今回お話を聞いたのは、プリンへの愛情は日本一!と言っても過言ではないくらいプリンをこよなく愛するプリン研究家の、通称〝プリン王子〟。SNSでプリンの魅力を発信し続け、その説得力にスイーツ好きから厚い信頼を寄せられながら、プリンのように甘いビジュアルも女性ファンの心を掴んでいる様子。
今回は、そんな今いちばんプリン界で注目を浴びているプリン王子に、プリンへの愛をとことん語っていただきました。
そして、プリン王子だからこそプリンを通して伝えられること、今後プリンの可能性の幅を広げるための活動について、プリン王子ならではの施策も教えていただきました。
――今年のプリンのトレンド、傾向があれば教えてください。
「今年のプリンのトレンドは昨年に引き続き、かためプリンがトレンドです。
自宅で味わうなめらかプリンは昭和世代中心に老若男女多くの方に愛されていますが、Instagramが普及したことで若い世代中心にカフェ巡りを楽しむ方が増え、カフェで提供されるプリンが受け入れられやすくなったことが一因であると考えています。カフェで提供されるのは皿出しプリンが多く、プリンの形状が保てるように一般的にはかためで作られているので。
また、〝エモい〟という言葉とともにノスタルジーな雰囲気を持つ喫茶店が再度ブームになりましたよね。
懐かしさを求める大人世代と、昭和を知らない平成世代の若者が新しさを求めて喫茶店に足を運ぶようになり、そこで昭和レトロの代表格であるかためプリンとクリームソーダが流行りました。また、ネオ喫茶の出現がブームを加速させたのも記憶に新しいですね。
最近では、まだまだ続くかためプリンブームに少し変化を加えたプリンが出てきています。その名もアイスオンプリン。
文字通りプリンの上にどっかりアイスがのっているプリンです。かためプリンならではのプリンの上に、アイスをのっけることでビジュアルのかわいさに拍車がかかります。
かためプリンであればそこそこの重量のアイスがのっても安定感があり、その絶妙なバランス感とかわいいビジュアルがうけていますね」
――今年の推しプリンを教えてください。
「2F COFFEE のアイスオンプリン、本屋イトマイのプリン、Totto のお取り寄せの砂プリン ですね。あとは、先日ご紹介させていただいた木花日和の空とぶプリンはもう絶品です」
なんと、好きすぎて空とぶプリンのTシャツまで作ってしまったプリン王子。プリンへの計り知れない愛情を感じますね…。全身モノトーンスタイルでおしゃれに着こなすプリン王子、さすがです。
――プリン王子が、プリンにハマったきっかけを教えてください。
「当時好きだった女の子がカフェが好きだったので、その子にいいところを見せようとカフェの予習を始めたところ、多くのカフェでプリンが提供されていることに気がついたんです。当時のぼくはプリンといえばプッチンプリンくらいしか知らなかったのですが、かためでハリがあって、カラメルの苦さとプリンのやさしい甘さのコントラストに魅了され、気がついたら女の子ではなくプリンを追っていました(笑)。
もうかれこれ6年前くらいの話ですね。プリン王子と名乗り出したのは2年前くらいかな。プリンにハマってからは、毎日食べないと気が済まないです」
――プリン王子が感じるプリンの魅力を、ぜひ教えてください。たくさんのスイーツがある中で、どんな良さがプリンにはありますか?
「まず第一に、プリンはかわいい!フォルムがとにかく愛くるしいところです!
そして、卵、牛乳、砂糖で作られるシンプルなおやつなのに、作り手によって見た目も味も全く異なるところです。
有名レストランのシェフでも、一般的に簡単だと言われるプリンが実は難しい料理であると言うように、分量、加熱時間、蒸らし時間など製法が同じでもその日の気温、湿度によって仕上がりが異なってしまうくらい繊細な料理がプリンなんです。目の前にあるプリンにはたくさんの情熱と思いが凝縮されていると考えたら、それだけで愛おしいなって思ってしまいます。
あとは、意外と知られていないことなんですが、ショートケーキやチーズケーキと違って小麦粉を使用しなかったり、砂糖の含有量が少なかったりと、実は太りにくいスイーツなので罪悪感がなくたくさん食べられるというのも魅力ですね!(とはいっても摂取量には限度がありますね)」
――カフェ以外では、普段どんなプリンを食べていますか?
「自分でもよく作りますね。はちみつを入れるとコクが出ます。7時間くらい冷蔵庫入れるので、半日はかかりますけど。コンビニでも買うし、毎日4~5個は食べるかな。食べ過ぎてごはんを食べれない日もあるくらい(笑)。
コンビニのだったら、セブンイレブンの〝きみだけのプリン〟が特に好き。
冷蔵庫にはつねにいろんなプリンを常備しています。自由研究みたいなかんじで、市販のかけ合わせとかをします。プッチンプリンとオレオアイスをかけ合わせたりとか。そういうのをTikTokでやると、若い子たちが喜んでくれますね」
プリンを食べている瞬間は、とっても幸せそう。ひと口ひと口じっくり噛みしめていますね。
――今後、プリンを通じてやってみたいことや展望があれば教えてください。
「プリンを手がけるお店の背中を押せるようなイベントの開催、SNSコンサルなどの支援を行っていきたいと思っています。
ぼくはプリンと出会い、プリンを発信し続けたことで、様々な業種の方、メディアの方、インフルエンサーさん、気の置けない友人と出会うことができて人生がより楽しくなりました。そしてありがたいことに、複数の企業様とコラボメニューの開発、販売なども一緒にやらせていただくことができました。
カフェやパティスリーのなかにはおいしいものを作ろうと情熱を注いで、こだわり抜いてプリンの開発をしているところもあり、こだわりすぎて採算とれている?大丈夫?と不安になるところもありますが、そういう情熱や思いが伝わってくるお店が本当に好きなんです。
ただ、そんな素敵なプリンも世に認知されなくて、経営状況が悪化し閉店するお店もたくさん見てきました。
〝いい商品を作れば売れる〟時代は終わって、知ってもらう努力もしなければ生き残れない時代になりました。
作り手はメニューを作ることには長けていても、SNSを全く触れたことがなかったり、得意でなかったりするので、そういった真っ当に頑張っていて、プリンへの愛とこだわりが見えるお店が大好きなので、より多くの方へ知ってもらえる働きかけをできるようなイベントの開催をしていきたいです。そして、その活動をとおして、より多くの方にプリンを好きになってもらいたいですね。
プリン自体もだいぶ変わってきていて、ビーガンプリンやダイエット志向な大豆のプリンができたり、今後もどんどん変わっていくと思う。個人的にはオーソドックスなのものが好きだけど、目新しいものがどんどん出てきて、わくわくしますね」
プリンをきれいに撮るために、プリン専用のカメラまで購入したというプリン王子。
撮影する姿、撮り下ろした写真は、まさにプロのカメラマンさながら!
「とにかくいろんな人にプリンを広めたい。プリンの可能性を知ってほしい。
自分も気になったお店は絶対に行くし、つねにアンテナを張っています。1回行ったら絶対忘れないし、気に入ったところはリピートします。食べたあと、忘れないように特徴とかのメモをとるようにしているんですよ。
とにかく、プリンはかわいい。〝プリン〟って響きだけでもかわいいんです」
そう嬉しそうに話すプリン王子の笑顔もかわいくて、プリンの魅力をより奥深く感じることができました。
これを今読んでいるあなたも、プリンが無性に恋しくなったのでは?あなたもぜひ、運命のプリン探しへの旅へ出てみてください。
Photo/Hiroyuki Tsutsumi Writing/Saeka Ichiishi
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