突然ですが、ナッティ、フルーティ、フローラル、スパイシーという言葉を知っていますか?
ワインの味を表現するときにも使われるこの4つの単語。じつは、チョコレートの個性を表現する重要なキーワードでもあります。
前編では、「明治 ザ・チョコレート」シリーズ誕生と、カカオ原産国の深い関係について取材し、“もっと美味しいチョコレートをつくる”という考えのスケールの大きさに驚き、食べるだけでは分からない明治のチョコレートの凄さを知ることができました。
次に気になるのはチョコレートの味の違い。
後編では引き続き、「明治 ザ・チョコレート」を担当する鐘ヶ江さんに解説してもらいながら、「ビーントゥーバー」の個性的な風味や味の違いを徹底解説してもらいます。
2016年のリニューアル発売時にTwitterでも話題になった“お洒落パッケージ”など、「明治 ザ・チョコレート」シリーズの歴代パッケージについても紹介。
おとなのための嗜好品として、趣味にもできちゃうチョコレート。ワンランク上の楽しみ方を一緒に、身につけちゃいましょう♡
明治の社員自ら、カカオ産地の農家を訪問するようになってから、約8年かけて誕生した「明治 ザ・チョコレート」シリーズ。
そのデザインを振り返ると現在とは異なる印象です。
2014年販売直後の「明治 ザ・チョコレート」は2種類。背景には原料であるカカオの実の写真が入っています。商品名“THE Chocolate”と“香るカカオ”の文字が書かれた正方形のパッケージ。
現在販売されているパッケージのようなクラフト感や、生産国をイメージさせるイラストはありませんでした。
2016年に入り、デザインを一新。味だけでなくデザインの面でも注目され、革命的ヒットを生み出しました。
クラフト感のある茶色の背景に、チョコレートの味をイメージしたデザインが、印刷された“お洒落”なデザインが目を引きます。
2017年にグッドデザイン賞も受賞したこのパッケージデザインは、メモ帳や小物入れにアレンジする人なども現れTwitterを中心に“映える”とバズりました。
そんな、味以外にもこだわる「明治 ザ・チョコレート」シリーズは、2020年9月に再、再リニューアル!ワインコルクのような背景は南米の肥沃な大地を表現しているそう。
「明治 ザ・チョコレート」シリーズのトレードマークともいえるカカオの実のデザインが変わって、南米の明るく陽気なイメージが伝わってきます。
デザインのことを知ったら、次はそれぞれの味の違いが気になります。「自分の好みの味を買いたい」という方も多いはず。そこで、味の違いを詳しく教えていただくことに。
今回は、それぞれのパッケージと味の特徴についてのコメントを一覧にまとめました。
ぜひ、「明治 ザ・チョコレート」シリーズを買うときの参考にしてみてください♡
「『ベネズエラ』はナッツのような風味が特徴的です。口の中で溶かすことで少しづつ味の変化が楽しめます。
最初は紅茶葉のような芳醇な香り。次いでミルクティーのような甘い香りが広がります。徐々にアーモンドやピーナッツのような香ばしい香りが加わり、芳ばしさが後味にのこります」
パッケージは、ベネズエラの太陽と自然を表現しているそうです。さわやかな青色と、オレンジのコントラストからは、仕事で疲れた時にも「さあ、がんばろう」と一押ししてくれるエネルギーを感じます。
「『ブラジル』はフルーティな香りと味わいが特徴です。オレンジやレモンの皮のような酸味と渋み、そして最後は、ほのかな木の香り(ウッディ)で終わります。」
パッケージは、グリーンとイエローで、誰もがひと目でわかるブラジルカラー。カカオの実に隠れている大きな動物の正体は、“トゥッカーノ”という国を代表する鳥だそうです。
「『ペルー』は香りの高さが魅力ですね。ジャスミンティーを飲んだ時のような華やかな花のような香り(フローラル)が鼻を抜けていきます」
バレンタインを思わせるピンク色のパッケージ。カカオの実に描かれているのは、ペルーの民族衣装をイメージした柄とアルパカなんだとか。かわいいという言葉がぴったりです。
「『ドミニカ共和国』は、濃厚な味わいです。シナモンやクローブのようなスパイシー感とドライフルーツのような酸味、スモーキーさが次々あらわれ、シリーズの中では一番大人な印象を受けると思いますよ。」
ドミニカ共和国はカリブ海に浮かぶ島で、南国のリゾート地としても有名。パッケージは、島に咲く花や島国ならではの青い空をイメージしているそう。
大きな葉っぱに、ハイビスカスのような赤いデザインが映え、南国の穏やかビーチが思い浮かびます。
ベネズエラとブラジルにはカカオ分55%のチョコレートがあるので、その時の気分で甘さを選べるのも嬉しい。このカカオ55%とは、甘さとカカオの程よい苦さの両方を感じられるバランスなのだとか。
パッケージはバックカラーのブラウンが薄くなって、ライトな雰囲気です。味もカカオ70よりも甘さがあり、まろやかな味わい。カカオ分が高いチョコレートが苦手な人にもぴったりです。
説明を受けた後に、改めて「明治 ザ・チョコレート」シリーズを食べてみると、“なるほど、こうしてチョコレートを楽しめばいいんだ!”と納得。食べた時に感じる味の印象が明確になり、説明に対する“確かに度”が上がりました。
パッケージデザインや味わいの説明を見ながらチョコレートを食べると、生産国をもっと身近に感じられるかもしれません。
甘くておいしいチョコレートの世界はまだまだ深い。
“ビーントゥーバーチョコレート”は作り手のこだわりが強いからこそ、専門家や本当に味がわかる人じゃないと、食べてはいけないような感覚があります。
でも、もっといろいろな人にチョコレートの面白さを知ってほしいと鐘ヶ江さんは語ります。
「『明治 ザ・チョコレート』シリーズは嗜好品として、おとなが楽しむチョコレートになればいいな、と思っています。まだまだ知られていない側面が多いチョコレートですが、ワインのようにその時の気分や好みに合わせてチョコレートを選ぶ面白さは、どなたでも楽しめる世界なんです」
チョコレートの味や風味を表現するときに使われるナッティ、フルーティ、フローラル、スパイシーという4つの香味表現は、コーヒーやウイスキーにも似ています。
正直なところ、チョコレートの味の違いなんて本当にわかるのか不安だった筆者のわたげ。チョコレートの味覚表現を言葉とカテゴリーによって教えてもらったことで、“なんとなく味が違う”という感覚から、もっとクリアな印象で味を認識できるようになり、チョコレートがもつ面白さを何倍も体験できました。
興味をもったときこそがタイミングとなる、ビーントゥーバーの世界。「明治 ザ・チョコレート」シリーズをきっかけに、クラフト・チョコレートを大人の趣味のひとつに加えるのも素敵ですね。
協力
株式会社 明治
お問い合わせ:0120-041-082
受付時間:9:00~17:00(土日祝日、年末年始除く)
園果わたげ
ウフ。編集スタッフ
ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。
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