京都は左京区田中里ノ内町。京都の駅から、烏丸七条から市営バス206号線に乗り、叡電元田中で降りて徒歩2分。近くにも下鴨神社があり、中心部とは違い地元の人たちの楽園がここにある。「喫茶探偵」そのユニークなネーミング、おしゃれな内観。そこで出会った最高のプリンと、最高の人たちを紹介させていただきたい。
外観からもわかる、時間のたった建物の風合い。建物を包むかのように、存在感を発揮するグリーン。黄色い看板に「BAR 探偵」のレトロな文字が躍るこのお店。もともとあったtearoom三茶は、25年ほど前に、前店主がご高齢のため一度閉店。その後10年ほど空き物件を経て、今から15年ほど前に、映画監督の林海象氏が「bar探偵」として生まれ変わらせることに。
初めは林海象さんの奥様が昼間に喫茶をされるも、2年ほどでおやめになり、その後はバーだけの営業に。バーの運営は、林海象さんの教え子さんたちや色んな方々がつないでつないで、6年ほど前からは今のマスターが、ずっと管理しているそう。
一歩入れば、そこは心もほっとする暖色の世界。レトロな机、レトロな椅子。古い書籍がズラリと並ぶ書棚。ヴィンテージなお酒の数々。この書棚、実は隠し扉になっている。この隠し扉を開くと、そこは映画の試写室。仕掛けたっぷりの空間になっている。
昼間の時間にこの喫茶を運営するのが、眞舘里子さん。初めて来店した時に、内装のかっこよさに一目惚れし、「ここで喫茶をさせてください!」と言ったことから物語がスタート。
「『いいですよ』そういわれて、驚きました。たぶん、わたしもマスターもノリと勢いです(笑)その後半年ほど、バーのお手伝いをしながら信頼関係を築き、2018年の12月、喫茶探偵をスタートさせました。」
地元の常連さんたちはこのカウンターに座り、淹れたてのコーヒーと、店主との会話を楽しみに来ている。東京から来た観光客で、初めて訪問した私を快く迎えてくれた。地元の美味しいお店を教えていただけたり、お店の由来や歴史についても教えてくれた。
1杯のコーヒーを、丁寧に丁寧に。サーカスコーヒーさんの季節のブレンドのコーヒーに、心も体もくつろげる。コーヒー飲みながら。また店主に会いに来たくなる、圧倒的な癒し空間。
メニューには、お昼は日替わりのランチ。そしてふわっふわのたまごサンドが人気。デザートは、パフェも。そして人気は「クラシックプリン」。店主のお母さまが作っていたプリンのレシピをもとに、アレンジを加えて眞舘さんオリジナルの仕様に。
もう出てきた瞬間、気持ちがキュン♡としちゃうこのフォルム。上にのったクリームの座布団の上に、どっしりと大きないちごが鎮座。
なめらかで、ふんわりしたクリームに大粒のいちご。
そしてプリン好きが気になるのは食感と、カラメルの濃さ。卵感は濃厚で、カラメルはやや濃いめながらビターすぎず、クリームとプリンと全体的にマイルドに食べられる。スプーンを入れるとややかためながら中はやわらかく、手が止まらなくなるおいしさ。
夜になるとまた変わる面白さ。夜はお酒を飲みに来る常連さんで活気づく。営業時間や定休日も、日によって異なるので公式インスタグラムを見ていくのがおすすめ。
旅のだいご味である「出会い」。地元の人からも、旅する人からも愛される空間が、このレトロな喫茶に。コロナで落ち着かない世の中、落ち着いたころに、ぜひ店主の眞舘さんとお話をしにいってほしいと、心から思うお店でした。
About Shop
「BAR 喫茶 探偵」
〒606-8212
京都府京都市左京区田中里ノ内町26 (MAP)
営業時間:12:00~15:00、19:00~
※営業時間はInstagramをご参照ください。なお、5月5日までお休みです。
定休日:日曜日
Photo&Writing/Cream Taro
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