今回の連載の舞台となるのは、焼き菓子で人気の「シヅカ洋菓子店 自然菓子研究所」(三田・銀座)。純白のショートケーキが感じさせる、日本の食材の美味しさ。自然派スイーツ店が編み出す、他のショートケーキとは一線を画すこだわりを取材してきた。
2021年3月、白金高輪の住宅街の奥に誕生した『シヅカ洋菓子店 自然菓子研究所(以下、シヅカ洋菓子店)』。2022年には銀座店ができ、各メディアでも取り上げられるなど、今最もホットな店である。
最寄り駅は、都営三田線/南北線「白金高輪」駅、都営地下鉄「三田」駅。歩いて10分程度の閑静な住宅街にある。
「自然菓子研究所」その名前の通り、店内は真っ白でスタッフたちはコックスーツとは違ったまるで研究者のような白衣をまとっている。
棚の上にはガラスのドームにかぶされた焼き菓子がズラリ。“自然に優しい材料でシンプルに作られたお菓子”をコンセプトとしている。
農薬や化学肥料を極力使用しない、地球環境への負荷が小さいサステナブルな栽培方法で収穫された原料を徹底的にリサーチし、素材選びからこだわっているんだとか。
お店の人気商品は、やはりクッキー缶。大ぶりなクッキーがぎっしりつまったこちらは、季節限定缶もあり、手土産の定番となりつつある。
本題のショートケーキへ。12月現在は「とちおとめ」を使ったショートケーキになっており、なるべく酸味のある苺を選んで送ってもらっているそうだ。その理由としては、全体のトータルバランスを考えた設計。
実際に苺、生クリーム、ジェノワーズ(生地)を口に含むと、優しい甘さと酸味が口の中で一つになっていく。
そしてそのバランスを整えているキーポイントがこのジェノワーズ。ふっくらとした食感。生クリームとジェノワーズの間は一見シロップに見えるものの、焼き目。香ばしさを引き立たせており、小麦の美味しさをしっかり感じることができる。
最後に生クリーム。キレのあるコク、口どけのよさ。その秘密を伺うと、北海道の根釧地域のフレッシュクリームと沖縄県産の砂糖をブレンドした生クリームとのこと。生クリームのコクを最大限引き出している。
生クリームの色も、黒糖は使っていないものの、少し茶色がかった色合いになっている。甘みも優しい味わいで、口の中でその余韻は深く残る。シヅカ洋菓子店らしい味わい。
またスクエアのこのカットの仕方は、パティスリーでも時々見かける。焼き菓子がメインだからこそ、生菓子がやや目立ちにくくなることからインパクトのあるこの形にしたんだとか。
一つ食べて、その軽さと優しさにただ感動するこのショートケーキ。国産素材に徹底的にこだわった一品、ぜひ味わってほしい。
About Shop
「シヅカ洋菓子店 自然菓子研究所」
東京都港区三田5-4-10
営業時間:11:00~18:00
公式Instagram
クリーム太朗
ウフ。編集長
編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中
Photo&Writing / Cream Taro
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