日本で最も古い神社の一つとして知られる、三重県・伊勢神宮。その伊勢名物土産と言えば「赤福餅」です。300年以上変わらず、お伊勢参りに来た人の疲れを癒やす場として親しまれてきた本店は、今も伊勢神宮内宮の門前町に茶屋として、つくりたての「赤福餅」と番茶で参拝客をもてなしています。
そんな赤福から今年2021年10月に宅配限定で販売され、ブームとなっているのが「白餅黑餅」です。味はもちろん、お洒落で粋な見た目は、歴史のある赤福の新しい挑戦を感じる一品。今回は、味や見た目から赤福の歴史まで、「白餅黑餅」を軸に、取材と実食を通してお伝えします。
キーワードは「架け橋」。
知らなくても美味しい赤福餅。でも、知っていたらちょっと見方が変わるかも。
そんなお話です♡
「白餅黑餅」は、「赤福餅」と同様に折箱が和紙に包まれた状態で届きます。
丁寧に蓋を開けると、きめ細かくなめらかなあんこで均一に形作られた、2色のあんころ餅がお行儀よく二列に並んで顔を覗かせます。
白と黒のあんこに包まれたお餅が交互に収められ、作られる鹿の子柄はとってもモダンでお洒落。昔から、お宮参りには鹿の子柄の着物がよく選ばれることからも、縁起が良さを感じられます。
シルクのようにきめ細かく、整った黒砂糖味のあんこにお餅が包まれた姿が気品に満ちた「黑餅」。
赤福創業の江戸中期は塩味だったという「赤福餅」。その後、一般的に砂糖を使用した甘いお菓子が出回るようになりました。そして明治時代まで、黒砂糖味だったという「赤福餅」のあんこを再現したのがこの「黑餅」だそうです。
ひとつ食べてみると、口に入れるまでは分からなかった黒砂糖の風味がやわらかく口から鼻に抜けます。深い甘さと、きめ細かでさらりとしたあんこは、赤福自慢のやわらかいお餅にぴったりです。
折箱の中身に「黑餅」を選んだ理由を聞くと、「黒砂糖味のあんこというのは、私どもにとって、現在の『赤福餅』の原形とも言える大事にしたい味です」とお答えいただきました。「黑餅」は、赤福の歴史を語る味なのですね。
「白餅」の見た目は赤ちゃんの肌のように白く優しい印象です。「黑餅」を男性とするなら、「白餅」は女性。繊細さと包容力を感じる味わいがあります。
通常、白あんには、大手亡豆という白いんげん豆の一種で、加工がしやすいものを使用します。しかし、「白餅」のあんこは、北海道産の白小豆を使用することで、さっぱりとしてなめらかな舌触りに仕上げているそうです。
食べると、「黑餠」よりも甘さは控えめです。その分、今まで意識していなかったお餅のやわらかさやあんこのスムーズな舌触りが、五感の中にすとん、と現れて「和菓子っていいなあ。」と和心を刺激する、そんな一品です。
白餅の誕生秘話について聞くと、「2017年に開催された『お伊勢さん菓子博』の会場限定で販売した『祝盛(いわいぼん)』がきっかけで誕生しました。みなさんから大好評の声をいただき大変嬉しく感じたのを覚えています」と教えてくれました。赤福にとって「白餅」は新しい風を感じる商品だったのですね。
赤福の歴史の味「黑餅」と、新しい時代を象徴する「白餅」。そのふたつを折箱に詰めることで伝わるのは正に“時代の架け橋”です。コロナ禍で暗い気持ちになっている中、少しでも明るく前向きな気持ちになってもらいたい、と想いを込めて作られた折箱は、新年の手土産にぴったり!
久々に帰省する人、家族におひとついかがでしょうか♡
白餅黒餅(8個入) 1,000円(税込み)※別途送料
About Shop
赤福オンラインショップ
お問い合わせ:0596-22-7000(総合案内)
営業時間:9:00~17:00
定休日:なし
園果わたげ
ウフ。編集スタッフ
ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。
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