いよいよ連載も5回目となる、今回の記事は遠藤シェフの知られざる活動についてお届けします。
続々とOPENする新店舗、TVや雑誌と忙しい日々を過ごす中で、遠藤シェフが強い想いでのぞむ“スイートハートプロジェクト”について。
いったいどんなプロジェクトなのか、どんな活動をしているのか、密着取材してきました。
まず、このプロジェクトはスイートハートプロジェクトの実行委員長東光篤子さんと、パティスリーカメリア銀座の遠藤シェフとの出会いから大きな飛躍をしました。
2020年11月より始まったこのプロジェクトは、様々な障がい者支援施設の方々が作るお菓子作り=「福祉のお菓子」が大きなテーマとなっています。
今回取材でおじゃましたのは、東京都調布市にある「調布を耕す会」さん。親切にも、取材と撮影をさせていただきました。
ハンディキャップを抱える人々が、社会と繋がり、働く喜びを日々感じながら、心を込めて1つひとつ、福祉施設で作っているのがこの「福祉のお菓子」。
小さなお菓子には、障がい者の方のひた向きな思いはもちろん、そのご家族、施設のスタッフ、そして施設を支える地域社会……たくさんのやさしさ、物語が詰まっています。
そんな障がい者の方のお菓子作りに、手を差し伸べたのが遠藤シェフ。本格的なフランス菓子を一から教え、指導し「福祉のお菓子」から、美味しくて本格的な洋菓子へ。
遠藤シェフがプロジェクトに賛同した理由は?
今回のプロジェクトについて、その想いを遠藤シェフに伺いました。
「このスイートハートプロジェクトの本質は、お菓子作りを教えるだけではなくて、障がいのある方がお菓子を作る=安くなってしまう、という現状を解決することにあります。
仕事した分の対価を、なぜ障がいがあるからといって普通の人と同じようにもらえないのでしょうか?
そこに疑問を持ち、彼らのために無償で指導し、そしてブランディングのお手伝いもしています。」
「僕はレシピを出すことに、抵抗感がないです。製菓学校でしか学べないようなノウハウやプロ目線でのアドバイスをしています。
ひとつの商品ラインを充実させて、そのプロセスを一緒に考えたり、導いたり、お菓子作り以外の部分でもたくさん関わっています。」
「お菓子を作るからには、本当に美味しくて、しっかりしたものを届けたいと思っています。
僕も現場があるので、毎週のように通うことはできないから、施設とは文通でやりとりしたり、試作を送ってもらったのを試食してアドバイスしたり、そんなやりとりを半年以上かけてきました。そしてようやく、製品も仕上がってきて。」
「障がい者の彼らは、とてもまじめでお菓子作りを楽しんでくれました。得意・不得意はあるけれど、ひたむきに学び続ける彼らの成長も感じることができました。
彼らのお菓子が、多くの人を笑顔にできるなら、この上ない喜びですね。」
今回、長い期間を経て、スイートハートプロジェクト実行委員会と「パティスリーカメリア銀座」遠藤シェフが作り上げたのは「Boule De Neige」(ブール・ドゥ・ネージュ)。
ブールドネージュは、フランス語で「白い雪の玉」という意味で、スノーボールクッキーとも。粉糖とアーモンドを使ったフランスの伝統的なお菓子です。
フレーバーは、抹茶にフランボワーズ、ココアとプレーンの4種類。各550円(税込み)で、調布市の「調布を耕す会」、江東区の「ゆめま~る」、スイートハートプロジェクトのHP等で購入が可能です。
また今回、ufu.(ウフ。)のSDGsとしての取り組みとして、「お菓子を通じて考える、SDGs」の可能性を、メディアとして進めていくことに決めました。
こちらのお菓子は、ufu.で販売も開始します。売り上げの利益のすべてを(決済手数料など諸経費を除く)スイートハートプロジェクト並びに施設へ送らせていただくことになりました。またSNS等で告知予定です。
次回の連載は、施設の方との対談。「お菓子を作るだけがパティシエではない」遠藤シェフの考え方に迫ります。
遠藤泰介
Taisuke Endo
シェフパティシエ
・ピエールエルメ イクスピアリ シェフパティシエ
・UIPCG世界ジュニア製菓技術者コンクール準優勝
・ザ・ペニンシュラ東京 ショコラ担当職人
・クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー 飴細工部門 日本代表決勝出場
・パティスリーカメリア 銀座店 現シェフパティシエ (2018年~)
【TV出演】
マツコの知らない世界、「おびゴハン!」、「内村のツボる動画」など多数
About Shop
パティスリーカメリア銀座 (伊勢丹新宿店)
住所:東京都新宿区新宿3-14-1(MAP)
伊勢丹新宿店 本館地下1階
営業時間:10:00~20:00
※詳しい営業時間は公式サイトよりご確認ください。
Photo/Ahlum Kim Writing/Cream Taro
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