ufu(ウフ)スイーツがないと始まらない。
注目の新店「As」(恵比寿)人気パティシエがついに独立。明日を彩る、気取らないカウンターパフェコース。「金曜日、秘密のデザート」vol.15

注目の新店「As(アス)」(恵比寿)人気パティシエがついに独立。気取らないカウンターパフェコース。「金曜日、秘密のデザート」vol.15

注目の新店「As」(恵比寿)人気パティシエがついに独立。明日を彩る、気取らないカウンターパフェコース。「金曜日、秘密のデザート」vol.15

予約困難なレストラン、知る人ぞ知る名店、大人のバーetc. 今までメディアでも掘り下げてこなかった、大人のための秘密のスイーツをお届けする連載・鈴木セイラ『金曜日、秘密のデザート』。

8店舗目となる今回、紹介するのは美食の街・恵比寿に先月開店したばかりのカウンターデセールのお店「As」。シェフパティシエは、南青山の名店「UN GRAIN」の元スーシェフ・青木繁シェフ。

開業準備中に行ったスイーツイベントで着々と人気を集め、開店を心待ちにしていたスイーツ好きは多数。スパイスやハーブなどを用いた複雑な味の組み合わせで、人々の舌を虜にしてきた青木シェフが織りなすカウンターデザートの世界。早速案内していきます。

地下に降りれば、デザート界を賑わす人気シェフの魅惑的なスイーツが。

注目の新店「As」(恵比寿)人気パティシエがついに独立。明日を彩る、気取らないカウンターパフェコース。「金曜日、秘密のデザート」vol.15

恵比寿駅の東口から徒歩5分程度。こだわりの詰まった個性的なお店が集う恵比寿新橋グルメ通り。とある雑居ビルの無機質な階段を、乾いた音を立てながら地下へと降りていくと、店名「As」(アス)の文字がお目見え。

「As」は未来を感じさせる「明日」という言葉と、青木繁シェフの頭文字「A・S」を掛け合わせた造語です。

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スタイリッシュな天然大理石のカウンターは全6席。天然大理石のラグジュアリーな空間ながら、ドライフラワーやウッド製のチェアなどで遊び心を少し加えることで、気取りすぎない雰囲気を演出しています。

実はこの店舗は、元ミシュラン1つ星レストラン出身・勝俣シェフのカウンターデセールのお店「Yama」の跡地。(※連載vol.5、6にて紹介。白金へ移転)

様々な偶然と運命が重なり合い、勝俣シェフからこの場所を受け継ぐことを提案された青木シェフはプレッシャーはありつつも二つ返事で承諾することに。

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青木シェフは、「名古屋ストリングスホテル」のレストランシェフパティシエ、南青山「UNGRAIN」スーシェフ、九品仏「INFINI」スーシェフ…と、様々な名店で腕を磨いた実力派。

複雑な旨味の絶品スイーツと好奇心旺盛な柔らかい人柄で、スイーツ界から注目を集めている一人です。

予測不可能な味わいは、まるで「味覚の遊び」。パフェを軸にしたカウンターデセールコースとは?

注目の新店「As」(恵比寿)人気パティシエがついに独立。明日を彩る、気取らないカウンターパフェコース。「金曜日、秘密のデザート」vol.15

「As」で味わえるのは、アラカルトのデザート3品とお茶、フィナンシェの計5品のコース。デザートの3品の中の1つには、パフェが組み込まれています。今回は提供中のコースの中から2品を紹介します。

カウンターデセールには珍しい、パフェを軸とした構成の理由を青木シェフに伺うと、「パフェを組み込むことで、コースを少しカジュアルにしたくて。美食のように集中してしっかり味わうというより、“スイーツ食べて明日も頑張ろうかな”と思ってもらえるような、気取らない雰囲気のコースをつくりたかったんです」

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早速パフェの盛り付けをはじめた青木シェフ。空のパフェグラスから、目の前で食材ひとつひとつが美しく積み重ねられていく、まるで映画のワンシーンのような光景にセイラさんも釘付けに。

栗の鬼皮のブラマンジェ、マリネした次郎柿、八丁味噌のクランブル、モンブランクリーム…。次の食材は何だろう?と、目線はグラスに集中。

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すかさず、サッと後ろを振り向いた青木シェフがオーブンから取り出したのは、小さなお鍋。蓋を開ければ、グツグツと米油で揚がる“揚げ栗”がお目見え。香ばしい香りが店内にひろがり、食べたくて我慢できない気分は最高潮に!

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取り出した揚げ栗が手早くカットされていき、モンブランクリームの上にオン。華麗に盛り付けられる様はまさに芸術。ひんやりとしたパフェに、ほんの少しの暖かさが。この“温度差”も、味わいに変化をもたらしています。

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最後にほうじ茶アイスとパートフィロが盛り付けられ、フィナーレ。完成した逸品は「モンブランと柿とほうじ茶のパフェ」。シェフの手元から離れ、目の前にサーブされる瞬間を心待ちにする、この美しさ。

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栗と柿の食材の甘みに八丁味噌で塩味と旨味を加えた、バランス感抜群の至高の味わい。甘味の強いグラニュー糖は一切使わず、きび砂糖やはちみつで仕上げた優しい甘さも女性心をくすぐります。

一口食べ始めればいつのまにかグラスは空になる、まさにパフェの概念が覆されるデザート。

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一口目となるパートフィロは、口の中で枯葉を噛み締めるようなイメージで頂きます。室内にいるのに、そこに秋の光景が広がるような嬉しい仕掛け。

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セイラさんがパフェの美味しさを噛み締めているところに、間髪入れず甘く香ばしい魅惑の香りが…。ここでシェフが作り始めたのが「蜜柑キャラメルで煮込んだクレープシュゼット」。目の前のキッチンで、蜜柑ソースとバターを煮込み、キャラメルを作っていきます。

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香り高いイタリア産タレッジョチーズのソースを敷いたお皿に、煮込んだクレープシュゼット、蜜柑を盛り付け、先ほどのソースをとろり。蜜柑は、柑橘ソムリエが選別した和歌山県産のもの。

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仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノチーズをオン。削られるほどに広がっていくチーズの悩ましい香りが、カウンターからふわりと広がります。そして魔法のように、黒胡椒をぱらり。

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クレープに蜜柑とキャラメル、複数のチーズ、黒胡椒。複合的な味わいが重ねられたクレープシュゼットは味が予測不可能。

「どんな味がするんだろう?」と一口食べれば、塩味と甘味、スパイスが次々と迫ってくる初めての感覚に思わず笑ってしまうほど。これぞ、青木シェフの織りなす「味覚の遊び」。

「As」のデザートコースは、スイーツだけど料理のような、塩味のある一皿を入れるようにしているそう。専門学校ではフレンチを学び、ホテル勤務時代にはパスタや前菜を担当したこともあるという青木シェフならではの一皿が味わえます。

「最高に美味しいけれど“気取らない”雰囲気が大事」。青木シェフのスイーツの美学を映し出す「As」。

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「カウンターデザート」というと、ラグジュアリーな空間でとびっきりお洒落をして、背筋をピンと伸ばして静かに味わう…というイメージがありますが、「As」が届けたいのは、あくまで「気軽なデザート」。このコンセプトには、青木シェフが考えるスイーツへの想いが込められています。

注目の新店「As」(恵比寿)人気パティシエがついに独立。明日を彩る、気取らないカウンターパフェコース。「金曜日、秘密のデザート」vol.15

「『As』では、肩肘はらずにざっくばらんにデザートを楽しんでほしいんです。店名にも込めていますが、自分のつくるスイーツは、“明日も頑張ろう”と思ってもらえるような…お客さんにとって、エネルギーがチャージできるものでありたいと思って。

スイーツの価値を落とさず、でもいかにカジュアルに楽しんでもらえるかを大事にしています」

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そう語る青木シェフは、カウンター席というお客さんとの距離の近さも活かし、会話も重視しているそう。

「空間として目標にしている、恵比寿のイタリアンレストランがあるんです。値段はそれなりで味も勿論美味しいのですが、お客さんたちが本当にくつろいで食事をしていて。その光景を見て、絶対にこんなお店にしたいと思ったんです。

『As』は、まだオープンして間もないので、試行錯誤しながら理想のお店に近づけていきたいですね」

注目の新店「As」(恵比寿)人気パティシエがついに独立。明日を彩る、気取らないカウンターパフェコース。「金曜日、秘密のデザート」vol.15

スイーツ界注目のパティシエ・青木繁シェフの新店「As」。いかがでしたでしょうか。今までにない味覚の組み合わせを堪能でき、気取らずに頂けるカウンターデザートのお店。オープンから連日満席なので、ご予約はお早めに。

【メニュー詳細】※取材日時点
季節のデザートコース:¥7,000
全5品(デザート3品、お茶、フィナンシェ)
完全予約制
※公式Instagramにて予約フォームあり
※12月21日~25日はXmasデザートコース。
 1月初旬はカフェ営業、後半はパフェコースを予定。

About Shop
As
東京都渋谷区恵比寿1-26-19 B1
@as_dessert_parfait

Photo/Cream Taro Writing/Nanako Maeda