんな連休を恋しく思っている人のために企画したドルチェ特集。王道ドルチェから、日本では珍しいものまで種類も特徴もさまざまなスイーツが全7種類登場します。
ティラミスはもちろんのこと、昨年はマリトッツォ、今年はカンノーリと、いままで日本では次々とイタリアンブームを起こしてきたイタリアンドルチェ。記事内で紹介する中にもネクストブレイク目前のものがたくさん。
イタリアは北から南まで。旅行気分を満喫できる最高のドルチェが目白押しです!
〈目 次〉
・日本発上陸?!“おっぱい”を意味するドルチェ「「ソスピーリ」【ドロゲリア サンクリッカ】(白金)
・これぞ本場の味。「ティラミス」をちゃんと味わいたいならここ一択【ドロゲリア サンクリッカ】(白金)
・ネクストブームはアメリカン・イタリアンな伝統ドルチェか?!文化の交錯が生んだ「バーカロ カンノーリ」【IL BACARO ALMA (イル バーカロ アルマ)】(室町)
・イタリアの日常生活を体感。イタリア人も愛する手頃で美味しい「ベリー アーモンドビスコッティ」と「ベリー チョコチップビスコッティ」はコーヒーやワインと一緒に【カルディコーヒーファーム】(全国)
・流行っているからこそ知りたい、万人受けの1品!北海道の大地が生んだ「十勝ジャージーカッサータ」は誰もが愛する味わい【ジャージーブラウン】(取り寄せ)
・多くの著名人が愛した老舗の味。“固めプリン×レトロ”の組み合わせを生んだ【キャンティ 飯倉片町本店】(麻布台)の「キャンティ特製カスタードプリン」
「ドロゲリアサンクリッカ」は、食材の宝庫と言われるイタリア・マルケ州で生まれ育ったマッテオ・サンクリッカ氏が手掛けるイタリア輸入食料雑貨店。“本物は、美味しく、美しい”という信念のもと、無添加で高品質な食材を取り揃えています。
そんなマッテオ・サンクリッカ氏が旅をしているときに、イタリア南部のプーリア州で出会ったのが「ソスピーリ」です。
ソスピーリ誕生の起源は、いまから500年以上前のビシェーリエ。貴族2人の結婚式にサンルイージの修道女がこのドルチェを用意したのだとか。
また、別名“修道女のおっぱい”とも呼ばれるソスピーリは、発明したパティシエが愛した女性を想って作られたとも言い伝えられています。
「ドロゲリア サンクリッカ」は、日本におけるアンバサダーの認定をソスピーリ協会から受けている唯一のお店。その土地の食材から最高のものを選び、料理に活かす考えから、茨城県産の奥久慈卵を使用しています。コクのある卵で作るしっとりなめらかなカスタードにはレモンを忍ばせ、さっぱりとした後味に。
カスタードクリームを覆うスポンジ生地は想像を遥かに超える柔らかさです。真っ白な見た目やソフトな食感は、確かに若く美しい女性の胸のよう。南イタリアらしい情熱と、美しい自然を彷彿とさせる1品です。
「ソスピーリ」 400円
About Shop
ドロゲリア サンクリッカ
東京都港区白金1丁目5−7
営業時間:8:00~19:00 金・土曜日~20:30
定休日:水曜日
「ドロゲリア サンクリッカ」でもうひとつ食べるべきドルチェが「ティラミス ロサンナ」です。マッテオ・サンクリッカ氏にとっても思い入れの強いドルチェのひとつ。“ロサンナ”は、彼の母親の名前から付けたそうです。
本場にこだわった同店のティラミスは、“今まで食べてきたものは何だったんだ!”と叫びたくなる美味しさ。
それもそのはずで、「ティラミス ロサンナ」の核となるマスカルポーネはマッテオ・サンクリッカ氏が自ら試行錯誤し、10種類以上の中から選抜。“この上ないチーズとレシピ”を目指したそうです。
「ドロゲリア サンクリッカ」の「ティラミス ロサンナ」のキーワードは“コク”。
奥久慈卵の卵黄のみを使い、さらにティラミスでは珍しいバターを合わせます。そうすることでより、濃厚でリッチな味わいに。決め手となるココアは、風味豊かな「マルコ コルツァーニ」のものを使用しています。
食べた時に感じる、マスカルポーネチーズのほのかな酸味、クリームのほどよい甘さとなめらかなくちどけ、そしてエスプレッソコーヒーの芳ばしい苦み。それら全てが合わさり美しい味覚のコードを鳴らします。
イタリア北部・ベネチアで誕生したといわれるドルチェ“ティラミス”。歴史的文化と芸術的教養に長けた土地らしい、創り込んだ職人のドルチェを堪能できます。
「ティラミス ロサンナ」750円
新たなドルチェブームが期待されるなか、その候補として定評がある「バーカロ カンノーリ」。イタリア南部の伝統菓子です。“カンノーリ”とは“小さな筒”を意味するイタリア語。小麦粉ベースの生地を金属の筒に巻きつけて油で揚げ、その中にリコッタチーズベースのクリームを詰めたお菓子で、季節菓子として知られています。
「IL BACARO ALMA (イル バーカロ アルマ) 」では、ひとつひとつペーパーに包んだスタイルで提供。ついついそのままパクリといきたくなる素朴さです。
“カンノーリ”はイタリア系アメリカ人が好んで食べるというドルチェ。
「バーカロ カンノーリ」の生地は大ぶりな味わいで、中に絞ったクリームをより繊細に映し出します。味の決め手となるチーズには、イタリア・ステリルガルダ製のリコッタチーズを使用しているそうで、爽やかな香りが口いっぱいに広がります。
いままでにブームとなったパンナコッタやティラミスとは全く異なるニュアンスをもつ今回のスイーツ。ちょっぴりジャンキーな気分の時にチョイスしたい1品です。
「バーカロ カンノーリ」:1個 680円 / 2個 1,200円 / 3個 1,700円
About Shop
IL BACARO ALMA (イル バーカロ アルマ)
東京都中央区日本橋室町1丁目5番5号 コレド室町3 1階
営業時間:11:00〜22:30 (L.O. 22:00) ※テイクアウト販売時間 : 11:00〜22:00
時間帯変更:月曜11:00〜17:00
ドルチェはなにも、かしこまって食べるスイーツではありません。むしろ、近所のカフェで気が向いたときにさらっと食べる日常菓子。そんなお洒落なイタリア人のように、ドルチェをもっと身近に感じたいのなら「カルディコーヒーファーム」が取り扱うベリーの“ビスコッティ”。手頃に食べられる本格派ドルチェです。
“ビスコッティ”が誕生したといわれるトスカーナ地方。その州都フィレンツェ創業の老舗焼き菓子メーカー「ベリー」の“ビスコッティ”は創業者の祖父から受け継いだレシピだそう。
2度焼きの意味をもつイタリア伝統のビスケットは、固くがりがりとした食感が特徴です。「ベリー」の“ビスコッティ”は、イタリア・トスカーナの食品基準IGP基準よりも、バターと卵の割合が少し多め。そうして固さをセーブすることで食べやすく、生地に練り込んだナッツやチョコレートの味わいも楽しめます。
「カルディコーヒーファーム」では「ベリー アーモンドビスコッティ」と「ベリー チョコチップビスコッティ」の2種類を扱っています。
そのまま食べるのはもちろん、イタリアの習慣にならってコーヒーやカプチーノに浸して食べても美味。コーヒーをたっぷり染みこませれば、コーヒーの芳ばしい苦みと“ビスコッティ”のバターの香りが広がります。
休日ならば、赤ワインと合わせて食べるのもお洒落。浸すことで今まで感じられなかった赤ワインの香りや味わいを、異なるテクスチャーで楽しむことができます。
「ベリー アーモンドビスコッティ」:429円
「ベリー チョコチップビスコッティ」:429円
About Shop
全国のカルディコーヒーファーム
※店舗によって販売状況が異なります
最近コンビニでも販売されるようになった“カッサータ”。
南イタリアに位置するシチリアの伝統菓子で、正式には“カッサータ・シチリアーナ”と呼ばれます。基本はチーズクリームをベースに、果物や、ナッツを型に折り込んで冷凍したアイスケーキ。
クラシックなものでは、カラーリングしたマジパンと果物の砂糖漬けで飾り付けをします。日本では、この鮮やかな色合いを、色とりどりのドライフルーツやナッツと真っ白なクリームとの対比で演出するのが一般的。
「十勝ジャージーカッサータ」は、まさに素材を活かしたアレンジが気の利いた一品です。通常の酪農牛よりも身体の小さなジャージー牛のミルクをふんだんに使った、知る人ぞ知る北海道の名品。
100%北海道産のクリームチーズ、生クリーム。そしてジャージー牛からとれた牛乳と飲むヨーグルトを独自の配合で組み合わせた特製クリームは濃厚で程よい酸味が後を引きます。
香りや味にクセがなく、アイスクリームよりもさっぱりとした印象の「「十勝ジャージーカッサータ」は、誰もが楽しめる味。中に詰まった果肉の食感が何度でも美味しい1品です。
About Shop
ジャージーブラウン
公式オンラインショップ
1960年開店以来、多くの著名人に愛され続けている老舗イタリアン料理店「キャンティ」。その魅力のために多くの常連客が足しげく通います。60年以上続く歴史のなかでは、川端康成に並ぶ昭和の大御所作家の三島由紀夫や、ユーミンの愛称で今も多くのファンをもつシンガーソングライター松任谷由実も通います。
「キャンティ 飯倉片町本店」は東京の、時代を代表する才能の持ち主が集うお店。そんな伝説的なお店ではもうひとつ、伝説が。それは創業当時から変わらない味を保ち続ける「キャンティ特製カスタードプリン」です。
レストランのデザートとして提供されていた「キャンティ特製カスタードプリン」は、創業者で希有な国際人と言われた川添浩史が“本場の味をお客様にも楽しんでもらいたい”と工夫したドルチェ。
奥久慈卵をたっぷりと使用した「キャンティ特製カスタードプリン」は、濃厚でちょっぴり固めです。ふっくらと包み込むような甘さのカスタードに合わせるのは、ほろ苦いカラメル。
生クリームとラム酒を効かせたレーズンが、こだわり抜いたカスタードプリンに深みを足し、大人向けの味わいに。
“お客様が、いついらしても変わらない味でお出迎えできるように”と作られた味は、どこか憧れすら感じる、愛すべき一皿。コーヒーに合わせるのはもちろんですが、食後にいっぱいのワインと一緒に楽しみたい大人のための「イタリアンプリン」です。
「キャンティ特製カスタードプリン」:950円
About Shop
キャンティ 飯倉片町本店
東京都港区麻布台3-1-7
営業時間:「アル・カフェ 1F」11:30 ~ 23:00(L.O food 21:30 / drink 22:00)
定休日:なし
「一概には言えませんが、イタリア北部はバターを多く使用した『バター文化』が目立ちます。また、イタリア南部はオリーブオイルを使用したスイーツが多いです」
と「ドロゲリア サンクリッカ」のマッテオ・サンクリッカ氏は語ります。
日本のように南北に長いイタリアは、食材だけでなく調理や趣向といった文化の違いも面白さの1つ。次はどんなドルチェが日本で流行るのか、実際に食べ歩きをして予想するのも楽しみ方です。
次の休日には、ドルチェを通してイタリア旅を味わってみてはいかがでしょうか。
園果わたげ
ウフ。編集スタッフ
ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。
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