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サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに会場の見どころと熱い想いとは!? 

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに聞いた、会場の見どころと熱い想いとは!? 

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに聞いた、会場の見どころと熱い想いとは!?

チョコレート好きにとってたまらない「サロン・デュ・ショコラ2022」がいよいよ開催します。今回は、人気ヘアメイクアップアーティスト夢月さんの連載「ショコラに恋して」特別編。伊勢丹新宿店さんの協力のもと、この年に1回の大きな祭典を一緒に盛り上げるべく、バイヤーの真野さんに取材のお時間をいただきました。

今年のラインナップも、もちろん気になりますがチョコレートを通じて、どんな想いで運営し、このコロナ禍で難しい交渉をどのようにして、多くのチョコレートファンに何を届けたかったのか、他のメディアでは掘り下げることのない、その想いと壮大な舞台の裏側をお届けしていきます。

年に1回の祭典。「サロン・デュ・ショコラ」とは?

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに会場の見どころと熱い想いとは!? 

1995年にフランス・パリで誕生して世界中から一流ショコラティエやブランド、最高級のチョコレートが集まる、世界最大級のチョコレートの祭典で、本場のパリでは毎年10月下旬~11月上旬に開催されています。日本での始まりは、さかのぼること2003年1月。伊勢丹新宿店の本館6階催物場からスタートし、東京新宿をはじめとする三越伊勢丹グループ各店にて毎年開催され、今回の開催でついに20回目を迎えます。

今年の「サロン・デュ・ショコラ」は、カカオの世界を楽しむ<Part1 TASTE OF CACAO>と、各国ショコラティエの技を楽しむ<Part2 THE ARTISANS>の2部制となっています。

コロナ禍で世界が変わった今。次の20年後とは? チョコレートに関わる人が笑顔になれる未来とは?

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに会場の見どころと熱い想いとは!? 

夢月さん「今回、記念すべき20回目の開催ということで、テーマは『未来と笑おう。』温かく明るいショコラの未来に、そんな明るい光の兆しを感じるテーマだと思いました。真野さんはどんな想いで交渉を進め、こんなにも素適なショコラティエやシェフの方々を集めたのでしょうか?」

真野さん「テーマは、今回で記念すべき20回目ということになりますが、2003年から始まった『サロン・デュ・ショコラ』から20回と開催を重ねていくうちに、当時とはいろいろなことが変わってきたと思います。それはチョコレートを取り巻く環境もそうですし、特にここ2年はコロナで世界が大きく変わったと思います。「エシカル」「サステナブル」という言葉も、本当に多く耳にするようにもなり、時代は急激に変わってきました。

そんな時代背景がある中で、今考えなきゃいけないことって何かなって考えたときに、個人として、人として“次の20年後ってどうなんだろう?”って思ったんです。

実は、今回で20回目だけれど、その新しい未来を考える、アクションしていく次のステップとしての1回目が、2022年のサロン・デュ・ショコラ

“未来”ってよくあるキーワードで、キャッチコピーに入れることをどうしようかと思ったけれど、チョコレートに関わる人たちや消費者の方々へ“笑い合える未来であって欲しい”と思ったときに、一番しっくりきてメッセージとしてわかりやすいと感じたんです。今回は、そんなテーマがもとになっています。」

「国や地域に根差す文化、食として愛されているもの」をクリエイションに

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに聞いた、会場の見どころと熱い想いとは!?

夢月さん「2022年のラインナップの特徴や、2022年ならではの『発見』があれば、ぜひ教えてください。」

真野さん「まず新規のブランドについては、探し方としてご出展いただいていない地域とか、エリアとかを軸にします。例えばフランスの国内でも色々な地方にいいショコラティエがいて、土地と結びつく個性があって、まだまだ紹介できていないエリアをフックにし、探したりしています。

そんな中でも作り手の個性やフィロソフィー(哲学)を、商品を通じてお客さまに理解して、食べてもらいたいという想いがあるので、それを表現できる作り手を探していますね。それはその人を取り巻く食文化だったり、風土だったり、自分たちが愛しているもの、大切にしているもの、それをクリエイションの中に、エッセンスとして落とし込むこと、そういったお願いをしています。それは新規のショコラティエもそうですし、今までずっとご一緒している方々に新しい商品をお願いするときも、そこを大事にしてもらっていますね。

今回は、そういう依頼を色々なショコラティエにしたときに、“割と同じことを考えていたんだよね”という方々が多かったんです。未来というテーマもそうだし、コロナという全世界共通の課題をみなが抱えていて、同じような想いを持っていたんですよね。このまま未来ってハッピーに続くわけないよね。自分のクリエイションで何をすべきか、そういうところのベクトルが一致したんです。

普段から使っていて当たり前のようにある、食材や材料。改めてその貴重さ、有難さに気づくことにクローズアップしたり、そういう食材にシンプルにフォーカスした商品を作ったりだとか、そういうことが今回のラインナップに表れていると思います。すごく手の込んだもの、というよりも“ショコラティエたちが愛している、地元のものとか、クラシックなもの”が多いと思います。ぜひそんな観点で、見ていただけたら嬉しいです。」

Part1,Part2に分ける理由とカカオへの想いとは?

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに会場の見どころと熱い想いとは!? 

夢月さん「昨年度もPart1、Part2で分けて、今年もPart1はカカオの魅力にせまるものだと感じました。『カカオの魅力』に着目し、メッセージ性のあるテーマで発信している理由を教えてください。」

真野さん「もとはというと、外部会場でやったときは、会場が広かったんです。本当は一カ所でやりたくて、それぞれ目的が違うお客さまが、その場で違うものに触れて、会場で化学反応が起きてみたいなことがやはりいいなとは思っているんだけれど、コロナ禍ということもあり、場所も限られているので、その狭い会場を逆手にとって面白いことができないかと。

そこで、パートを分けることにしたんです。そのほうが、テーマをお客さまにしっかりと伝えられるチャンスなのではないか、と考えました。part1でカカオに着目したのは、そもそもの原材料のカカオが、いわゆる新興国でとれるもので労働問題だったり、フェアトレードだったり、社会性が高い素材。かつカカオって世界中で消費されるものなので、他の食材と比べても、社会とのつながりを感じる部分が大きいというところから始まっています。

あとは単純に僕自身、素材はもちろん、お菓子であればその歴史や文化は川上に遡っていきたいという想いがすごいあるんです。カカオってどんなものだっけ?と思ったときに、チョコレートにするプロセスまで深掘りし、発信することでカカオの面白さを色々な角度から、身近に知ってもらおうと考えました。そしてカカオの事を知ることで、その先の未来につながるということを考えています。それこそ今回のテーマ性と重なってくる部分です。」

カカオ×日本酒、ビールetc. カカオといえばビーントゥーバーの型を超えた、新しい興味と、可能性の発見

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに聞いた、会場の見どころと熱い想いとは!?

夢月さん「カカオ×日本酒、カカオ×クラフトビール、カカオ×ヴィーガン。Part1ではユニークなコンテンツがそろっており、このような組み合わせを今回試みた理由を教えてください。」

真野さん「これも、カカオに色々な可能性があるということを、知ってもらいたかったという意図があります。今までになかった面白い組み合わせ、試みがお客さまにささるかなという部分と、どうしてもカカオ、カカオというとビーントゥバーの話、板チョコの話になりがちなので、それは良いことではあるけれど“カカオってもっとそれ以外の可能性もあるよね”と思ったことが始まりです。

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに聞いた、会場の見どころと熱い想いとは!?

板チョコを食べない方に、ビーントゥーバーの話をしても、ささらないと思うんです。なので“入り口を別に作って、カカオに興味を貰ってもらおう”というのが軸で、日本酒好きの人、ビール好きの人に『そんな組み合わせがあるんだ』と思って、カカオの世界へ入ってきてもらえたら嬉しいなと思っています。」

年々充実する、デセールの魅力

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに会場の見どころと熱い想いとは!? 

夢月さん「年々充実するデセールについて、ぜひお考えを教えてください。」

真野さん「本当は、デセールをもっとやりたいんですよ! 会場の中に場所を大きく作れなくって、どうしても限られてしまう。去年も思ったけれど、イベントの面白さって、やっぱりリアルでそこで食べられる、そこでしか食べられないところ。そのコンテンツが楽しいし、デセールって持ち帰りを前提としないその場で作られるものだから、色々な遊びができるんですよ。持ち帰りを前提にしたものとは、まったく違うチョコレートの世界を提供できるし、そういうものをお客様がすごく求めていると思います。」

夢月さん「そんな中で、真野さんがデセールを作るシェフたちにどんなオーダーをされましたか?」

真野さん「基本的には、作り手の個性を尊重しています。例えばPAYSAGEの江藤シェフでいえば、日本の各地の素材、生産者とのつながりがあるので、そういった要素が欲しいと話しました。あと、江藤シェフは味の複雑な層を重ねていく方なので、そこにカカオ感みたいなところをうまく合わせて欲しいと話しました。」

「丁寧な日本人のシェフが作り出す、フレッシュさにも注目して欲しい」

サロン・デュ・ショコラ2022開催、いよいよ1週間前! バイヤー真野さんに聞いた、会場の見どころと熱い想いとは!?

夢月さん「最後に、今回も日本のシェフが多く登場しますが、日本のシェフたちの魅力はどんなところにあると感じていらっしゃいますか?」

真野さん「やはり日本のシェフは、仕事が丁寧ですし、海外勢とは違うフレッシュさがあります。日本の素材を最大限活かす技術、解釈する技術、そこが凄いと思っています。とくに日本人の舌をわかっていて、そこが日本人らしさ。どんな商品でも、手を抜かず真心こめて作っているところが魅力ですね。」

~ 編集後記 by 編集長~
いかがでしたでしょうか? 年に1回の祭典。お祭りでありながら、筆者である私も、レアなチョコレートを入手したい!とか、攻略をどうしよう!とか、何を買おうかなとか、新しい顔ぶれは?とか、そういう観点で毎年通っていましたが、真野さんのお話を聞いて、チョコレートとそしてこのお祭りが楽しいだけではなく、多くの人を支えていて、それは全世界のショコラティエはもちろん、カカオ農家さんをも幸せにしていることなんだと、広い目で見て考えることができました。

そして、たくさんのショコラティエと、そのラインナップはそれぞれの想い、熱いパッションから生まれたものだと、知ることができました。「今年は地味だな」「もっと知らないのが食べたい」そういう人たちもいるかもしれません。でも、カカオってどんなものだっけ? 作り手の顔は? コロナ禍で会えなくなってしまったショコラティエたちとの、数年前の様子を思い浮かべてください。こんな素敵な機会を、必死の想いで作り上げてくださった関係者の皆様への感謝の気持ちを、ぜひ持って欲しい。そんな思いの詰まった記事とさせていただきました。「チョコレートマニアから、チョコレートを愛する人へ」そんな人へ変わっていったら、上から目線かもしれませんが嬉しいです。

【サロン・デュ・ショコラ2022 会期情報】

Part1:一般会期: 2022年1月20日(木)~25日(火)6日間 各日午前10時~午後8時
※最終日午後6時終了

Part2:一般会期: 2022年1月28日(金)~2月3日(木)7日間 各日午前10時~午後8時
※最終日午後6時終了

混雑が予想される日時は、入場整理券(無料)が必要となります。詳しくは公式サイトで最新情報をご確認ください。

クリーム太郎

クリーム太朗

ウフ。編集長

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編集責任者。ショートケーキ研究家として、日本全国のケーキを食べ比べる。自身でも、ケーキやチョコレートの製造・販売を目指すべく、知識だけではなく実技も鍛錬中

Photo/Sachi Kataoka Writing/Cream Taro