パンの魅力に取り憑かれた女子大生まつこが『一流パン職人が本気でおすすめするパン屋さん』をテーマに、インタビューを行いリレー形式で繋いでいく連載企画の第二弾。初回は代々木上原の名店マンマーノからスタート。マンマーノのシェフの毛利さんおすすめのお店として選ばれたのは、三鷹にあるトーホーベーカリー。今回はトーホーベーカリーのシェフ松井さんにインタビューを行い、お店のこだわりや想い、おすすめのパン屋さんを伺ってきました。
そのように語るのは、三鷹のパンの名店「トーホーベーカリー」の店主の松井成和さん。トーホーベーカリーは昭和26年開業、2021年12月には創業70年を迎える老舗ベーカリー。店内には常時100種類ものパンが並び、焼き立ての美味しさを子どもから大人まで楽しめます。パンの製法にとことんこだわり、ホシノの天然酵母や自然酵母のルヴァン種などを取り入れ味わい深いパンを追求しているそうです。
「実は、今のようなスタイルで販売を始めたのは18年ほど前からなんです。それまでは小さなお店だったので、店頭に並ぶパンの種類が少ない上、出来立ての美味しさも追求できていなくて。正直、これといった強みが無かった。そのためか、当時はお客さんの数が少なかったですね(笑)。特に少なかったのが夕方以降。3時ごろでぱったりとお客さんの足が止まってしまうのが悩みでした。」
「このままではいけないと思い、思い切って店舗をリニューアル。店内が広くなったおかげで、たくさんの種類のパンを置けるようになり、これまで以上にパン作りに力を入れました。こだわったのは、朝から晩まで『焼きたて・揚げたて・作りたて』を提供するという点。クローズの10分前であっても明太フランスを焼いたり、カレーパンを揚げたりして、お店にいらしたお客様がいつでも出来立ての美味しさに出会えるように心がけています。」
「その想いが届いたのか、今では夕方以降もたくさんのお客様がお店に足を運んでくれます。正直なところ、100種類ものパンを常にお店に並べるのはなかなか大変なこと。でも、お客様に『種類が少なくなったわねー』なんてがっかりさせたくないという一心でパンを焼き続けています。」
「『昭和のぬくもりを残しつつ、新作パン作りにも意欲的なパン屋』というのがウチのコンセプト。昭和のころのパンの形を残しながらも、現代の技術や素材を取り入れていく。昔のぬくもりを感じながらも、食べた瞬間に今のテイストの感動に出会えるような。そんなパン屋として、日々進化し続けることを大切にしています。」
「今後は、ベーカリーカフェのようなお店の形態も考えています。お店のテラス席を使ってパンのアレンジメニューを提供したり、こだわりのコーヒーを淹れたり。お客様に対して、パンでのライフスタイルのひとつの在り方を、工夫して提供していきたいですね。」
「私が本当におすすめしたいお店は、『サンセリテ』さん。日本のパンの一番を競う『ベーカリー・ジャパンカップ』の食パン部門で優勝されたことのある、実力派のパン屋さんです。口に入れた瞬間に、びっくりするほど美味しくて感動したのを覚えています。天然酵母ならではの、奥深いパンの味わいが楽しめるんですよね。」
「一番感動したのは、クロワッサン。こんなに美味しいクロワッサンは今まで食べたことがなかった。こちらのクロワッサンは、バリバリ系ではなくソフト系。でも、ただソフトなのではなく、クロワッサンの味わい深さ、奥深さがすごいんです。油脂とパンとのハーモニーが本当にいい加減で出来上がっているので、単体でもぺろりといけてしまう美味しさです。」
ホシノの天然酵母を使用し、3日間かけて完成するクロワッサン。作る上で「あえてこだわりを捨てた」のだとか。というのも、ホシノの天然酵母は油脂に弱い性質があるから。そこでイーストとの併用することで、小麦の奥深い味わいと発酵バターの香りを最大限活かしたクロワッサンに仕上げたそうです。
次回は、トーホーベーカリーの松井さんにおすすめしていただいたサンセリテのシェフ、高田さんに「パン職人が本当におすすめしたいパン屋さん」をお聞きしてきます。
松井シェフを唸らせた、クロワッサンの誕生秘話を聞きたくてうずうずしているまつこです。
About Shop
トーホーベーカリー
東京都三鷹市下連雀1-9-19
営業時間：7：00～18：00
定休日：日曜日・祝祭日 第3月曜日
まつこ
新米ライター・パン好き爆食女子大生
女子大生ながら、企業で取材記事を執筆するなど新米ライターとして活躍＆日々勉強中。かなりの大食いで爆食女子と呼ばれ、たくさんのパンを食べるので本当に美味しいお店に精通。お店の前でパンを撮影する#まつこ撮りでパンインフルエンサーの間で話題にも
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